PWAはネイティブアプリとどう違う?メリットや作り方を比較

PWAとネイティブアプリの違いがよくわらない」「どちらを採用したら良いのか悩んでいる」そんなアプリ制作担当者も多いと思います。

PWAとネイティブアプリは、それぞれ特徴と適した用途が異なります。PWAはWeb技術を基盤に、インストール不要でブラウザから利用可能です。低コストで開発でき、初期市場検証に適しています。一方、ネイティブアプリはiOSやAndroid専用に開発され、デバイスの機能をフル活用可能で、高いパフォーマンスと優れたユーザー体験を提供します。例えば、ニュースサイトやECサイトにはPWAが最適ですが、ゲームや高度な機能を要するアプリにはネイティブが推奨されます。目的や予算、ターゲットユーザーに応じて選択することが重要です。

本記事では、アプリ開発会社「株式会社ペンタゴン」で代表を務める筆者が、「PWAとネイティブアプリの違い」について詳しく解説します。アプリの開発を検討中の方は、ぜひ株式会社ペンタゴンまでご相談ください。

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PWAとネイティブアプリの比較

では、具体的にスマホアプリ(ネイティブアプリ)と何が違うのか?解説していきます。

アプリ開発はPWAとネイティブアプリどちらを選ぶべき?

PWAとネイティブアプリの選択は、プロジェクトの目的やユーザーのニーズに基づいて決めるべきです。

短期間で市場投入し、開発コストを抑えたい場合はPWAが適しています。一方で、高いパフォーマンスや優れたユーザー体験が求められる場合、ネイティブアプリが最適です。例えば、ニュースサイトや小規模なサービスではPWAが効果的ですが、ゲームや高度な機能を要するアプリではネイティブが必要です。

それでは、具体的にPWAとネイティブアプリの違いについて解説します。以下はそれぞれの特徴をまとめた比較表になります。

◆ PWAとネイティブアプリの特性比較

特性PWA (Progressive Web Apps)ネイティブアプリ
開発プラットフォームウェブテクノロジー (HTML, CSS, JavaScript)OS固有の言語 (Swift, Kotlinなど)
アクセス方法URLを通じてウェブブラウザ上でアクセスアプリストアからダウンロードしてインストール
デバイス互換性多様なデバイスやOSで動作特定のOS向けに開発される
オフラインアクセス可能 (サービスワーカーによる)可能
プッシュ通知可能可能
ハードウェアアクセス制限されたハードウェアアクセスフルハードウェアアクセス
パフォーマンス通常はネイティブアプリに劣る最高のパフォーマンス
更新自動的に最新版を提供ユーザーがアプリストアで更新を行う
インストールプロセス簡単でアプリストア不要アプリストア経由でのインストールが必要
SEO対策可能不可能

ネイティブアプリは、特定のデバイスのハードウェアとソフトウェア機能をフルに利用し最高のパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスを提供します。しかし、それらはアプリストアを通じてインストールする必要があり、定期的なアップデートが必要となります。

一方、PWAはウェブブラウザ上で動作しますが、ネイティブアプリのようなオフラインアクセス、プッシュ通知などの機能を持ちます。さらに、URLを通じてアクセスでき、アプリストアを経由せずにユーザーのホームスクリーンに追加することも可能です。また、PWAはデバイスやオペレーティングシステムに依存せず、一度開発すればどのデバイスでも動作します。

このように、PWAとネイティブアプリはそれぞれ異なる特性を持ち、どちらを採用するべきかは、ビジネスの要件や目標、ユーザーのニーズによって変わります。

PWA(Progressive Web Apps)の5つのメリット

そもそも、PWA(Progressive Web App)とは、Web技術を利用して構築され、インストール不要でブラウザから利用可能なWebアプリケーションです。PWAは、スマホアプリのような操作性や機能を提供するのが特徴です。

まずはPWAの5つのメリットについて紹介します。

メリット① ユーザービリティの向上

PWAは従来のWebサイトと比べて圧倒的に高速です。サービスワーカーと呼ばれる技術により、コンテンツをキャッシュして素早く表示。オフライン時でも基本的な機能が利用可能で、電波の悪い場所でもストレスなく使えます。

メリット② ユーザーの利用機会が増加

PWAはホーム画面にアイコンを追加でき、通常のアプリと同じように起動できます。Webサイトのブックマークよりも手軽にアクセスできるため、ユーザーの継続的な利用を促進できます。

メリット③ 効率的に開発できる

HTML、CSS、JavaScriptといった標準的なWeb技術で開発可能なため、既存のWebエンジニアのスキルを活用できます。iOSとAndroid向けに別々の開発が不要で、開発コストと時間を大幅に削減できます。

メリット④ ストアを介さず提供可能

App StoreやGoogle Playを介さずに直接ユーザーに提供できるため、アプリ審査の手間や時間がかかりません。また、アプリの更新も自動的に行われるため、ユーザーの手間も最小限に抑えられます。

メリット⑤ プッシュ通知が可能

従来のWebサイトにはない、プッシュ通知機能を実装できます。ユーザーがアプリを開いていない時でも、新着情報やお知らせを届けることが可能です。

PWAの注意すべき4つのデメリット

PWAは、そのユーザーフレンドリーなインターフェースと高速なパフォーマンスにより、多くのビジネスや企業に採用されています。しかし、PWAも完全に無欠ではありません。いくつかのデメリットや限界が存在しています。

デメリット① デバイス機能の制限

PWAはネイティブアプリと比べ、利用できるデバイス機能が限定されています。特にBluetooth、NFC、複雑なジェスチャー検出、バックグラウンドタスクといった高度な機能には対応していません。このため、これらの機能を必要とするアプリには不向きです。

デメリット② ブラウザ依存の問題

PWAの動作はブラウザやOSのバージョンに依存します。一部の環境ではPWAが提供する全ての機能が利用できない場合があり、ユーザー体験に差が生じることがあります。特に古いブラウザや互換性のないOSを使用するユーザーでは、十分な機能が提供できない可能性があります。

デメリット③ 初回読み込みの制約

PWAはオフラインでの利用が可能ですが、初回の読み込みやアップデート、一部のデータ同期にはインターネット接続が必要です。このため、完全にオフラインで動作するアプリを求める用途には適しません。

デメリット④ マーケティングの課題

PWAはアプリストアを介さずに提供されるため、アプリストア内での露出やプロモーションが行えません。その結果、新規ユーザーの獲得やブランド認知度の向上が難しくなることがあります。特にアプリストアが主な流入経路となるビジネスでは、この点が課題となるでしょう。

これらのデメリットを考慮しつつ、PWAを適切な場面で活用することで、その利便性を最大限に引き出すことができます。

PWAとよく比較されるFlutterWebとは?

PWAは、Webアプリケーションをスマホアプリ化する1つの技術です。Webアプリとスマホアプリ別々に開発する必要がないので、開発コストを大幅に削減できる可能性があります。ただ、PWAも完全ではなく、スマホアプリに最適化したアプリは、Webアプリとは別にスマホアプリを開発した方が良いケースもあります。

また最近では、FlutterWebと呼ばれる技術もあり、スマホアプリをWebアプリ化する技術もあります。

Flutterとは、Googleが開発したオープンソースのUIフレームワークで、一つのコードベースでiOS、Android、Webアプリケーションを作成することが可能です。

どんなアプリケーションを作成するのか、要件に合わせて最適な技術を選ぶのがポイントです。

PWAアプリの4つの事例を紹介

事例① Meet Music (ミート・ミュージック)

当社、株式会社ペンタゴンでは、クラシックコンサートのプラットフォーム、MeetMusicをPWAで制作させていただきました。MeetMusicは、クラシック音楽コンサートの検索、コンサート詳細の閲覧、そしてコンサートのレビューが可能です。初期コストを抑え、SEOでのユーザー獲得を得るために、ネイティブアプリではなくPWAを採用した事例になります。

事例② Twitter Lite(ツイッターライト)

TTwitterのPWA版である「Twitter Lite」は、特に低速なネットワーク環境やストレージ容量が限られたデバイス向けに設計されています。これにより、ネイティブアプリと比較してデータ使用量が削減され、ページの読み込み速度も向上しました。その結果、ユーザーエンゲージメントが大幅に向上し、データ使用量が70%削減されたと言われています。

事例③ Starbucks(スターバックス)

スターバックスでもPWAが活用されています。スターバックスのPWAアプリはオフラインでも利用可能で、ユーザーがカスタムオーダーを作成し、最寄りの店舗を見つけることができます。このPWAの導入により、スターバックスのオンライン注文数は大幅に増加しと言われています。

事例④ Forbes(フォーブス)

Forbesもまた、PWA技術を活用してモバイルサイトを再設計しました。彼らの新しいPWAは、従来のモバイルサイトに比べてロード時間を大幅に短縮し、ユーザーエンゲージメントとセッション時間を向上させました。これらの例からわかるように、PWAはユーザーエクスペリエンスを向上させ、ビジネスの成果を改善する強力なツールとなり得ます。そのため、今後ますます多くの企業がPWAの導入を検討するでしょう。

PWAの導入方法とは?

WebアプリをPWAとして動かすのはそこまで難しくはありません。

PWA(Progressive Web Apps)の導入方法は、主に以下のステップに分けられます。

  1. サービスワーカーの作成
    PWAの核心的なテクノロジーであるサービスワーカーを作成します。これはブラウザがバックグラウンドで実行するJavaScriptの一種で、オフラインでもウェブサイトの一部を利用可能にしたり、プッシュ通知を送信したりすることができます。
  2. ウェブアプリマニフェストの作成
    これはJSON形式のファイルで、アプリの名前、アイコン、起動URL、表示するスクリーンの方向など、アプリの基本的な情報を定義します。
  3. HTTPSの設定
    PWAはサービスワーカーを介して重要な情報を扱うため、通信のセキュリティを確保するためにHTTPSが必須となります。
  4. レスポンシブデザインの適用
    PWAはデバイスに関係なく一貫したユーザーエクスペリエンスを提と目指しているため、レスポンシブデザインを適用して各デバイスで適切に表示されるよう
  5. キャッシュの活用
    サービスワーカーの機能を活用して、一度読み込んだデータをキャッシュとして保存し、オフライン時にも内容を表示できるようにします。
  6. プッシュ通知の設定
    ユーザーがアプリに戻ってくるきっかけを作るために、プッシュ通知を設定します。これにはサービスワーカーと組み合わせて使用するPush APIとNotification APIが必要です。

    これらのステップを踏むことで、ウェブサイトはPWAとして機能し、ユーザーにネイティブアプリに近い体験を提供することが可能となります。ただし、PWAの導入は専門的な知識を必要とするため、開発者や専門家への依頼も検討すると良いでしょう。

まとめ

今回ご紹介したPWAのポイントを参考にして、アプリ開発の計画を立てていきましょう。もし「自社のアプリを作りたいけど、PWAにしようかネイティブアプリにしようか悩んでいる」「アプリ開発の外注を検討していて、一度相談したい」などお考えでしたら、アプリ開発会社の株式会社ペンタゴン」にぜひご相談ください。私たちが貴社のアプリ開発をサポートし、成功へと導きます。

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