【テンプレ配布中】アプリ開発の企画書の作り方とは?

アプリ開発の企画書は、目的共有や合意形成だけではなく、開発会社から提案をもらうために必要となってきます。検討すべき点は多岐に渡りますが、特に意識したいのはアプリのユーザーの目的、ユーザーのアプリ利用によって得られる企業側としてのメリット、そしてそれらを達成するために必要なアプリの機能の3点です。

IT技術の発展に伴ってさまざまな場面でアプリが使われるようになりました。これをビジネスチャンスと捉え、アプリの開発をマーケティング戦略の1つとして取り組む企業が増えてきています。しかし、企画段階からしっかりとポイントを押さえて企画書に落とし込んで取り組み始めなければ、優れたアプリの開発は難しいでしょう。

この記事では、企画書作成段階で準備しておくべきこと、企画書に落とし込む内容、企画書で注意すべきポイントについて解説します。

企画書の書き方が分からず悩んでいる企業の担当者様向けに、YouTube動画でも解説しているので、ぜひご覧ください。

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そもそもなぜ「企画書」が必要なのか?

ビジネスの基本として、アクションを起こす時は企画書の作成が欠かせません。アプリ開発でも同様で、以下の理由から企画書が必要となります。

  • 目的の共有や振り返りのため
  • 社内の合意やステークホルダーの合意を得るため
  • 外注の場合、その先の提案依頼書のもとになるため

それぞれの内容について解説します。

目的の共有や振り返りのため

企画書は、プロジェクトの目的や目標を明確にするための重要なツールです。チームメンバー全員が同じ方向に進むことができ、プロジェクトの進行に伴う課題や変更を適切に管理することが可能になります。

また、企画書は振り返りの際の参照資料としても有用です。例えばプロジェクトが行き詰ったとき、企画書を読み返して初心に立ち返り「なぜこの企画が立ち上がったのか」「どういう目的で始めたのか」などを振り返ることができます。プロジェクトが終了した後も、目標が達成されたかどうか、何がうまくいったか、改善の余地があるのは度の点か、などを評価する基準となります。

アプリ開発は順調に進むこともあれば、当初の目的からずれて、アプリを作ることがゴールになってしまうような場合もあるでしょう。しかし、本来アプリ開発は作って終わりではありません。迷いが生じた時のためにも、企画書をしっかり作り込んで指針をはっきりとさせましょう。

社内の合意やステークホルダーの合意を得るため

アプリを作りたいと考えても周囲からの合意がなければ実現できません。

企画書を作成してプロジェクトの目的、範囲、予算、タイムラインなどを明確に示すことで、自分の考えを明確にして周囲に理解してもらい、承認や協力を仰ぐ必要があるのです。これは社内のメンバーだけでなく、ステークホルダーに対しても同様です。

また、企画書はプロジェクトの進行に伴う変更や課題を共有し、必要な対応を決定するための基準ともなります。

外注の場合に必要な提案依頼書のもとになるため

外部の開発者やチームにアプリ開発を委託する場合、自社で企画書を作りこんでおくことで、委託時に必要となる「提案依頼書(RFP)」をスムーズかつ詳細に作成できるようになります。

提案依頼書(RFP)にしっかりと情報が書き込まれていれば、外部の開発者はプロジェクトの要件を理解しやすくなり、適切な提案を作成しやすくなります。

また、企画書は契約の一部としても機能し、プロジェクトの範囲、品質、コスト、納期などの期待値を明確化します。これにより誤解や紛争を防ぐことが可能です。

企画書を作成するうえで重要となる「ふたつのゴール」

企画書を作成するときには、ビジネスゴールとユーザーゴールのふたつを意識しなくてはなりません。ここでは、それぞれのゴールがどのようなものなのかを解説します。

ビジネスゴール

ビジネスゴールとは、企業や組織がアプリを開発する目的です。例えば、収益の増加、ブランドの向上、市場シェアの拡大などがビジネスゴールとして挙げられます。アプリの成功は、ビジネスゴールの達成に直結します。

ユーザーゴール

ユーザーゴールとは、アプリを利用するユーザーが求める目的や利益を指します。ユーザーゴールは、ユーザーのニーズや課題を理解し、アプリの機能や体験を設計する際に重要です。例えば情報の検索やタスクの効率化、エンターテインメントなどがユーザーゴールとして考えられます。

アプリ開発の企画書を作成する前に…

アプリ開発の企画書を作成して本格的なアプリの内容を検討する前に、プロジェクトの骨格を作る必要があります。骨格とは「目的の明確化」「ターゲットの理解を深める」「競合アプリの調査」の3点です。

骨格をしっかり作ることで企画書作りが楽になるほか、内容が明確で分かりやすいものになるため丁寧に考えましょう。

アプリ開発の目的を明確化する

アプリ開発の企画段階で最初に考えなければならないのは、アプリ開発の目的です。

抱えている課題を解決するためにどのような施策を打つべきか、アプリ開発という手法で本当によいのか、アプリ以外では解決が難しいのかなど検討を重ね、アプリ開発のゴールをはっきりさせましょう。

目的は、自社のビジネス戦略やユーザーのニーズに基づいて設定しなくてはなりません。目的を具体的に示すことで、開発方針の作成や機能設計がスムーズに進みます。

具体的な目標値を設定する

次に、アプリの目標を明確化し、達成するための具体的な手段を決定することが必要です。目標は「自社サービスへの登録を伸ばしたい」といった漠然としたものではなく、「自社サービスの登録者を〇%増加させる」など、具体的な数値で示さなくてはなりません。数値化により、行動計画が立てやすくなり進捗状況を把握しやすくなります。

また目標達成のために、ターゲットに対してどのようにアプローチするかも事前に決めておくことも大切です。

ターゲットユーザーを理解する

商品やサービスを提供する際に、ターゲット層への理解を深めておかないとアプリ開発の成功は難しくなります。年代、性別、職業、地域、ライフスタイルなど、さまざまな属性から大まかにターゲットとなるユーザーを定義します。

ターゲットが何を求めているか、どのような生活をしているのか、何があると便利だと感じるか、どんな機能が求められているのか、どんなユーザーインターフェースがだと使い勝手が良いと感じてくれるのか……など、丹念に理解を深めていく必要があります。

このターゲットユーザーの分析・理解を怠ると、ターゲット層のニーズに合わないアプリの完成につながってしまいます。

ターゲットユーザーの理解を深めるために、ペルソナを設定してみましょう。

ペルソナとは、ターゲットユーザーを具体的な一人の人物として想定し、その人物の背景、性格、趣味、行動パターンなどを詳細に設定することです。ペルソナがあることで、ユーザーの視点に立ちやすくなり、ユーザーが直面する課題やニーズをより具体的に理解しやすくなります。» アプリ開発におけるペルソナ設定が重要な理由を解説

競合アプリも調査しておく

競合がどういったアプリをリリースしているのかも、十分に検討する必要があります。競合アプリを分析・解析することで、どういったニーズがあるのか、どういう機能が要求されているのかなど、多くの情報が得られます。そのため、これらの情報は自社のアプリ開発に積極的に活用しましょう。

競合アプリを調べる場合は、「アプリのネーミング」「ランキングの推移」「説明文章」「広告戦略」の4つがポイントとなります。

また、ユーザーとして競合アプリを使い込んでみることも非常に重要です。ユーザーの視点で使ってみると、アプリの良い点・悪い点などが浮き彫りになります。アプリの評価・ユーザーのレビューも調べ、生の声を吸い上げてより良いアプリ開発を行いましょう。

ただアプリをローンチしてもダウンロードされるわけではありません。そのため、競合他社がどういった広告戦略を採っているのか、どのように広告しているのかを参考にしてみると良いでしょう。他にも、ホームページからどのような動線でアプリへ誘導しているのか、店舗などでどうやって告知しているのかなども参考になります。どれぐらいのダウンロード数があるのか、実際にどれぐらいのアクティブユーザーがいるのか、売上はどのくらいかを調べることも重要です。

ただし、競合アプリはあくまでも「参考」にとどめましょう。著作権侵害にならないように、独自のエッセンスを加えて差別化を図る必要があります。できる限り細部まで競合他社の動向を調査して、アプリ開発に活用しましょう。

競合分析で役立つフレームワークなどはこちらの記事でも紹介しています。

アプリ開発の競合分析、フレームワークと効果的なツール3選

アプリ開発の企画書に落とし込む内容

ここでは、アプリ開発の企画書に落とし込む内容について具体的に解説します。

ネイティブアプリとWebアプリのどちらか

アプリの種類は大別して、スマートフォンなどの端末にダウンロードして利用するネイティブアプリと、Webブラウザで利用するWebアプリの2種類があります。それぞれ固有の特徴があり、アプリ開発の目的によって向き不向きがあります。

ネイティブアプリは主にスマートフォン向けのものが中心で、App StoreやGoogle Playのオンラインストア経由でアプリを公開、ユーザーにダウロードしてもらいます。端末にダウンロードして利用するのでオフラインでも動作し、動作も速く、またプッシュ通知が利用できるといったメリットがあります。

デメリットとしては、スクラッチ開発というゼロから独自開発する方法が基本なため、Webアプリよりも開発のコストや時間、労力がかかることとが挙げられます。さらに、オンラインストアからダウンロードしてもらわなければならないので、利用開始のハードルがWebアプリよりも若干高いことが難点です。

Webアプリはサイトにアクセスするだけで利用でき、アプリをダウンロードしなくていいので、端末の記憶媒体の容量を消費しない、OSごとに開発する必要がないといったメリットがあります。デメリットとしては、現在のWebアプリはHTML5で開発されているのでブラウザやOSによっては利用できない機能もあること、ネイティブアプリほどの多くの機能を持つWebアプリは現時点では少ないことなどが挙げられます。

対応させるOS

Webアプリは端末の種類を問わずどのOSでも利用できますが、ネイティブアプリの場合は対応するOSをどれにするか決めなければいけません。OSはiPhoneやiPad用のiOSやAndroidのほか、最近では第三極モバイルOSと呼ばれるFirefox OS、Windows Phone、Tizenもあります。

ネイティブアプリは、OS固有のAPI(Application Programming Interface:アプリケーションをプログラミングするためのインターフェース)に基づいて開発するアプリであり、OSに依存するので、OSごとに異なる言語で開発しなければなりません。また、OSのバージョンアップによる影響も考慮する必要があります。

できるだけ多くの人に利用してもらうためには、それぞれのOSに合わせてアプリを開発しなければなりませんが、コストや時間の成約で全てのOSに対応するのが難しければ、ターゲットユーザーの利用状況に合わせるという方法もあります。

さらに、ネイティブアプリの開発上の弱点を補うものとして、ハイブリッドアプリケーションというものがあります。これはネイティブアプリをベースにJavaScript、HTML5、CSS3などのWeb標準技術で開発するアプリで、クロスプラットフォームへの対応が比較的容易に行えます。

最低限の機能

アプリ開発の企画段階では、開発したいアプリに実装させる機能の要件を具体的に定義します。アプリを開発しようとするときにありがちなのが、全ての機能を完成させてから公開したいと考えることです。

しかし、IT業界のなかでもアプリ業界は変化が速く、リリースまでに時間を掛け過ぎると、競合に遅れをとってしまう恐れもあるのです。そのため、最近のアプリ業界のトレンドは、リリース時点では最低限の機能だけを実装し、その後ユーザーの不満や不足している機能が見えてきた段階で、アップデートを行うのが主流となりつつあります。

また、最低限の機能に絞り、本当に必要なものは何かを明確にすることで、当初想定していたものと異なるアプリができ上がってしまうことを防げます。要件定義を確実に行うことで、ユーザーが本当に求めているものを理解し、ユーザーの要望に沿ったアプリを開発することができるでしょう。

ユーザーの獲得方法とユーザー数の推移

アプリリリース後の、ユーザーの獲得方法とその推移も企画書に落とし込みましょう。

どれくらいサーバーへアクセス負担がかかるかは、アプリのユーザー数によって変化します。かかる負担によって、サーバー構築の手法が変わったり、運用コストにも影響が出たりするため、あらかじめ企画書に落とし込んでおく必要があるのです。

また、広告を打ち出す予定があるなど、急激なユーザー数の変化が見込まれる場合も、しっかり企画書に記載するようにしましょう。

競合調査の結果

競合アプリの分析・解析が終わったら、どのように自社アプリに活用するかを考えましょう。良い点や、ユーザーに受けている点はなるべく変えずに差別化を行います。

目的となる市場の規模からどれぐらいの売上が見込まれるのか、そのためには競合アプリのどういった点を取り上げて、どういった改善点を自社アプリに反映させるのか、広告戦略をどうするのかなど、プロジェクトのメンバーで会議を開いてアイデアを出し合うと良いでしょう。

デザインイメージ

ユーザーがアプリに価値を見出してくれるかどうかは、ユーザーがアプリを使うことで得られる体験によって決まります。

ユーザーにとってアプリが使いやすいだけでなく、使ってみて楽しい、心地よいというUX(User Experience:ユーザーエクスペリエンス)を提供するには、UI(User Interface:ユーザーインターフェース)をユーザー目線で作り込むことが大切です。具体的には、クリックできる箇所を明確にする、クリック後の動作をユーザーの想像に沿ったものにする、どこに情報があるかわかりやすくするなど、ユーザーに考えさせないことを原則に開発しましょう。

プロモーション施策

非常に多くのアプリがひしめいているなかでは、優れたアプリを開発するのはもちろんのこと、プロモーション施策を立案・実施してダウンロード数を上げる活動も必要です。

2017年に行われた調査によると、1ヶ月の間に新しくリリースされたアプリの数は、App StoreとGoogle Playの合計で約20万個でした。一方、1人のユーザーが持っているアプリの数は平均80個で、そのなかで実際に使われているアプリは25個と言われています。このように現在のアプリ市場は需要に対して大きく供給過多となっており、競争は激しくなる一方なのです。

このような状況下では、口コミでユーザーが増えるのを待つのでは不十分で、ターゲットとするユーザー像を明確にしてプロモーション施策を打つ必要があります。主なプロモーション手法としては、ASO(App Store Optimization、アプリストア最適化)、SNSを用いたインフルエンサーの活用、Web広告出稿、TVや雑誌などのマスメディアでの宣伝・広報活動、イベントなどでの告知活動があります。

アプリマーケティングのポイントについて、こちらの資料でも詳しく解説しているので、ぜひダウンロードしてみてください。
» アプリマーケティングの基礎を解説!これを知っているだけでC向けアプリの企画が劇的に変わる!

予算

アプリ開発の予算を考慮する際には、いくつかの要素を考える必要があります。予算に影響を与えるおもなポイントは、以下のとおりです。

・開発コスト:プロジェクトの規模や機能によって異なります。一般的に、開発者の人件費、外部の開発会社への支払い、ツールやライブラリのライセンス料などが含まれます。

・運用コスト:アプリの運用には、サーバのホスティング、データベースの管理、セキュリティ対策、バグ修正、アップデートなどが必要です。

・マーケティングと広告費用:アプリの成功には適切なマーケティングが必要です。広告、プロモーション、ASO(アプリストア最適化)のための予算を確保しましょう。

・デザインとUI/UX:アプリのデザインやユーザーエクスペリエンス(UX)も重要です。デザイナーの人件費やツールの使用料などを考慮しましょう。

・テストと品質保証:バグの修正やテストのためのリソースを確保する必要があります。

・その他のコスト:法的手続き、知的財産権の登録、アプリストアへの登録料なども予算に含めましょう。

アプリ開発の予算を立てる際は、これらの要素を詳細に検討しプロジェクトの成功に向けて適切な資金計画を作成する必要があります。

開発コスト

アプリの開発コストはエンジニアの人件費で見積もられることが一般的ですが、開発するアプリの種類で開発期間は大きく異なります。開発コストの算出は作業人数(人件費)に期間を掛けた金額がベースとなり、人月という単位が用いられます。

アプリの開発は要件定義・設計から始まり、プログラミング、システムテスト・運用テスト、リリース申請・納品、運用・保守という流れになっています。それぞれの工程において工数が増えればその分だけ作業日数が加算され、開発に携わるエンジニアの人件費も加算されて開発コストに反映されます。

また、アプリの開発コストは機能やアプリの種類によって大きく異なります。おおよその相場は何社かのアプリ開発会社に見積もりを依頼すればわかりますが、「競合するあのアプリと同じようなものを開発したい」といった大雑把な見積もり依頼では、実際の開発コストと大きな開きがあるものになってしまいます。したがって、精度の高い見積金額を取得するには、アプリの開発目的などの要件をしっかり定義しておくことが求められます。

リリースまでのスケジュール

企画の段階で、アプリ開発からローンチするまでのスケジュールを明確に定めておくことも必要です。ローンチの日を決めておかないと開発期間が延び、コストも増えてしまいます。最初に定めた開発期間に合わせてアプリを開発しているのであれば、なおさら期日は重要なファクターです。

スケジューリングをする際は、開発期間だけでなくデバッグをする時間、修正する時間も組み込んでおきましょう。

スケジュール管理を行う際は、前述したように開発コストや費用を関連付けて行います。そのため、似たアプリが、どれくらいのコストでどのくらいの期間をかければ開発できるのかを把握することが重要です。

スケジューリングは、費用を組み込んだ上で余裕を持たせて行いましょう。また、アプリ開発にはさまざまな形態があります。開発形態によっても開発期間は変わってくるため、その点も視野に入れてスケジュールを管理しましょう。

アプリ開発のスケジュールについて、こちらの記事でも詳しく解説しておりますのでぜひご覧ください。

アプリの開発にかかる期間はどれくらい?ジャンルや開発形態別に解説

マネタイズの戦略

アプリを作る目的はさまざまですが、基本的にはほとんどの企業が売上につなげたいと考えているでしょう。アプリを使ってどうやって売上を立てていくかを考えるのは、利益追求型の企業では当然のことです。

ただ、アプリ単体で収益を上げるというのは困難なため、例えば、アプリから新商品・新サービスの告知を行って購買数を増やしたり、クーポンや特典を発行して来客数を増やしたりといった施策を行うなど、アプリを含めた全体的なマーケティング戦略の一環と考えましょう。その場合も、アプリの寄与率をしっかりモニタリングする必要があります。

ただし、アプリを含むマーケティングで収益化を目指す場合、アプリの管理費やそれに対する人件費、広告費なども発生する点には注意しましょう。

アプリ開発の企画書で注意すべきポイント

アプリの企画書を準備する段階で、いくつか注意すべきポイントがあります。以下で、それぞれについて解説します。

法律に抵触していないか確認する

アプリを企画・開発していく際には、法律にもきちんと配慮する必要があります。アプリ固有の事情を考慮せずにリリースすると法律に抵触し、最悪の場合は訴訟に繋がって企業のブランドイメージを傷つける恐れがあります。

確認すべき法律的な項目としては、特定商取引法、資金決済法、景品表示法、出会い系サイト規制法などが挙げられます。内容は、以下のとおりです。

・特定商取引法

アプリ名や提供元企業名、企業所在地、問い合わせ連絡先、販売価格、アプリ動作環境といった情報をアプリストア内などで公開し、購入者の取引に公平さを図るためのものです。

・資金決済法

ゲーム系のアプリなどで独自通貨を発行する際に関わってくる法律で、発行企業名、利用できる金額の上限、利用上の注意などの明示が求められます。

・景品表示法

誇大広告などを禁じる法律です。例えば有料サービスがあるのに全部無料であるかのようなコピーを掲載すると、詐欺とみなされて違反対象となり罰金を課せられます。

・出会い系サイト規制法

主にマッチングアプリを対象とし、子どもの参加を禁止したり、違法行為を助長するような文章の掲載を禁止したりするものです。

著作権について確認する

著作権は知的財産権のなかでも全てのアプリに関わってくる権利です。アプリの企画・開発を行う段階で他社の同種のアプリを参考にする場合、例えばタイトルが他のアプリと似ていたら著作権侵害とみなされ、訴訟を起こされる恐れもあります。

また、世の中に存在する多くのアプリは画像、動画、音楽、プログラムなどのコンテンツが著作権で保護されています。自社で開発しようとしているアプリが他企業のアプリのコンテンツから流用していないか、真似したと思われるようなシステムがないかといった細かいところまで注意する必要があります。

まとめ

アプリを企画・開発するにあたっては、システムの開発やWebサイト制作などとは違った観点で注意しなければならないことがあります。企画時点ではどのプラットフォーム向けにするか、ターゲットユーザー像はどのようなものかなどを設定し、必要最低限の機能でリリースしましょう。また、著作権をはじめとした法律関係にも注意し、ユーザーが考える必要のないUIになるようアプリをデザインすることも大切です。

この記事を参考に、ターゲットユーザーに訴求するアプリ開発を進めてみてください。

本記事でご紹介した内容のほかにも、アプリ開発を進めるにあたって知っておくべき知識がたくさんあります。アプリの種類から開発の流れ、費用、成功のポイントなどの基礎知識をこちらの記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。

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