Webサービスのアプリ化とは?メリット・デメリットやステップについて解説

企業でもWebサービスのアプリ化を導入することで、ビジネスのおける成功事例が生み出されるようになってきました。当社でも既存Webサービスをスマホアプリ化したいというご相談を多く承っております。当記事では、Webサービスのアプリの概要や、メリット・デメリット、具体的なステップについて解説していきます。

Webサービスのアプリ化を検討している企業の担当者の方はぜひご覧ください。

Webサービスのスマホアプリ化とは?

Webサービスのスマホアプリ化とは、Webサイトのサービスをスマホアプリでも提供できるようにすることを指します。

スマホアプリのメリット・デメリットを理解するだけではなく、自社Webサービスをアプリ化する目的と戦略から構想を練る必要があります。

Webサービスのスマホアプリ化実績

当社では、会員限定のアプリを制作させていただきました。もともと会員制サロンをWebで運用されていたのですが、スマホアプリ化することで、ユーザーがサロン会員限定のコンテンツにアクセスしやすかった事例となります。

既存のWebサービスをスマホアプリ化したい方は、ぜひ当社までご相談ください。

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Webサービスをアプリ化する5つのメリット

Webサービスをアプリ化することで、ユーザー満足度の向上・収益の増加・ブランド認知度の向上など、多くのメリットがもたらされます。

アプリ化の適切な戦略を検討し、ユーザーのニーズに合わせたアプリを開発することが重要となります。

Webサービスをアプリ化する5つのメリットを解説していきます。

利便性の向上

スマートフォンのアプリを活用することで、ユーザーはWebブラウザを経由せずにアクセスすることが可能になります。アプリはホーム画面にアイコンを表示させて、タップするだけで起動できるので、利便性が向上します。

オフラインでも一部の機能を利用できるため、ユーザーがインターネットに接続できない状況でもアプリを利用できるのが強みです。

通知機能の活用

アプリのプッシュ通知機能を活用することで、ユーザーに対して新着情報やプロモーション、重要なお知らせをリアルタイムで通知することが可能になります。通知機能を活用することで、ユーザーとのコミュニケーションが取りやすくなります。

改善活動に繋げやすくなる

Webサービスのアプリ化が実現すれば、ユーザーの問い合わせに対する負担が軽減され、より気軽に意見を送りやすくなります。運営側はフィードバックを得やすくなることから、アプリの改善活動に繋げやすくなる好循環を生み出すことが可能です。

様々な機能が搭載可能

スマートフォンにはカメラ・GPS・指紋認証機能などの機能が搭載されています。これらを活用することで、Webサービスでは実現できない新たな体験や、アプリならではのメリットを提供することが可能となります。

Webサイトとアプリを併用して集客可能

Webサイトだけでなくアプリを併用することで、異なる属性のユーザーに対してのアプローチが可能となります。Webサイトしか利用しない層、アプリしか利用しない層に対する施策や集客方法を取り入れることで、ユーザーの満足度を最大限に高めることができます。

Webサービスをアプリ化する3つのデメリット

Webサービスをアプリ化するにあたっては、開発や維持にかかるコストと労力を考慮しなければいけません。

Webサービスをアプリに変換させるときは、デメリットを考慮したうえで、ユーザーエクスペリエンスを向上させるための戦略を検討する必要があります。

Webサービスをアプリ化する3つのデメリットを解説していきます。

インストールする手間がかかる

アプリを利用するために、ユーザーはアプリをインストールする必要があります。アプリストアへアクセスし、検索してからインストールという一連の流れは、面倒だと感じるユーザーもいることでしょう。

Webサービスと比較すると、自ずとエンゲージメントのハードルが上がるのがデメリットです。

アンインストールされる可能性がある

アプリストアには無数にアプリが存在し、企業同士でユーザーを獲得するための施策を練る必要があります。ユーザーのアプリに対する選択肢が多すぎるため、新規ユーザーを獲得するのは簡単ではありません。

ユーザーにとって魅力的なアプリをリリースし、維持し続けないと、インストールされてもアンインストールされてしまいます。アプリを利用してもらえるような機能や体験を作ることで、継続してアプリを利用してもらえるようになることでしょう。

通常のWebサイトよりも高コストになる

スマートフォンのアプリ開発は、iOSとAndroid向けに別々のアプリを開発する必要があるため、通常のWebサイトよりもコストが高くなります。

アプリの設計・テスト・デバッグ・リリースなどのプロセスにも追加のリソースと時間が必要になります。

またアプリは継続してメンテナンスを行う必要があり、新しいバージョンやプラットフォームの変更に適応させる必要があり、これもコスト発生の原因となります。

Webサービスはアプリ化すべき?それぞれの強みとは

WebアプリケーションとWebサイトは、似ているようで異なる特性を持っています。そのため状況に応じて、Webサービスとアプリを組み合わせて効果的な戦略を構築することが重要です。ここでは、それぞれの強みを解説します。

Webサービスは新規ユーザーの獲得に向いている

新規ユーザーを獲得しやすいのは、Webサービスの強みです。Webサービスはブラウザを介して利用されるため、ユーザーはインストールやアップデートの手間をかけずにアクセスできます。

新規ユーザーは検索エンジンやリンクから直接Webサービスにアクセスできるため、ユーザー獲得の敷居が低い点はメリットです。

アプリはリピートユーザーの獲得に向いている

一方、リピートユーザーの獲得に適しているのはアプリです。アプリはユーザーのスマートフォンに直接インストールされ、通知機能を通じてユーザーと定期的にコミュニケーションを取ることが可能です。これにより、ユーザーの関心を維持しリピート利用を促進できます。

また、アプリはユーザーの利用履歴や設定を保存し、それに基づいてパーソナライズされた体験を提供できる点が特徴です。ユーザーの満足度を高め、リピート利用を促しやすくなります。

さらに、スマートフォンのホーム画面にアプリのアイコンが表示されることで、ユーザーは定期的にブランドを認識します。その結果、ブランドの存在感が強まり、リピート利用が期待できるでしょう。

ただし、これらの利点を最大限に活用するためには、アプリの設計と実装、そして継続的な更新が重要です。また、アプリの開発と維持にはコストがかかるため、ビジネスの目的と予算により、Webサービスとアプリのどちらを優先すべきかは異なります。

Webサービスをアプリ化する主な手法

Webサービスをアプリ化する主な方法は、以下のとおりです。

   ネイティブアプリPWAアプリWebViewアプリ
特徴iOS、Android等のスマホに最適化されたアプリ。正統派な開発手法Webアプリをスマホアプリのように提供する技術スマホアプリ内でWebブラウザを動作させ擬似的にスマホアプリを作成する方法
コスト低〜中
使いやすさ

各方法の詳細を解説します。

ネイティブアプリとは

まず、ネイティブアプリとは、特定のプラットフォーム(iOS、Android、Windowsなど)に最適化されたアプリケーションのことです。ネイティブアプリの開発はプラットフォームごとに行われるため、開発コストがかかりますが、最も正統派な開発手法です。

PWAとは

PWAとは、Webアプリとネイティブアプリ(スマートフォンにインストールするアプリ)の中間に位置するアプリ形式です。PWAに対応したアプリは、ユーザーはダウンロード・インストールせずに、Webブラウザからアクセスできます。また、オフラインでも動作可能で、高速かつ使いやすいWeb体験を提供します。

PWAとは?(Progressive Web Apps) ネイティブアプリとの違いや具体事例を紹介

WebViewアプリとは

WebViewアプリとは、表面上はネイティブアプリで、アプリストアからインストールが必要な形式です。ただし、アプリ中では主にWebブラウザを動かすことで開発コスト削減する制作手法になります。

アプリの目的やターゲットユーザーによっては、PWA・WebViewという選択肢も生まれるので、目的に応じた技術を用いる柔軟性が大切になります。

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PWAとネイティブアプリはどちらがおすすめ?

PWAとネイティブアプリは、それぞれ一長一短あるため、求めるニーズによってどちらを選ぶべきかが異なります。そのため、両者の違いを把握しておくことが大切です。ここでは、PWAとネイティブアプリのそれぞれが適したケースを紹介します。

PWAが適しているケース

以下のようなニーズを満たしたい場合は、PWAを選択するべきです。

  • 接触機会を増やしたい
  • 費用を抑えたい
  • オフラインでも利用可能なアプリを提供したい

PWAは、Webサイトをネイティブアプリのように扱えるため、プッシュ通知を送信できる点が特徴です。Webサイトの更新やキャンペーン施策時にプッシュ通知を活用し、ユーザーとの接触機会を増やしやすくなります。

また、PWAはアプリ開発よりも費用が安く、iOSとAndroidの両方に対応するための工数分の費用がかかりません。既存のWebサイトに変更を加えるだけで導入できます。

さらに、PWAはキャッシュを利用してWebサイトを表示させるため、オフライン時でも利用することが可能です。そのため、ユーザーにストレスを与えずに利用できる環境を提供します。

ネイティブアプリが適しているケース

以下のような要件を満たしたい場合には、ネイティブアプリのほうが適しています。

  • パフォーマンスとUXを最大化したい
  • プッシュ通知をiOSで利用したい
  • アプリストアでの表示を重視したい

ネイティブアプリはデバイスのハードウェアとソフトウェア機能をフルに利用できるため、高度な機能や最適化を実現できる点が特徴です。

また、ネイティブアプリはiOSでもプッシュ通知を実現できます。PWAは一部OSでは機能が制限されており、iOSではプッシュ通知を利用できません。

そして、ネイティブアプリはアプリストアで直接表示されるため、ユーザーの目に触れやすくなります。

Webサービスをアプリ化する際の5つのステップ

Webサービスをアプリ化する際のステップは、以下の6つのステップに分けることができます。

スマホアプリ化する目的の明確化

どうしてWebサービスをアプリ化したいのか、目的を明確にするところからスタートします。

アプリのターゲットユーザーはどのような人物なのか、ペルソナを描いてみましょう。アプリに対してどんな期待をしているのか想像してみることで、構築したいアプリの姿が浮かび上がってくるはずです。

デザイン

スマホアプリ化する目的を理解し、技術面についての理解を深めたら、アプリのデザイン設計のフェーズに入ります。

開発するアプリに必要なページを構成し、サイトマップとしてまとめて整理することが大切です。どのページにどんなボタンやリンクを配置するか等、細かな点まで詰めていきます。

またアプリのUIは、Webサービスとは異なるデバイスに分けて最適化して設計するようにしましょう。

開発

デザインを設計したら、開発言語やフレームワークを設定します。

スマホアプリ(ネイティブアプリ)の開発では、OSごとに異なる開発言語が利用されています。iOSアプリ開発向け言語はSwiftやObjective-C、Androidアプリ開発向け言語はKotlinやJavaが代表例です。

実装したいアプリの言語のフレームワークを活用するのも良いでしょう。フレームワークを利用すれば、期間を短縮し効率の良いアプリ開発が可能です。

単に開発して終わりではなく、フィードバックを収集して改善することも大切です。メンバーと課題を共有しながら、次なる改善策を打ち出していきましょう。

スマホアプリの開発ならiOSとAndroidをアプリを同時に作れるFlutterがオススメです。詳しくは、Flutterアプリ開発ソリューションをご覧ください。

テスト

アプリをテストすることで、バグなどの問題点を洗い出していきます。様々なデバイスとプラットフォームでのテストが重要です。

ユーザーエクスペリエンスや機能面など、ユーザーにとって使い勝手の良いパフォーマンスが発揮されているかを確認することが大切です。セキュリティ面や異常系のテストも行うことで、脆弱性や想定外のエラーにも事前に対処しておきましょう。

改善

アプリをリリースした後は、ユーザーからのフィードバックを収集しましょう。アプリ内に評価・レビューシステムやフィードバックのフォームを設けておくことで、直接ユーザーの声を取り入れることができます。

バグの修正やセキュリティの強化など、品質を確保しながらアプリのセキュリティ対策を行うことも大切です。

ユーザーのアプリ内行動を分析し傾向を把握することで、新機能の追加やデザインの改善につなげることも可能になります。

PWAの導入成功事例

PWAとは、Webサイトをスマホアプリ化する技術です。

PWAが様々な業界で導入され、アプリの開発やインストールにおけるユーザーの負担を軽減しつつ、Web体験を向上させる手法として広く受け入れられています。

具体的に企業が導入したPWAの導入成功事例について紹介します。

スターバックス

スターバックスは注文システムにPWAを構築しました。

顧客はモバイルアプリをダウンロードすることなく、オフラインの状態でも顧客はメニューを閲覧し、注文をカスタマイズし、カートに追加することが可能です。オンラインの状態になれば、場所固有の価格設定を表示し、メニューの注文を行うことができます。

Flipkart

Flipkartはモバイルに特化したインド最大手のECサイトです。

Webブラウザとアプリの両方で運用を行っていましたが、アプリのみの使用に切り替えたところ、業績は下降してしまいます。業績改善のためにPWAを導入した結果、モバイルユーザーに向けた高速なアプリ体験を提供することを実現し、ユーザーの滞在時間は3倍に増えました。

ワシントン・ポスト

ワシントンD.C.のニュースサイトであるワシントン・ポストは、ユーザーの55%がスマートフォンからのアクセスであり、快適なモバイル環境を提供するために、「Accelerated Mobile Page Project」を立ち上げました。

高速な読み込みとオフラインアクセスを提供し、モバイル環境での表示速度を引き上げることで、7日以内に再訪したユーザーは63%増という結果につながり、読者のエンゲージメントを向上させました。

Apple・Googleの審査において注意すべき点

App StoreとGoogle Playの審査プロセスは厳格で、アプリが規定に適合しているかどうかを確認するために行われます。

具体的にApple /Googleの審査において注意すべき点を解説していきます。

スマホアプリを公開するにはApple/Googleの審査がある

アプリを公開するためには、アプリストア(App StoreやGoogle Play)の承認を経る必要があります。

 App Storeの審査における注意点は以下の通りです。

  • ガイドラインの遵守
  • プライバシーとセキュリティ
  • 不適切なコンテンツ
  • 正確な情報の提供
  • デバイス機能の適切な使用

Google Playの審査における注意点は以下の通りです。

  • ガイドラインの遵守
  • プライバシー
  • セキュリティ
  • 不正行為への対処
  • 広告ポリシーの遵守
  • テストと品質管理

アプリが審査に通過すると、ユーザーに安全で価値ある体験を提供することが可能になります。

様々な観点から審査が行われるため、想定以上の時間がかかることも考慮しておきましょう。

minimum functionalityに注意

App Storeの審査で「minimum functionality(最小機能不足)」の問題が指摘された場合は「どこまで機能を追加すべきか」、「どこを修正するべきか」が明確ではなく、開発者は対応に苦慮してしまいます。

対応策としては、Appleが要求する最小の機能や要件を確認し、それらの機能をアプリに追加することで、審査基準に適合するような改善策が挙げられます。

収益をもたらす課金の仕組み

App Storeの課金の仕組みには、アプリ内課金とクレジットカード決済の2つの主要な方法があります。

アプリ内課金は利便性が高く、セキュリティが確保されていますが、Appleから30%の手数料が徴収されてしまいます。

一方でクレジットカード決済は、Appleに対して手数料を支払わずに直接収益を受け取ることができます。しかしアプリ内での課金とサブスクリプションの管理は、開発者の自己責任となります。

具体例としてはAmazonが展開する電子書籍「Kindle」は、ユーザーにクレジットカード決済を促すことで、Appleへの手数料の支払いを回避している形となります。

ストリーミングサービスの「Shopify」は、登録するだけで無料で音楽を楽しめます。しかし有料版であるPremiumへの加入は、アプリ内からはできず、Webサイトからログインする必要があります。

どちらの方法を選択するかは、アプリの性質やビジネスモデルによって判断は異なります。売上の面も勿論ですが、クレジットカード決済により離脱するユーザーの想定割合など、事前にリサーチを怠らないようにしましょう。

まとめ

当社では、今まで様々なWebアプリのスマホアプリ化を手掛けてきました。スマホアプリを制作する場合、Webとは違いスマホアプリらしい使いやすい仕様にすることが求められます。また、なぜスマホアプリ化するのかという戦略によって、必要な機能も変わってくるでしょう。

スマホアプリ化をご検討中の方は、お気軽に一度お問い合わせください。

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