オウンドメディアはアプリ化すべき?驚きのメリットとは?

マーケティングでは、ユーザーを購買に繋げるための効果的なコンテンツを戦略的に展開していかなければなりません。効果的なコンテンツ戦略は、複数の方策を組み合わせることで成立します。現代のマーケティングにおいては、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを定期的に更新・公開し、それらのコンテンツを拡散・促進させる戦略が求められます。

本記事では、消費者に向けて情報発信する媒体として重要視されている「オウンドメディア」にスポットを当てて解説していきます。

オウンドメディアとは?

オウンドメディアとは、自社で保有・運営し、コンテンツを展開していくメディアのことです。自社Webサイトやブログ、自社発行の広報誌・パンフレットなど、さまざまな形態があります。自社の手によって運営されるため、独自の展開・発信が可能で、直接ユーザーとつながることができます。また、提供しているサービス・商品のことを最も理解し愛着のある会社が宣伝を行うため、より正確に魅力を発信できます。

オウンドメディアに掲載されるコンテンツに決まりはなく、必ずしも販売促進を目的したものに限りません。消費者にとって価値のあるコンテンツを提供することで、獲得した見込み顧客との関係を醸成して購買に繋げるほか、さらなる見込み顧客の獲得を目指します。

したがって、オウンドメディアの目的は、自社の製品やサービスを潜在顧客向けに認知させて初回の接触を狙うこと、そして商品やサービスに対して好感を持ってもらい優良顧客へと育てていくことといえます。

オウンドメディアをアプリ化するメリット

オウンドメディアをアプリ化することで、更新時にプッシュ通知を送れる、ブラウザの影響を受けない、使いやすさが向上するといったメリットが得られます。以下にそれぞれについて解説します。

更新時にプッシュ通知を送れる

オウンドメディアをアプリ化するメリットとして最も大きいのは、更新時にプッシュ通知を送れることです。一般的に、アプリのプッシュ通知によるお知らせの開封率はメルマガの開封率の約3倍とされています。

オウンドメディアを運営していくうえで運営者が頭を悩ませる大きな問題の一つに、新しいコンテンツをアップロードしても、読者になかなか見てもらえないということが挙げられます。アプリ化されたオウンドメディアでは、プッシュ通知を利用して、読者に伝えたい内容・情報をリアルタイムかつ能動的に届けることができるのです。

また、アプリ化によるプッシュ通知によって、オウンドメディアのアクセス数、特に再訪問率を上げやすいことも特筆すべきメリットです。さらにプッシュ通知は、アプリの利用率向上にもつながります。アプリの利用率を上げることには、アンインストールを防ぐ効果もあり、それによって顧客との接点を長く維持することができます。

以下の記事では、プッシュ通知を効果的に活用するポイントを解説しています。ぜひ、こちらもご一読ください。

ブラウザの影響を受けない

オウンドメディアをアプリ化するメリットとして次に挙げられるのは、機種変更やブラウザのバージョンによる影響を受けにくくなることです。例えば、iPhoneではSafariが標準ブラウザですが、iOS11がリリースされた段階で新しい広告追跡機能が追加されました。このようにブラウザの機能が変更されることによって、オウンドメディアの掲載内容が影響を受けることもあります。しかし、アプリならこのような影響を受けることはなく、レイアウトや掲載する要素などを自由に配置できます。

総務省が毎年公表しているインターネット利用の広がりに関する統計(※)によると、インターネットを利用する人の割合は10代から50代の層を見ると9割を超えています。60代以上の層でも近年は大幅な増加傾向にあり、個人がインターネット上のコンテンツを閲覧する割合は確実に増えています。

その中でも利用する端末の種類は、パソコンが7割であるのに対し、スマートフォンは20代から30代では9割を超えています。そして、マーケティング調査とデータ分析を手掛けるニールセン デジタル株式会社の調査によると、スマートフォンの利用時間の8割以上がアプリに関連していることが分かっています。スマートフォンでのWebブラウザ利用率は2割以下に留まっており、これらのデータからもアプリの方が圧倒的に優勢であることが明らかです。

(※)総務省|令和元年版 情報通信白書|インターネットの利用状況

使いやすさの向上

オウンドメディアで提供するコンテンツは、Webサイトの場合は検索サイトから流入して来る初回訪問者をターゲットにするため、商品やサービスの情報を大きく表示させ、取っ付きやすいレイアウトや紹介文であることに主眼を置きます。

一方でアプリを使ったオウンドメディアの場合は、すでに商品やサービスを利用している人をターゲットにし、新たなライフスタイルの提案や活用方法などを発信して使いやすさを向上させ、継続的な購買に繋げることに主眼を置きます。このように、媒体による特性に合わせてターゲット別にアプローチを変えることができるのです。

また、アプリであればユーザーは気に入ったコンテンツをお気に入りフォルダに入れて再度確認することが容易になり、使い勝手が向上します。Webサイトでは瞬間的に流れてしまう情報でも、アプリのお気に入り機能でユーザーが情報を留めておければ、より確実に情報を届けることができるようになります。

ユーザーひとりひとりに最適なアプローチができる

オウンドメディアのアプリ化によって、ユーザーごとにカスタマイズされた情報を送ることも可能になります。購入した商品・サービスに関連する情報を厳選して届けたり、過去の購入履歴をもとにおすすめの商品に関するコンテンツをレコメンドしたりと、ひとりひとりに適した情報提供が可能です。

購入履歴のほか、住所や位置情報の活用も可能になります。実店舗を展開している場合、近隣店舗のクーポンやキャンペーン・イベント情報などをアプリを介して届けられます。

Web版とアプリ版で得意な領域が異なる

もし既にWeb版のオウンドメディアを展開している場合、そちらで十分な集客の獲得や売上向上に繋げられていないのであれば、アプリ化するのはおすすめできません。効果を上げる土台ができていないままアプリ化しても、失敗に終わる可能性が高いためです。まずは、Web版で広く浅く知ってもらった上で、狭く深くコアなファンやリピーターに使いやすいアプリを提供するという流れが作れないと、アプリ化は難しいといえます。また、ターゲット層がどのデバイスを使っているかを意識することもポイントです。若者のようにPCを持たない層がターゲットの場合はアプリ化の恩恵を受けられますが、年齢層が高いとPCを使う率が高く、その場合はWeb版の方が訴求力がアップします。これらの違いをしっかり判断して、アプリ化を進めることが重要です。

オウンドメディアをアプリ化するときの注意点

オウンドメディアのアプリ化には多くのメリットがある一方で、知っておくべきデメリットもあります。代表的なものはアプリ開発コストが必要なことと、管理工数が増加することです。以下にそれぞれについて解説します。

明確な目的をもってアプリ化を進める

オウンドメディアのアプリ化を進める際は、アプリ化する目的を明確にする必要があります。

集客につなげて利益を上げるという最終目的は当然ですが、その前に設定する最新の企業情報・商品情報を届けたい、自社サービスの認知度をアップさせたい、新規ユーザーを増やしたい、カスタマーの率直な意見が欲しいといった目的も大切です。

目的を明文化してプロジェクトチームの全員に浸透させ、目的に合ったコンテンツの拡充を狙っていくことが、アプリ化を成功に導くカギとなるでしょう。

なお、目的の設定は複数でも可能です。目的を考えながらアプリ化することが重要のため、アプリ化しただけで満足するのではなく、目的を明確にしアプリ化のメリットを最大限に生かしましょう。

アプリ開発コストが必要

オウンドメディアのアプリ化には、アプリ開発コストが必要になります。また、開発コストに対して、それを上回る利益を得られるかどうかを見極めることも非常に重要です。オウンドメディアをアプリ化したとしても、100%のユーザーがアプリを利用してくれるわけではなく、従来のWebサイトも残す必要があります。その際、Webブラウザとアプリで開発・運用コストが二重になってしまうという問題が発生します。

さらに、安直にアプリ開発を行い、App StoreやGoogle Playのレビューで悪い評価をされてしまうと、企業のブランド力低下を招く恐れもあります。オウンドメディアのアプリ化は、自社に充分な金銭的・人的な開発・運用リソースがあるか確認したうえで着手しましょう。

以下の記事では、アプリの開発にかかる費用を詳しく解説しています。

管理工数の増加

前述のように、開発したアプリだけで100%のユーザーをカバーすることはできません。Webサイトとアプリを並行運用する必要があり、オウンドメディアを運営した場合は工数が増加します。

また、アプリ用とブラウザ用でコンテンツを全く別の環境にしてしまうと更新作業は二重になり、情報をリリースするタイミングを合わせなくてはいけなくなります。別の環境でコンテンツを作成し、同時にリリースするだけで手間と工数がかかるのは容易に想像できるでしょう。

かといって、アプリのみに注力し続けるのも問題です。コアなユーザーはアプリを使ってくれますが、周辺ユーザー・新規ユーザーはWEBからの情報がメインになります。将来のファン獲得のためにも効率的な運用を考えて並行した作業がしやすい環境を作りましょう。

アプリの運用工数についてはこちらの記事でも詳しく解説しております。ぜひ併せてご覧ください。

アプリ開発はリリース後の費用にも注意!アプリの運用コストとは?

テーマによってはブラウザ版が向いている場合もある

ニールセン デジタル株式会社が2016年に行った調査によると、新聞社系のニュースアプリや旅行・グルメなどのアプリでは、アプリの利用時間よりもブラウザ利用時間の方が長いという結果が80%以上を占めていました。ここからわかるように、アプリの方がブラウザよりも必ずしも利用率が高いとは限らないということです。

オウンドメディアのアプリ化は、上記のようにコストも手間もかかります。オウンドメディアのアプリ化を検討する際は、現実的なメリットと利益が見込めるかを経営判断として見極めることが重要です。ユーザーの動向を注視し、どういった情報をブラウザから得ているのか、もしくはアプリから得ているのかを把握できれば、最大限にマーケティングの効果を発揮できるでしょう。

アプリを作ったものの、全く使ってもらえないことになってしまっては損失がかさむばかりです。こういった状況を冷静に判断してより良いオウンドメディアのアプリ化を進める必要があります。

参考:アプリとブラウザを使い分けるスマートフォンユーザー~ニールセン 2016年の動向をまとめた「Digital Trends 2016」を公開~

オウンドメディアをアプリ化するときのポイント

オウンドメディアをアプリ化するときには、いくつか押さえるべきポイントがあります。それにはプロモーション施策を実施すること、アプリならではのコンテンツを作成すること、それに改善を繰り返すことなどがあります。以下にそれぞれについて解説します。

プロモーション施策を実施する

時間と工数をかけてアプリを開発しても、ユーザーにダウンロードして使ってもらえなければ意味がありません。世の中には多種多様なアプリが出回っており、日常の生活の場面で役立つもの、仕事に取り入れて使えるもの、趣味のものなど様々なジャンルが入り乱れています。同一ジャンルの中に似たようなアプリがいくつもリリースされているケースもあり、App StoreとGoogle Playで1ヶ月の間に新しくリリースされるアプリは約20万本にも上ります。

しかしながら、このように多くのアプリが存在している中で、ユーザー1人あたりが端末にインストールしているアプリは平均80個、そのうち実際に使われているものは25個と言われています。

このように、明らかに供給過多となっているアプリの世界は競争が激しく、口コミで利用者が増えるのを待っていてはすぐに埋没してしまいます。ユーザーを引き付けてダウンロード数を伸ばすためには、ターゲットとするユーザー像をはっきりと定めて、効果的にプロモーション施策を展開しなければなりません。

主なプロモーション方法としては、自社Webサイトや自社メディアからのユーザー獲得、ASO(App Store Optimization:アプリストア最適化)、Web広告への出稿などが挙げられます。また、SNSでインフルエンサーを活用した認知拡大や既存の顧客・会員へのメルマガ配信、テレビや雑誌などのマスメディアを活用した宣伝・広報活動、店頭でのプロモーション、イベント参加による告知なども有効な施策です。

アプリは開発したら終わりではなく、これらのプロモーションを講じてアプリのダウンロード数を伸ばす施策を立てる努力が必要なのです。

こちらの記事ではアプリのプロモーション施策について詳しく紹介しているので、ぜひご一読ください。

アプリならではのコンテンツを作成する

アプリを開発しても、見ることができるコンテンツが既存のWeb媒体などのオウンドメディアと同じでは、ユーザー数は伸び悩んでしまいます。そのため、アプリ限定の記事が読めるといった、アプリならではのコンテンツを作成することも検討しましょう。特に、ユーザーが悩んでいることや解決したと思っていることをアプリならではの情報として提供できれば、リードナーチャリングも効果的に行うことができます。

ユーザーは情報を検索する際、検索エンジンにキーワードを入力しますが、その時点でユーザーのニーズは何らかの情報を得ることだといえます。そして、そのニーズにぴったりと合致した情報をアプリ内の検索結果に示すことができれば、高いマーケティング効果が得られるはずです。検索されている上位のキーワードがどんなものなのか、ユーザーが求めている情報は何なのかを調査し、それを意識してアプリのコンテンツに盛り込んでいけば、着実にダウンロード数を増やすことができます。

改善を繰り返す

アプリはリリースしたらそれで終わりというものではなく、長い目で育てて運用していく必要があります。ユーザーの利用データやアンケートなどから改善を繰り返し、徐々にニーズに合ったアプリにしていきましょう。

立案した戦略や計画は100%思った通りにいくものではなく、何かしらの不都合や予測しなかった事態が起こるものです。また、アプリは最初からあらゆる機能を搭載した状態でリリースするよりも、まずは必要最低限の機能に絞ってリリースし、徐々にアップデートしていくのがおすすめです。機能が多いことはたしかに便利ではありますが、開発コストがかさむうえに、開発工数が掛かり、アプリのリリースが遅れる要因にもなります。

アプリの課題を明らかにするためには、ソーシャルメディア上の意見に耳を傾けるソーシャルリスニング、ユーザー行動を色の濃淡によって可視化するヒートマップ分析、アクセス解析のGoogleアナリティクスを利用するなど、あらゆる方法で分析を行う必要があります。

まとめ

この記事では、オウンドメディアのアプリ化のメリット・デメリットについてご紹介しました。昨今は、若い人たちを中心にSNSによるコミュニケーションが主流となり、メールの利用率は低下してきています。また、ビジネスの世界でもビジネスチャットツールが台頭し始め、メールの利用率が下がる傾向にあります。そのため、マーケティング施策も大きな変革を求められており、オウンドメディアのアプリ化は有効な施策の1つです。

また、新規ユーザーを獲得しリピーターも維持していくためには、Webサイトの場合はアクセス数の増加が必須です。しかしアプリなら、一旦ユーザーにインストールしてもらえれば立ち上げるだけでオウンドメディアにアクセスできるという高い利便性があるため、長期的に顧客と接点を持つことができます。

この機会に、自社オウンドメディアのアプリ化を検討してみてはいかがでしょうか。

本記事でご紹介した内容のほかにも、アプリ開発を進めるにあたって知っておくべき知識がたくさんあります。アプリの種類から開発の流れ、費用、成功のポイントなどの基礎知識をこちらの記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。

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