アプリ開発においてデザインは内製すべき?外注すべき?疑問を解決

スマホが広く普及するのに伴い、アプリのシェア争いも激しさを増してきました。ある機能を求めてアプリを検索すると数百種以上のアプリが表示されるといったことは、もはや珍しくありません。

競合が激しい中、自分が作ったアプリが多くの人に使ってもらうためには、どうしたらいいのでしょうか。もちろん機能や性能も大事です。しかし、競合アプリが軒を連ねる状況下では、内容だけで他から抜きんでることは困難でしょう。

そこで重要になってくるのが、アプリそのものの「デザイン」です。今回は、アプリにおけるデザインの重要性と、デザインの内製・外注について説明していきます。

アプリ開発で成功を左右する「デザイン」

技術者肌の方が陥りやすい罠として「内容が良ければ売れる」という考え方があります。しかし、これは間違いです。物を売るには、まず「商品を手に取ってもらい、使ってみてもらう」必要があります。内容がセールスポイントになるのは、実際に使ってもらった後です。

アプリにおけるデザインとは「内容を理解してもらうため」の「見やすさ」と「分かりやすさ」が基本となります。

UI/UXの重要性

アプリの内容を理解してもらうために重要なのがUIです。UIとはUser Interface(ユーザーインターフェース)の略で、訳すと「ユーザーとの境界」を意味します。画面を通してユーザーが目に触れる部分全てがUIで、具体例を挙げるとアプリ操作における入力方法、文字を含めた表示方法などがUIにあたります。

UIは主に「アプリの使い勝手や操作性」に関連します。UIが悪いとユーザーはアプリの内容を理解する前に、アプリを使うことをやめてしまいます。そのため、ユーザーが「パッと見て直感でどうしたらいいか分かる」というのがアプリにおけるUIの理想です。

また、UIに大きく影響されるのがUXです。UXとはuser experience(ユーザーエクスペリエンス)の略で、「ユーザーが製品やサービスを通して得られる体験」を意味しています。UIで述べた使い勝手、操作性の良さは、UXを構成する重要な要素です。市場に類似商品が氾濫するようになると、消費者たちは単に機能や性能を求めるだけではなく「商品を通して得られる心地よい体験」を重視するようになり、近年重要視されている概念の1つです。

アプリに関わらず、現代社会のマーケティングにはUX向上が欠かせない概念となってきています。競合他社のアプリから優位性を保つためにも、UXは必ず意識しましょう。

デザインは内製すべき?外注すべき?

前項ではUI/UXの説明を通して、デザインが売り上げに大きく影響することをお伝えしました。

しかし、デザインと一口にいっても、素人が一朝一夕にできるものではありません。アプリのデザインはUI/UXの事例やトレンドに対する知識、ユーザーに好感を抱いてもらうために独創的かつ売り上げにつながるデザインを考えられるセンスなどが要求されます。つまり、デザインを専門とするプロがいないとまず上手くいかないということです。

そこで持ち上がるのが、「デザインを内製すべきか、それとも外注すべきか」という問題です。ここでは、内製・外注の各メリット・デメリットについて紹介していきます。

デザインを内製する場合

デザインを内製する場合、専門知識を持つ人材をあらかじめ雇っておくか、育成しておかなくてはなりません。必要な人材を無駄なく配置するには、高い経営手腕が必要とされるでしょう。

デザインの内製は、その手間に見合うだけのさまざまなメリットがあります。一方でコスト面でのデメリットもあるため、両者しっかり確認しておきましょう。

メリット

仕事上のメリットとしては、デザイナーが自社内に在籍しているため、コミュニケーションが容易に行える点が挙げられます。デザイナーはアプリ開発者の意図を把握しやすくなり、アプリの内容とかみ合った、思い通りのデザインが実現します。

また、互いに製作状況を把握することで、状況に応じた対応ができます。そのため、内製は開発がスムーズに進行し、リリースまでのスピードが速くなるというのも大きなメリットです。

さらに、内製でデザインをすることは、開発のノウハウが蓄積されるのも魅力です。これは会社全体の技術力の向上につながり、新たなビジネスチャンスの可能性も広がります。

社員も成長する機会を得られるので、スキルアップによるモチベーションの向上が期待できるでしょう。

デメリット

内製デザインでアプリを開発する以前に、開発チームを作ること自体が難しいとされています。まず、人材のスキル上達に時間が掛かります。加えて、そもそも人材を育てるのに優秀な技術者がいることが前提なので、導入のハードルが高いのです。

また、現在のデザイナー人材市場は圧倒的な売り手市場であるうえに、企業に所属して働くことに縛られないフリーランス化の流れが強いこと、優秀な人材は一部の知名度の高い企業へ集中してしまうことから、人材の獲得が難しくなっています。

加えて、開発チームの成果が、チーム内での人間関係によっても左右されることも課題点です。メンバーの対立や葛藤によってチームが機能不全に陥ってしまうこともあり得ます。

しかしながら、人間関係を重視しすぎてチームの価値観が凝り固まってしまうのも危険です。客観的な視野が失われて、ユーザーを蔑ろにしたままアプリデザインが進んでしまう事態に陥りかねません。

このように、内製で得られるものは多い一方で、長期的な視野での運営が必要なことを心に留めておきましょう。

デザインを内製、開発は外注の場合は要注意

例えば、自社がWebデザインで高い評価を受けていたとします。しかしながら、PCで使うWebサイトと携帯端末で使うアプリでは利用目的は異なるため、Webデザインの技術をそのままアプリに転用することはできません。

この場合、Webサイトのデザインをそのまま持ってくるのではなく、アプリとして使いやすいようリデザインする必要があります。

このリデザインでは、携帯端末向けに操作性を良くしたり、ユーザーの満足度を上げたりすることが目的になるので、必要とされるのはアプリのUI/UXデザインの専門知識となります。Webデザインとは別の分野であり、アプリのデザインに精通した専門家でなければUXを高めるUIのデザインは難しいでしょう。

また、外注側と適切なコミュニケーションを取ることも重要です。アプリに適したデザインにするためには、アプリの仕様に熟知している必要があります。そして、そのアプリの仕様をもっとも熟知しているのは当然ながら制作者です。デザインを内製、開発を外注にしてしまうと、機能とデザインがバラバラになってしまい、思い通りのアプリに仕上がらない可能性があります。

ここまでの懸念点を理解したうえでデザインのみを内製化する場合は、以下の点を重点に置いてしっかり話し合いましょう。

  • アプリを作る目的
  • 最低限の機能
  • 最大の見積もり期間・金額
  • 希望するデザイン

自社のデザイナーと外注企業間でコミュニケーションが取れていないと製作期間が長引き、どんどんコストが上がってしまいます。また、望み通りのアプリを開発してもらうためにも最初の段階でしっかりと認識を合わせておき、開発開始後も定期的にコミュニケーションを取るようにしましょう。

デザインを外注する場合

自社にアプリのデザインを行える人材がいない場合、デザインは外注することになります。

ここでは外注のメリット・デメリットについてご紹介します。

メリット

デザインを専門に行う企業へ外注した場合、一定のデザインクオリティが保証されます。最新の技術や流行のデザインについても知っているため、客観的な視点で第三者に伝わりやすいデザインを制作してくれるでしょう。

また、必要な時に依頼できるので、トータルでは内製よりもコストが掛かりません。内製は多くの人材を揃える必要がありますが、外注にすれば人材を確保しておく必要はなく運営を簡易化できます。

デメリット

外注は内製よりもコストは抑えられますが、短期的には費用が高くなる傾向にあります。腕の立つ有名デザイナーになれば費用は高くなり、デザイナーの都合も考えなくてはならないので、スケジュール調整が必要です。このため、社内デザイナーに比べ、製作期間には余裕を持っておく必要があります。

また、最大の障害は情報の共有です。社内デザイナーなら、小まめなミーティングを通してアプリへの理解を深めることができます。しかし、外注デザイナーの場合は内製ほど密な情報共有が行えず、その結果アプリへの理解度が低いとデザインが想像通りにいかず、修正のために多くの時間を割くことになります。そうならないためにも、外注デザイナーには内製以上に高いコミュニケーションコストを掛ける必要があるのです。

さらに、委託先による情報漏えいもリスクの1つです。滅多にあることではありませんが、万が一情報漏えいが起これば自社の信用は大きく損なわれます。したがって、外注の際にはコストだけでなく、委託先の情報セキュリティにも注意したいものです。

デザインを外注する場合の相場

制作会社にデザインのみ依頼する場合は、プロジェクト単位の相場は一般的には約15万~20万円程度といわれています。プロジェクト単位とは、目標達成のために臨時で構成されるチームや業務のことです。発注したUIデザインの分量によっても料金が変わるので、正確な料金を知りたいのであれば、デザインする画面数や精度についても調べておきましょう。

一方、個人のデザイナーに頼む場合は、クラウドソーシングから依頼できるフリーデザイナーの場合は1画面で5,000円~10,000円あたりが一般的な相場となります。

デザインを外注する場合のポイント・留意点

アプリのデザインを外注することが決まったら、次は依頼する企業を決める必要があります。しかし、依頼する企業またはデザイナーをしっかり選ばないと「思っていたデザインとは違った」「想定以上に制作に時間が掛かってしまった」といったことになってしまいます。

ここでは、デザインを外注する場合のポイントや注意点について解説します。

実績を必ずチェックしよう

外注の委託先を選ぶ判断基準として、第一に重視すべきなのが実績です。実績を見れば、その会社の持つ技術力・デザイン性・スピード・コストなどが分かります。また、自社が開発したいアプリと似たアプリのデザイン実績があれば、すでにノウハウを持っているためこちらのニーズを素早く理解してくれます。

これらの情報は委託先のWebサイトで公開されているのが一般的ですが、説明だけでは分かりにくい部分もあるでしょう。この場合は、委託先の候補になっている会社がデザインしたアプリを実際に使ってみるのもおすすめです。実際に使用してみることでUI/UXの技術力をチェックしましょう。

さらに、委託先の得意とするジャンルも把握します。アプリにはゲームやツールなどのさまざまなジャンルが存在し、ツール系が得意な企業やデザイナーにゲームアプリのデザインを依頼しても、ノウハウがないために開発が難航する可能性があります。

その他、リリース後のデザイン修正は対応してもらえるかといった運用対応についても確認しておきましょう。

アプリのイメージは自社内で明確にしておこう

内製にも外注にも当てはまりますが、自社内でアプリのイメージを明確にしておくことは重要なポイントです。

アプリを製作して利益を出すためには、さまざまな分野の人々と協力する必要があります。一丸となって協力体制を築くためにも「アプリにどんな用途があるか」「アプリを使うことでユーザーにどのような利益をもたらすか」をはっきりさせておきましょう。また、参考となる類似アプリを見つけておくとイメージが伝わりやすくなります。

さらに、どのようなユーザーにアプリを利用して欲しいのかも明確にしておきましょう。ユーザーの属性やニーズを分析し、開発するアプリがユーザーに価値を提供できるものか、ユーザーの視点から考えます。そのうえで必要な機能や運用プランを組み立てていけば、おのずとユーザーにマッチしたデザインも見えてくることでしょう。

まとめ

アプリは内容とデザインを両立させて初めて商品として成立するものです。そのため、機能や性能だけを重視するのではなく、どのようなデザインするかもしっかり考えなくてはなりません。

ここでご紹介したアプリデザインの内製・外注の特徴を踏まえて、自社に合った開発方法を選択しましょう。

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