モバイルアプリの開発とは?アプリの種類・開発方法やポイントを解説

現代の生活ではスマホが必需品となりました。それに伴い、スマホに欠かせないモバイルアプリも暮らしに欠かすことができない、当たり前のツールとして広く活用されていることはご存知の通りです。

モバイルアプリを提供している企業の方の中には、どうしたらユーザーのニーズに適うアプリを開発することができるのか、また、効果的に運用していくことができるのか、といった知識やスキルを身に着けたいという方も多くいらっしゃいます。

そこで今回は、モバイルアプリの開発に必要な知識と開発にあたり、おさえておくべきポイントについて解説していきます。

モバイルアプリとは

「モバイルアプリ」とは、スマートフォンやタブレット型端末向けに開発された自己完結型のアプリケーションソフトウェアのことを言います。

もともとは、パソコンのOS上で動作するソフトウェアのことを意味していた「アプリケーション」と呼ばれる言葉が、生活に欠かせない存在として広く認知されるようになったきっかけは、スマートフォンの登場にあるといっても過言ではありません。ジャンルに関しても、ゲームから写真投稿・動画編集サービスやレシピ検索、さらにはマネー管理や健康管理など、多様な展開がなされています。

なお、アプリの動作環境は、実行されるプラットフォームに依存します。したがって、モバイルアプリはApp StoreやGoogle Playといったプラットフォーム専用のアプリケーションストアからダウンロードして利用するのが一般的です。

拡大を続けるモバイルアプリ市場

我々の暮らしを便利なものにしてくれるモバイルアプリの浸透ぶりは、データによっても裏づけられます。 

米調査会社アップ・アニーの調査によると、2019年の全世界のモバイルアプリ市場は、ユーザーによる消費支出額と広告額との合計額が3,100億ドル(34兆円)に達したことが明らかになっています。

総務省による検証報告によれば、消費支出額の7割強を占め成熟段階を迎えているモバイルゲーム市場では、ダウンロード数の伸びこそ鈍化しているものの、課金など収益性に力点を置いたビジネスモデルへのシフトが進んでいることが分かります。ユーザーにとって利用価値の高いアプリは頻繁に使われるため、結果としてアプリ内の広告収益が増加し、さらにはアプリ内決済などの収益をも押し上げていくことになるのです。

また、現在は通信の高速化によって、株などの金融取引やエンタメ系の動画配信サービスに対する需要の伸びが著しくなっています。コンテンツの多様化傾向も目立つことから、モバイルアプリ市場は今後、収益性重視への質的転換を図りつつ、引き続き拡大していくことは間違いないでしょう。

モバイルアプリの種類

スマートフォン向けのモバイルアプリには3つの種類があります。ここでは、それぞれの定義とメリット・デメリットを紹介していきます。

ネイティブアプリ

ネイティブアプリとは、スマホやタブレットなど、モバイルオペレーシングシステムに固有のソフトウェア開発キット (SDK) によって開発されたアプリのことを指します。Google PlayやApp Storeなどのアプリケーションストアを通じてインストールして使用するものです。

ネイティブアプリは、プラットフォームに特化した開発がなされているため、デバイスに備わっているさまざまな機能をフルに活用することができ、スムーズで直感的なUIを可能にします。また、直に端末にインストールする仕様のため、高速で起動させることはもちろん、動作速度も速く、オフラインでもアプリを動かすことができるメリットがあります。

さらに、ストア経由でユーザー自身にダウンロードさせるプロセスは、利用へのハードルを生む反面、ロイヤリティの高いユーザーを呼び込むことが期待できると評価することも可能でしょう。

一方、デメリットとしては、課金アプリの場合にストアに支払うべき手数料を負担する必要が出てくること、また、アプリをゼロから開発するスクラッチ開発の場合、コストや期間がかさんでしまう傾向にあることが挙げられます。

加えて、プラットフォームへの特化がデバイス内での利便性を高める半面、異なるOSに1つのアプリをビルドしたい場合は、それぞれのOSごとに別々のコードベースを用意したり、複合開発ツールを導入したりする手間が出てくるという難点があります。

webアプリ

webアプリは、ボタンやレイアウトをはじめとして、一見するとネイティブアプリとの違いがほとんど感じられないものも少なくありませんが、その仕組みは大きく異なります。

webアプリは、ウェブページ同様にHTML5で作られており、デバイスのブラウザ上で動作するため、ネイティブアプリのようなストア経由でのダウンロードが不要です。ストアを通さないので、課金アプリであってもストアへの手数料は不要です。

webアプリ最大のメリットは、開発や保守にかかるコストの削減が実現することです。開発した単一のコードベースをマルチデバイスに横展開できるため、ネイティブアプリのようにOSごとに対応する必要はありません。特に、ストアを経由せずにアプリのアップデートを配信できることは、利便性を飛躍的に高めるものと言えるでしょう。

ただ一方では、動作速度の点でネイティブアプリに及ばないこと、また、サンドボックス化によりデバイスの機能に制限がかかるため、ネイティブアプリに比べると性能が劣りがちになるというデメリットがあります。

そして、アプリストアの縛りがなく、サイトにアクセスするだけで気軽に利用できる利点が、ユーザーからすると逆に積極的なアプリ利用のモチベーションを喚起しづらいという難点を生んでいます。

ハイブリットアプリ

ネイティブアプリとwebアプリの長所を組み合わせ、「いいとこ取り」を狙ったのがハイブリッドアプリです。webアプリ同様にウェブページ作成の開発方法に拠りながら、アプリストア経由で入手するため、動作についてはネイティブアプリに準じ、デバイス固有の機能を活用できます。

メリットとしては、1つのソースでクロスプラットフォームに対応した開発ができ、ネイティブアプリに比べ短期間かつ低コストで済むことが挙げられるでしょう。アップデートなど、リリース後の対応についても同様です。一方、ストア経由での入手により質の高いユーザーを選別できる点は、ネイティブアプリの利点を引き継ぎます。

他方、クロスプラットフォーム対応が可能とは言っても、動作の速度・スムーズさの点でネイティブアプリに劣ることは否めません。また、開発環境についても、ハイブリットアプリではネイティブアプリと同等のフレームワークや機能は期待できず、期待通りのデザインにできなかったり、操作性の悪さを引き起こしたりといったケースが発生することもあります。

さらに、リリース時の審査がネイティブアプリと比較すると厳格な場合が少なくないため、リリースが遅れることもあり得る点には注意が必要です。

モバイルアプリの開発方法

適切なアプリの開発方法は、アプリの性質や掛けられるコストによっても変わってきますので、事前に開発方針を立てておくことが大切です。ここでは、モバイルアプリの開発方法について解説します。

自社開発

自社でのアプリ開発の手段としては、ゼロから作っていくスクラッチとアプリ開発ツールの活用との2種類が考えられます。どのようなやり方なのかをメリット・デメリットと合わせて見ていきましょう。

スクラッチ

「スクラッチ」では、既存のテンプレートなどは用いずにゼロからアプリを作り上げていきます。

スクラッチ方式を採るメリットは、自由度が高いということです。自社のマーケティング戦略を踏まえた入念な設計を経たうえで、必要と思われる機能を技術や予算が許す範囲内で、アプリ内に存分に反映させることが可能です。

特に、デザインの質の向上を目指したり、独自機能の設定によって競合他社との差別化を図ったりといった、ブランディングを追求したい時にふさわしいやり方です。

さらに、設計完了後に修正する必要が出た時にも、自社で手掛けていれば素早いい対応が期待できます。

一方、デメリットもあります。自由度の高さは、オリジナリティやクオリティの追求を目指すほど開発工数が多くなり、リサーチや開発作業に要する時間とコストの増大を招くでしょう。

また、そもそもアプリを独自に開発していけるだけの社内人材を確保できているのか、という問題もあります。スクラッチ開発にかかる工程は長丁場になります。計画・設計から実装・開発に至るフローを踏まえたスケジュール作成と、必要な人員や工数の割り出しには高度なプロジェクト管理スキルが必要です。そのため、すべてを滞りなくこなせる人材は希少と言っても過言ではありません。

アプリ開発ツールの活用

アプリ開発ツールは、テンプレートを基に機能を組み合わせながら開発していく方法です。

メリットは、クロスプラットフォーム機能や異なるアプリストアへの登録申請が簡単にできることにより、工期短縮とコスト削減の同時達成を目指すことができる点です。また、アプリが完成した後も、セキュリティパッチの配布やバージョンアップなどのアップデートを自前で行う必要はなく、開発ツール上での対応で事足りる点も魅力です。

こうした多くのメリットを持つ一方で、あらかじめ用意されているテンプレートを使うため、スクラッチと比較すると自由度の点で劣ることは否めません。他社との差別化を図ることはあまり期待できないので、独自性をそれほど求めないアプリの開発にふさわしいやり方です。

アプリ開発会社に外注

アプリ開発を自社で手掛けるのではなく、アプリ開発会社に外注する方法もあります。

外注すれば、スクラッチ同様の自由度の高い開発を、専門スキルを備えたアプリ開発のプロに任せることができます。開発会社により得意分野が異なるため、選定にあたっては充分な吟味が求められますが、うまく活用できれば完成度の高いアプリを短期間で開発することも期待できるでしょう。

ただし、プロに依頼する分コストは高くなります。また、外注であっても進捗管理といった外注管理のノウハウは求められます。

さらに、アプリ完成後のメンテナンスなど、サポート対応の確認や依頼などにも事前の入念な段取りが必要です。

開発に踏み出す前に、押さえておくべきポイント

モバイルアプリの開発に関していずれのやり方を採るにしても、その道のりは決して平坦なものではありません。ここでは、 開発に踏み出す前に押さえておくべきポイントを紹介します。

モバイルアプリの多くが失敗に終わる

モバイルアプリの開発に乗り出す前によく理解しておくべきことは、「モバイルアプリの多くが失敗に終わる」という事実です。ただし、大切なことは、失敗から得られた教訓を次に活かしていくことであり、実際に失敗があったからこそ生まれた成功例も少なくありません。

たとえば、開発途中での資金不足が原因と考えられるのであれば、予算の検討をもっとしっかり行う必要があることが分かります。また、リリースしてみて期待していた数のユーザーが獲得できなかった場合には、ニーズ把握のための事前のリサーチ不足が考えられるでしょう。

さらに、ユーザーの定着率の悪さが、アプリにバグや不具合が多いためということが明らかになれば、開発段階でのテストの精度向上の必要性を示唆しているのかもしれません。

このように、失敗したアプリ開発の原因を正確に把握することが大切です。次回の開発に活かせる改善策を見出す姿勢を持ち続けていれば、失敗は決して無駄ではありません。

自社内で作りたいアプリを明確に

自社内で作りたいアプリを事前に明確にしておきましょう。目指すべきアプリ像が具体的になってはじめて、盛り込むべき機能を明らかにすることができます。また、長いスパンでの運用に耐えうる、ユーザーにとって使い勝手の良いアプリを開発することができるでしょう。

アプリ開発の目的を明確化するには、開発チームにおいてアプリを用いてやりたいことを議論し、優先順位をつけながら提供するサービスやそれにふさわしい機能を絞っていくことが重要です。

そして、アプリを使う目的が明確になったら、具体的な数値を伴った目標を設定します。基本的な指標である「ダウンロード数」や「アクティブユーザー数」はもちろん、課金アプリ開発であれば売上目標の設定が必要です。

アプリを使う目的が定まり、シンプルで扱い易いサービスにすることができれば、顧客満足度の向上が期待できるだけでなく、企業にとっても保守・運用が容易になるメリットがあります。

開発コストだけでなく運用コストにも注意

モバイルアプリの開発にあたっては、 開発コストだけでなく運用コストにも注意を払う必要があります。

まず、「サーバー費」「システム保守費」などが毎月の運用コストとして必ずかかります。そして、ユーザーからのフィードバックを活かした機能の追加や修正など、アプリの継続的な改善にかかるコストについても必要経費として予算計画に入れておくべきです。

また、リリース後に生じる不具合への対処をあらかじめ想定しておくことも大切です。アプリのバージョンアップ時につきものであるバグやトラブルへの対処、ユーザーからのクレームへの対応にかかる人的コストなどについても、必要な運用コストとして考えておくとよいでしょう。

まとめ

この記事では、モバイルアプリの開発にかかる基礎知識と開発方法のポイントについて解説してきました。多様化の傾向が強まるユーザーの購買行動に企業が的確に対応していくために、モバイルアプリの活用は今や不可欠のマーケティング戦略です。

この記事でご紹介した内容を参考に、自社アプリの開発を進めてみてはいかがでしょうか。

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