モバイルアプリ開発の流れと、依頼の際に知っておくべき注意点を解説

最近は、誰もがスマホを持っていることが当たり前になりつつあります。そして、スマホの普及に伴いSNSやネットショッピング、ゲームなどさまざまなモバイルアプリが人々の生活の一部になっていることから、企業がモバイルアプリ開発を行う件数も増加傾向です。

しかし、初めてモバイルアプリ開発をする企業は、開発工程を把握していないために、何をどのように進めたらよいか分からない場合もあるでしょう。

そこで今回の記事では、モバイルアプリの開発工程と開発を外部に依頼した場合の注意点についてご紹介します。

モバイルアプリの開発依頼〜公開の手順

モバイルアプリの開発には、自社内で開発する自社開発と外部に依頼する外部開発があります。外部開発の場合、ウォーターフォール型とアジャイル型の2種類どちらかの開発手法で開発を進めますが、開発工程や進め方が異なっています。

ウォーターフォール型は、システム開発でよく活用される開発手法です。企画からアプリのリリースまでの工程を段階的に進めて開発を行います。

ウォーターフォール型のメリットとしては、リアルタイムで開発の進捗状況が可視化できるので、どこまで開発が進んでいるかを把握しやすい点です。一方デメリットとしては、仕様や設計をしっかりと固めた上で開発に入る、という工程を経るため、時間がかかってしまう点や、開発途中での仕様変更に対応しづらくなる点です。

アジャイル型は、モバイルアプリ開発やwebサービス開発に特化した手法です。アメリカや日本のスタートアップ企業に広く活用されている開発手法になります。アジャイル型の開発工程は、ウォーターフォールと同様に段階的な工程ごとに分かれていますが、あらかじめ実装させる量を決めてから、機能単位で小さなサイクルを何度も回して開発を進めていきます。

アジェイル型のメリットは、開発途中の急な仕様変更にも機能単位で開発しているので、柔軟な対応が可能なことです。一方デメリットは、具体的な予算や開発工数を判断することが難しいので、予定よりも開発工数がかかり、その分費用がかさんでしまう可能性がある点です。

では次に、開発工程について順を追ってご説明していきましょう。

自社内で企画を決定する

「企画」は、アプリを開発する目的やイメージを明確にするための重要な工程です。企画段階で目的やアプリのイメージが曖昧ですと、依頼先の制作会社にとってもイメージがつかめず、望んでいたアプリが完成する可能性が低くなってしまいます。

そのため、企画段階で大事なことは目的やイメージを明確化することです。ユーザーのターゲット層や、どういったアプリを開発するかアイデアを出し合いながら内容を明確化することで、理想のアプリを開発してもらうことが可能になります。

依頼先のパートナーを選ぶ

企画段階でアプリのイメージや目的が明確化できたら、次は制作会社を選ぶ工程です。自社開発できない場合は外部に依頼する必要があり、3つの依頼先があります。

1つ目は、開発会社に依頼する手段です。エンジニアの腕でアプリの完成度が左右されるので、技術力を求めるのであれば大手企業の開発会社がおすすめです。大手企業は優秀で実績のある人材が豊富に揃っており、開発スピードが早いのがメリットになります。

ただし、大手は開発費用が高い傾向なので、費用を抑えたいのであれば中小企業の開発会社に依頼するのも良いでしょう。中小企業でも大手企業に劣らない優秀な人材がいる場合もありますが、設備や人員が少ないため開発スピードが下がってしまう可能性がある点には注意が必要です。

2つ目は、フリーランスに依頼する方法です。しっかりとディレクションをすることができれば、開発会社に依頼するよりも費用を抑えた依頼が可能です。ただし、アプリをリリースするまでに期間がかかる、開発途中で失敗するリスクがあります。また、最適なフリーランスの人材を探す手間がかかります。

3つ目は、クラウドソーシングを利用する方法です。クラウドソーシングは、不特定多数に業務を外注するサービスです。クラウドソーシングのメリットは、費用を抑えて必要な人材を必要なだけ増やすことができる点です。そのため、アプリ開発工程ごとに作業を分担させることもできます。

ただし、クラウドソーシングは基本的にやりとりがすべてオンラインになるので、お互いにどんな人物化が把握しづらく、信頼できる人材かどうかの判断が難しい場合や、納品物の内容や品質についてのイメージの共通認識を持ちづらい場合があり、こちらもしっかりとしたディレクションが必要です。

見積もり

アプリ開発を依頼する場合に必要になるのが「要件定義書」です。要件定義書とは、企画段階で定まったアプリ開発の目的やイメージをまとめたものを記した資料です。要件定義書の内容が分かりやすいと、開発する会社から具体性のある案を提供してもらえる効果があります。

要件定義書に記載する内容については、アプリ開発に至った経緯やアプリの概要・構想、デザイン、画面レイアウトの種類、機能要求などがあります。

設計

依頼するパートナーが決まったら、要件定義書を参考に設計段階に入ります。設計段階には、外部設計と内部設計の2種類の設計があります。

外部設計は、アプリの操作方法やアプリの構成を決める設計工程です。外部設計を行うと同時に、アプリ開発のスケジュールや開発体制を決めていきます。アプリをリリースした時に実際に利用するユーザーが見たり触れたりする部分なので、いかに使いやすくできているかが重要な設計基準になります。

内部設計は、アプリのシステム構造を詳細に決める設計工程です。外部設計で決めた内容を実装させるため、プログラミングに必要な情報や手順など細部に至るまで設計する必要があります。

また、設計段階では2つの設計とは別にテスト設計があります。テスト設計は、アプリ開発後に実際に正しく動くか確認するために必要な設計工程です。

ちなみに、一般的には要件定義書をもとに設計に入りますが、当社Pentagonでは要件定義書を開発時に作成しません。アプリ開発では開発途中に仕様変更されるケースが多く、そのたびに要件定義書を作成して保管・管理しているとコストが発生してしまうためです。

そこで当社ではデザインを仕様書として扱うことでコストを削減する取り組みを行っています。

開発・テスト

設計工程が完了したらいよいよアプリの開発段階に移行します。ここでは、開発や、設計通りに動くかの動作確認、修正を行います。開発工程をスムーズにするためには、プログラミング担当者や開発にかける工数が具体的に決まっているかが重要です。

テスト工程には、単体テストと複合テストの2種類があります。

単体テストは、要件定義書通りにアプリが起動してデータ登録が正確に行われるか確認します。複合テストは、複数のプログラムと結合させた場合に、設計通りにデータのやりとりができているかをチェックします。

また、2つのテスト工程とは別に受け入れテストがあります。受け入れテストで確認することは、ユーザーにとって使いやすいアプリであるか、目的に沿ったアプリとなっているかの確認です。さらに、受け入れテストでは仕様変更が正しく反映されているか、不具合が生じていないかの確認も行います。

アプリのリリース

アプリを開発しテスト段階で問題がなければ、いよいよアプリをリリースする段階に入ります。モバイルアプリの場合は、iOSとAndroidではリリース手順が異なるので注意が必要です。

iOS対応のモバイルアプリの場合、まずiTunes Connectに登録し、AppStoreにアプリ情報を登録して申請ができます。アプリ申請には審査があり、1週間~2週間程度かかります。

Android対応のモバイルアプリの場合は、まずGoogleplayデベロッパーに登録し、アプリ情報を登録させることで申請可能です。こちらも審査が必要で、最大で7日程度が目安となりますが、例外的に7日以上の日数を要する場合もあります。

アプリが出来上がってからも、公開に向けた審査に日数を要するということは、あらかじめ把握しておきましょう。

モバイルアプリの開発依頼を行う際に知っておくべき注意点

ここでは、外部に依頼する場合の注意点を6つご紹介します。

外注のメリット・デメリットを把握しておく

外部開発のメリットは、専門家に依頼することで効率の良いアプリ開発が実現できることです。自社開発よりもクオリティが高く、依頼する範囲によってはアプリリリース後の運用やサポートも請け負ってくれるので安心です。

一方、外部開発のデメリットは、自社が企画したアプリのイメージをしっかり共有できていないと、求めていたものとは異なるアプリが完成してしまう可能性がある点です。

また、専門家であっても得意なジャンル・不得意なジャンルが存在するため、依頼時には見極める必要があります。例えば、ショッピングアプリ開発が得意な開発会社にゲームアプリ開発を依頼することは、クオリティの面で劣る可能性があるからです。

特にゲームアプリ開発は、他のアプリ開発とは異なる特殊で複雑なシステムを構築するため、経験やスキルが必要になります。外部開発を依頼する際は、事前に過去の実績を調べておくと良いでしょう。

開発にかかる期間を把握しておく

アプリ開発にかかる工数は、開発するアプリの種類によって異なります。

簡単な検索アプリやショッピングアプリの開発は3ヶ月ほどで開発することができますが、ゲームやSNSアプリの開発は最低でも半年~1年以上の期間が必要です。

また、アプリの開発形態によっても開発工数は異なります。開発形態には、フルスクラッチ型とクラウド型があります。

フルスクラッチ型は、ゼロからアプリ開発を行う開発形態です。ゼロからの開発なので1年以上の開発工数がかかる可能性があります。フルスクラッチ型は、開発工数や開発費用は高額になりますが、搭載する機能を細かく調整することが可能です。独自性や自由度が高く、他のシステムに連携する際も柔軟な対応ができます。

一方クラウド型は、開発会社が持つ既存アプリをもとに開発する形態です。プログラミングの作業がシステム連携以外にないので、開発工数も3ヶ月ほどで開発可能です。既存のアプリをもとに開発を行うことで費用を抑える効果がありますが、独自性がなく開発途中の仕様変更や機能追加によって開発工数が伸びる可能性があります。

作りたいアプリはできるだけ明確に

外部開発には発注内容の明確化が必要です。作りたいアプリのイメージがはっきりしているかどうかで、アプリの出来上がりも変わってきます。依頼内容が明確化できていないと、開発会社側も再現が難しくなります。

依頼先のパートナーにどこまで依頼できるか

アプリ開発を依頼するにあたり、どこまで依頼するべきか判断が難しい場合があります。

例えばiOS対応のモバイルアプリの場合は、審査を通過しないとリリースすることができません。自社で審査手順を把握している場合は問題ありませんが、分からない場合手間がかかってしまい申請に時間がかかる可能性があります。また、審査が通らなかった場合に自社で修正しなければならないケースも生じます。

外部開発を依頼する際には、アプリの審査や審査を通らなかった時の対応まで依頼するのがおすすめです。ただし、機能レベルで審査が通らなかった可能性も視野に入れて、依頼時点で前もって相談しておくことが重要です。

見積もりは複数社に

アプリ開発の相場は、アプリが普及して始めてからまだ年数が経っていないため、相場がはっきりと定まっていないのが現状です。そのため、複数の会社に見積もりを依頼すると費用に大きな差が生まれる場合があります。

見積書から会社の特色や強み、企業規模を把握することで自社に適した企業を見つけ出すことができるので、必ず見積もりは複数社に依頼しましょう。

価格以外にも大事なポイント

外部開発では、見積もりを安く見積もって受注を増やそうとする企業がいます。たしかに費用が安いことは依頼先を決める1つの要素ですが、エンジニアの技術力や過去の実績も重要視するべき判断材料の1つです。

過去の実績を把握することで、自社で企画したアプリと類似しているアプリを過去に開発しているか、得意なアプリ開発のジャンルが分かります。

また、依頼する会社とのコミュニケーションも重要なポイントです。コミュニケーションがアプリ開発の成功のカギと言っても過言ではありません。やりとりが少ないと双方の認識のずれが生じ、失敗の要因にもなります。

そのため、依頼先選びにおいては担当者との相性も重要になります。相性が悪いとやりとりを重ねても、認識の齟齬が起こり、満足できるアプリ開発にならない可能性があります。一方で担当者との相性がよければ、スムーズに開発に進みイメージ通りのアプリを実現してくれます。

まとめ

今回の記事では、モバイルアプリ開発工程の手順と外部開発の場合の注意点について説明してきました。自社のイメージしたアプリの制作を外部開発で実現するには、自社に適した会社の選定が必要です。

開発会社を選定する際は、費用だけに捉われずに、エンジニアの技術力や過去の実績、コミュニケーションの取りやすさも合わせて判断しましょう。

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