タブレットアプリの開発を外注する手順や費用相場を詳しく解説

モバイル端末といえばスマートフォンばかりが注目されがちですが、現代ではタブレット端末の普及も進んでおり、ビジネスにおいてもプライベートにおいても活用する方が増えてきています。
タブレット普及率の増加に伴い、タブレット向けのアプリを開発してみたい方もいるのではないでしょうか。
当記事では、タブレットアプリの概要・特徴から、開発費用の相場、外注のメリット、開発方法、開発のポイントまでを幅広く解説しています。タブレットアプリの開発に興味のある方は、ぜひご参考下さい。
タブレットアプリとは
タブレットとは、軽量・薄型・板状のタッチ式モバイルデバイスのことです。パソコンとスマホの中間に位置するデバイスと捉えられており、スマホよりも画面が大きく操作性に優れており、パソコンよりも持ち運びに便利であるのが特徴。搭載されているOSによって、Windowsタブレット・Androidタブレット・iPadの3タイプに分類されます。
そしてタブレットアプリとは、タブレットで活用することを想定されて開発されたアプリケーションのことです。タブレットユーザーの増加に伴い、Google Playストア・App Storeでもビジネス・エンタメ・ゲーム・生活などさまざまな種類のタブレットアプリが提供されています。
タブレットアプリの特徴とは
タブレットアプリとスマホアプリはどちらもモバイルアプリに分類されますが、タブレットアプリには以下にご紹介するような特有の特徴があります。
・タブレットならではの大画面を活かしている
タブレット端末の特徴は、スマホを大きく上回る画面の大きさ。一度に表示できる情報量が多く、文字や画像も拡大することなくはっきり表示することができます。
タブレットアプリは、この画面サイズのアドバンテージを最大限に生かして開発されています。
・タブレットならではの操作性・利便性を活かしている
タブレット端末は、スマホよりも操作性・利便性に優れているのも大きな特徴。タッチペンを用いることで大胆な操作や細かい操作もスムーズに行うことができます。
一般的にタブレットアプリは、このような端末特性を活かせるように設計・開発されています。
タブレットアプリの開発にかかる費用の相場は?
タブレットアプリの開発を検討している方は、どの程度の開発費用が必要となるか気になるのではないでしょうか。開発するアプリの仕様や内容によって開発費用の多寡も違ってきますが、おおよその費用相場について以下にご紹介します。
シンプルなアプリ:300万円
サーバー処理・データベース処理等の必要が無く、機能的にもシンプルなアプリの場合は、300万円程度が開発費用の相場となります。
一般的なアプリ:800万円
さまざまな機能を搭載しているアプリや、サーバーサイド処理が必要となるアプリの場合は、単純にアプリのみを開発するよりも多くのコストが必要となるため、800万円程度が相場となります。
多機能なアプリ:1,000万円
一般的なアプリに比べてさらに多機能なものについては、もう一段階相場が上がります。およそ1,000万円~内容によってはそれ以上の金額がかかることもあります。
モバイルアプリの開発費用や開発費用を抑える方法については、以下の記事でも詳しくご紹介していますので、併せてご参考下さい。
【相場】モバイルアプリの開発費用はいくら?開発費を抑える方法も紹介
Webアプリ・ハイブリッドアプリの場合
タブレットアプリは、端末にインストールして使用するネイティブアプリが一般的であると思われがちですが、他にもWebアプリ・ハイブリッドアプリといったタイプもあります。各タイプでメリット・デメリットや費用感が異なるため、以下にご紹介します。
ネイティブアプリ
OSに合わせて開発を行うため、端末の機能・性能を活かしてパフォーマンスの高いアプリを開発できるのが特徴。費用はやや高めとなります。
Webアプリ
Webサーバー上で動作するアプリ。OSごとに開発する必要が無いため、コストを抑えて短期間で開発できるのが特徴です。
ハイブリットアプリ
ネイティブアプリとWebアプリの特性を併せ持ったアプリ。OSに依存しないマルチプラットフォーム言語で開発を行うことや、処理をWeb上で行わせることから、ネイティブアプリよりもコストや工数を削減できます。
どのタイプが適しているのかは、開発したいアプリの機能・性能や対象となるプラットフォームによって異なるため、開発前には検討しておくことをおすすめします。
スマホアプリと同時開発した場合に費用はどう変わる?
アプリ開発の企画によっては、全く同じ仕様・機能を持つスマホアプリとタブレットアプリを同時に開発したいケースもあるでしょう。この場合、どちらか片方の開発コストで済むと考える方もいるのではないでしょうか。
AndroidOSであれば、スマホ向けに開発されたアプリをタブレットで動作させることも可能ですが、実際には画面の大きさを無理やりタブレットに合わせるため見づらく、操作性にも違和感を感じるものです。
そのままではユーザーの利便性を損なうリスクが伴うため、スマホアプリ・タブレットアプリを同時開発する場合においても、スマホ・タブレットそれぞれのデザイン・ユーザーインターフェースを用意することが必須となるでしょう。
基本的な仕様・機能は共通していても、各々のデザイン・ユーザーインターフェースを作成する工数が発生するため、その分費用は割高となります。
タブレットアプリの開発を外注するメリット
タブレットアプリを開発するには、自社開発と外注という2つの選択肢があります。アプリ開発会社へ外注するとコストが発生しますが、次のようなメリットからタブレットアプリの開発は外注することをおすすめします。
タブレット端末の特性を十分に発揮したアプリを開発できる
タブレットアプリは、スマホアプリと画面サイズ・操作性において大きく異なる特性を持ちます。端末の特性を十分に発揮できるアプリを開発するには、専門的な知識・技術・経験が必要です。
スマホアプリを自社開発した実績があってもタブレットアプリの開発は勝手が異なる部分も多いため、実績のあるアプリ開発会社へ外注した方がスムーズに開発を進めることができます。
完成度・クオリティの高いアプリを開発できる
タブレットアプリは、他のアプリと同様にユーザーに価値を提供するために開発を行います。アプリ開発会社は企画・設計・開発において重要なポイントを熟知しているため、自社内だけのナレッジ・ノウハウで開発を行うよりも、ユーザーにより高い価値を提供できるアプリを開発することが可能です。
完成度・クオリティの高いタブレットアプリを開発するためにも、専門家であるアプリ開発会社を頼った方が良いでしょう。
企画からリリースまでスムーズに進めることができる
アプリ開発は多くの工数・リソースが必要であるため、自社で内製をする場合においては大きな負担となります。十分なリソースが確保できない場合は、リリースまでに想定外の時間が掛かってしまう場合もあります。
アプリ開発会社はスケジュールに従ってプロジェクトを進行するため、企画からリリースまで予定した通りに進めることができます。
タブレットアプリ開発の流れ
タブレットアプリの開発工程は、同じモバイルアプリであるスマホアプリを開発する工程とほぼ同じです。以下に、タブレットアプリを開発する流れについてご紹介します。
- 企画(自社)
タブレットアプリを開発する目的・ターゲット・提供価値等を自社で検討します。 - 外注先選定
自社の要望を満たしてくれるアプリ開発会社を選定します。 - 要件定義
アプリに必要な機能要件・非機能要件を定義してドキュメントにまとめます。 - 設計
要件定義書を基に、実際に開発するアプリの設計を行います。 - 開発
仕様書・設計書に基づき、プログラミングを行います。 - テスト
アプリが仕様書・設計書通りに動作するかテストを行います。 - 納品・審査・リリース
テストで品質が確認されたら、実際にアプリをリリースします。アプリストアで販売を行う場合は事前に審査を行っておきます。 - 保守・運用
リリース後もユーザーが快適に利用できるように、保守・運用を行います。
上記はアプリ開発で一般的に用いられているウォーターフォール開発と呼ばれる手法ですが、機能単位で設計・開発・テストまでの工程を繰り返すアジャイル開発と呼ばれる手法もあります。
タブレットアプリの開発で重要なポイント
タブレットアプリを失敗なくスムーズに開発するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、タブレットアプリの開発で押さえておくべき重要なポイントをご紹介します。
自社内で作りたいアプリを明確にする
タブレットアプリの開発を行う際に最も重要なポイントは、事前に自社が作りたいアプリを明確化しておくことです。なぜなら、目指すべきゴールを定めず漠然とアプリ開発を行っても、良い結果に結びつかないためです。アプリ開発自体が無駄に終わってしまうことも少なくありません。
具体的な企画の手順としては、リサーチや情報収集を重ねてまずは次の3点について検討します。
・アプリを開発する目的・目標・解決したい課題
アプリ開発において最も重要なゴール設定です。ゴールを明確化することから全ては始まります。
具体的に見るべき指標については、こちらの記事で詳しくご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
・どのようなターゲットにアプリを提供するのか
ゴールを決めたら、アプリに対するニーズやウォンツを考慮して、ターゲットユーザーについて具体的に検討を行います。
・アプリでどのような価値を提供したいのか
アプリで提供できる価値を明確化しておくことも重要です。こちらはアプリの仕様や搭載する機能に直結する項目となります。
企画をまとめる際のポイントについて、こちらの記事でもご紹介しております。
アプリ開発の企画書に落とし込むべき内容とは?開発の注意点までご紹介!
企画を作成し、開発したいアプリを明確化したら、一歩踏み込んで現実的な内容を決定していきます。
- OSの選定
どのOSを対象にアプリを開発するのか。 - アプリのタイプ
ネイティブアプリ・Webアプリ・ハイブリッドアプリのどれが最適であるか。 - 搭載する機能
アプリで価値を提供するのにどのような機能が必要となるか。 - 競合の状況
作りたいアプリの競合の状況はどうか。 - 開発コスト
アプリの開発にどのくらいのコストが必要となるか。またどのくらいの予算を用意できるか。 - アプリの運用期間
どのくらいの期間運用するのか。長期的な運用が見込めるか。 - 収益性が見込めるか
事業として成り立つだけの収益が見込めるのか。
アプリ開発会社に外注する場合においても、できるだけ社内で詳細を突き詰めておいた方が、開発の意図や要望を伝えやすくなるため、アプリ開発の成功確度を高めることができます。
保守運用のコストにも注意
タブレットアプリは、開発して終わりではありません。アプリ利用者に快適に利用してもらうためには、リリース後の保守運用もしっかりと行う必要があります。
保守運用には以下のようなコストが必要となるため、タブレットアプリを開発する際には事前に見積もっておくことが重要です。
主な保守運用コスト
- サーバー費用
- 保守・管理費用
- 追加・更新コンテンツ制作費用
上記3点は毎月必ず発生する固定のコストと捉えておいた方が良いでしょう。また、アプリ運用には想定外の事態も発生するため、緊急対応のコストや追加開発のコストも別途確保しておくことをおすすめします。
アプリリリース後の保守運用コストについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
アプリ開発はリリース後の費用にも注意!アプリの運用コストとは?
開発会社にどこまで依頼できるかを確認
タブレットアプリの開発は、先にご紹介した通り複数の工程から構成されています。
【アプリ開発の工程】
企画(自社)>外注先選定>要件定義>設計>開発>テスト>納品>審査・リリース>保守・運用
アプリ開発会社によって対応範囲は異なるため、開発を外注する場合はどこまで対応してもらえるのかを必ず確認しておく必要があります。
対応範囲のよくある具体例としては、次のようなケースが挙げられます。
- 企画段階からフルサポートで対応可能。保守運用についても依頼が可能。
- 開発・納品までは対応してもらえるが、リリース・保守・運用は対応範囲外
- アプリの設計・開発は行うが、デザインについては対応範囲外
ワンストップで対応して貰えるアプリ開発会社もあれば、特定の工程・作業については自社で行うか別の会社への発注が必要となるケースもあります。
対応範囲を確認しておかないと、想定外の混乱や遅延を招く恐れがあるため、必ず事前に確認しておくようにしましょう。
見積もりは価格以外のポイントもチェック
タブレットアプリの開発費用は、発注するアプリ開発会社によって大きく異なるため、自社の要望を満たしてくれそうな複数社に見積もりを依頼して比較検討するのがおすすめです。
ここで重要となるポイントが、単に費用の安さだけを優先しないことです。次のような点についてもチェックを行いましょう。
- 担当者の対応は丁寧であるか
- 不明点や疑問点について回答してくれるか
- 見積もりは明確かつ具体的に提示されているか
- 信頼や実績は十分であるか
受注を確定させたいばかりに安価な見積もりを提示してくる会社や、見積もりが不明瞭で後から追加料金を請求してくる会社もあるため、費用以外の部分についてもチェックを行い、安心して任せられるアプリ開発会社を選定しましょう。
まとめ
タブレットユーザーは増加傾向にあり、タブレット向けアプリも数多くリリースされています。ユーザーから支持されるアプリを開発することができれば、大きなシェアを獲得することも不可能ではありません。
タブレットアプリを開発する際には、画面の大きさや操作性など、タブレットの特性を踏まえた設計を行うことが重要。専門的な知識や技術も必要となるため、開発を行う際にはタブレットアプリ開発の実績が豊富なモバイルアプリ開発会社への外注がおすすめです。
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