【2020年】アプリ開発に活用できる補助金・助成金まとめ

「脱ハンコ」や「デジタル庁新設」など、国としてデジタル化へ本格的に始動しだした2020年。テレワークや時間差通勤など、多様な勤務形態を従来通り管理することが困難になり、最近では業務改善のために、出勤管理のみならず経費管理や社内コミュニケーションにアプリを活用する企業も増えてきました。

しかし、アプリの開発や導入には費用がかかるため、なかなか導入に至らない中小企業も多いのではないでしょうか?

そこで利用したいのが、国や自治体から支給される「補助金」制度です。今回はアプリの開発や導入として利用できる補助金の種類や概要を簡単にまとめましたので、最後までご一読ください。

アプリ開発にも補助金が使えます!

実は補助金の中には、アプリなどのITツールを事業で導入する際に利用できる制度があります。補助金はさまざまな手続きが必要なためついつい嫌厭しがちですが、開発費や導入費の半分を賄えたり、1,000万以上支給されたりするケースもあります。

ここでは、補助金の説明や利用できる制度について解説します。

補助金とは?

そもそも「補助金」とは、国や自治体が事業者に対して、新規事業や創業促進など、さまざまな政策を達成するために税金などの財源を使用して原則返済不要なお金を支給してくれる制度です。

よく「助成金」と混同してしまいますが、「助成金」は厚生労働省による雇用増加や人材育成などの雇用系を対象にするのに対し、「補助金」は経済産業省などによる新規事業や創業促進などの事業系を対象にした制度という点に違いがあります。

アプリ開発として利用できる補助金の種類

アプリ導入として中小企業・小規模事業者が利用できる補助金は「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」の3つです。この3つは新規事業や業務効率、売上向上などを目的としたITツールを導入する際にもらえる補助金です。

3種類の補助金の大きな違い

各制度の大きな違いはもらえる補助金の限度で、高い順に「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」と並びます。

もちろん、対象者や条件によっても異なりますが、アプリを一から開発する場合は「ものづくり補助金」、既存のアプリを導入する場合は「IT導入補助金」、「IT導入補助金」の最低予算を下回る場合は「小規模事業者持続化補助金」への申請を検討しましょう。

ものづくり補助金

100万~1,000万円の補助金をもらえる「ものづくり補助金」は、「IT導入補助金」や「小規模事業者持続化補助金」と比較すると、補助金額が最も高いのが特徴です。自社で使用するアプリの開発費や導入費などに適用できます。

ここでは主に「一般型」の概要や条件について解説します。

ものづくり補助金とは?

「ものづくり補助金」とは「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の略称で、中小企業庁が実施している補助金制度です。「一般型」「グローバル型」「ビジネスモデル構築型」の3種類があり、中小企業・小規模事業者の革新的サービス開発や試作品開発、産業プロセスの改善を行うための施設投資を支援し、経営力と生産性を高めることを目的としています。

補助対象は、専用ソフトウェアや情報システムの購入・構築などの「機械装置費・システム構築費」の他、クラウドサービスやWEBのプラットフォーム利用費として利用できる「クラウドサービス利用費」などがあります。

対象者・条件

対象者は、中小企業者および特定非営利活動法人です。中小企業者とは、製造業であれば資本金3億円・従業員数300人、サービス業であれば資本金5,000万円・従業員数100人と定義されています。

申請には、具体的な取組内容や将来の展望などを示した「事業計画書」が必要で、「事業全体の付加価値を年率3%以上増加」「給与支給総額を年率平均1.5%以上増加」「事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする」の3つを満たす3~5年の事業計画の策定に加えて、「賃金引き上げ計画の表明書」「決算書」なども必要になります。

助成額

補助率は、中小企業者が1/2、小規模企業者・小規模事業者が2/3になります。補助の上限額は一般型が1,000万円、グローバル展開型は3,000万円、ビジネスモデル構築型 1億円で、単価50万以上の設備投資が必要です。

注意点

補助金は後払いのため、機械設置やシステム構築にかかる費用は補助金交付より前に支払う必要があります。

特に注意しておきたいのが、条件である「給与支給総額の増加」です。毎年給与支給総額を平均1.5%以上増加させるということは、5年で7.5%以上増加させる必要があります。場合によっては給与支給総額の増加や、最低賃金の値上げといった人件費の方がもらえる補助金額よりも高くなる可能性がありますので、しっかり事業計画を策定したうえで申請しましょう。

また、申請が全て電子化されたため、締切直前はアクセスが集中によってサイトにアクセスができず、締切に間に合わない可能性があります。日時に余裕をもって申請しましょう。

申込み締切

次回、4次公募の締切は令和2年11月26日(木) 17時です。

今後の酵母スケジュールについてはこちら:http://portal.monodukuri-hojo.jp/schedule.html

「ものづくり補助金」の申請には、さまざまな行政サービスを1つのIDで管理できる「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要で、このアカウント取得には2週間程度時間を要すため、早めに登録を行いましょう。

また、5次公募は令和3年2月頃を予定しているので、4次公募への準備が難しい場合は5次での申請を目指しましょう。

活用例

情報サービス業を営む株式会社Boothでは「ものづくり補助金」を利用し、GPS位置情報とAR(拡張現実)を活用した、建設工事検収用写真デジタル化システムを開発しました。

工事現場では、写真を撮影する際に見分けがつくよう工事名・撮影日などの詳細を記した小黒板が必要です。しかし、1つの工事で何千枚も写真を撮影する場合があり、撮影者はその都度小黒板を書き換える手間がありました。

そこで、株式会社Boothは「ものづくり補助金」を活用し、GPS位置情報から割り出された工事情報が電子黒板に自動で入力される機能や、ARを使って仮想のメジャーをスマホ画面に表示できる建設工事検収専用写真アプリを開発。その結果、黒板の内容変更忘れや、記載ミスが減り作業時間短縮に繋がりました。

IT導入補助金

「IT導入補助金」を利用することで、最大450万円を補助金として受け取れます。業種も製造業、サービス業、旅館業、医療法人などさまざまな業種が利用でき、申請や手続きも「IT導入支援事業者」がサポートしてくれるので、初めてでも安心して申請ができます。

「ものづくり補助金」より申請のハードルが低く、既存のアプリケーションを導入する際に利用できます。

IT導入補助金とは?

「IT導入補助金」は、中小企業や小規模事業者等の生産性向上を助けるITツールを導入するために費用の一部を補助し、生産性の向上を図ることを目的としています。

「A類型」「B類型」の2種類あり、事務局が提示するプロセスを、ITツールがいくつ担うのかによって類型が決定します。また、昨今のコロナウイルスによる事業継続への影響を鑑みて、特別枠の「C類型」も創設されましたが、ここでは「A類型」「B類型」の2つに絞って解説していきます。

対象者・条件

対象者は生産性向上を助けるためにITツールを導入する、日本国内で事業を行う中小企業または個人です。中小企業者とは、製造業であれば資本金3億円以下・従業員数300人以下、旅館業であれば資本金5,000万円以下・従業数200人以下、医療法人であれば従業員数300人以下と定義されています。

「ものづくり補助金」と同様に「事業全体の付加価値を年率3%以上増加」「給与支給総額を年率平均1.5%以上増加」「事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする」の3つを満たし、3~5年の事業計画を提出する必要があります。

助成額

「A類型」と「B類型」ともに導入にかかる費用の1/2まで受け取ることができ、ITツールが担うプロセス数により類型が異なります。

「A類型」は補助金額が30万~150万未満で、「顧客対応・販売支援」「決済・債権債務・資金回収管理」「調達・供給・在庫・物流」「業種固有プロセス」「会計・財務・資産・経営」「総務・人事・給与・労務・教育訓練」の6つある業務プロセスの内、いずれか1つ以上満たす必要があります。

「B類型」は補助金額が150万~450万とA類型よりも金額が多いですが、先ほどの業務プロセスの内4つ以上を担う必要があります。

注意点

原則として、IT導入支援事業者の確認を受けたうえで交付申請を事務局に提出する必要があります。交付より前に契約したツールは補助対象外となるため、必ず交付決定日以降に契約・納品を行いましょう。

また、補助事業が事業実施期間内に終了しなかった場合や、導入日から1年未満で利用しなくなった場合は取消しになるので注意が必要です。

申込み締切

こちらの2020年度の申込みは、第10次締切分が2020年12月18日(金)17:00までとなっております。

スケジュールについて詳しくはこちら:https://www.it-hojo.jp/schedule/

また、2021年以降の募集についても今後発表がなされるものと思われます。Webサイトはまだ公開されていませんが、申請を検討している方はぜひ、今後の情報についてチェックしておくとよいでしょう。

活用例

古川農園では「IT導入補助金」を活用し、米作りに利用する水管理をスマホでできるシステムを導入。米作り農家では、地域の高齢化により近隣農家から作業委託が増加しているという背景があります。

そこで、散在する田んぼの状況把握や水門の開け閉めに時間を要するため、水管理システムを導入しました。これにより、スマートフォンから水位水温の把握や用水路の水門操作が可能になり、現地を往復する時間が削減できました。

小規模事業者持続化補助金

「小規模事業者持続化補助金」を利用することで、最大50万円を補助金として受け取ることができます。

「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」の採択率が40~60%前後であるのに対し、「小規模事業者持続化補助金」は平成30年が67%、令和元年が86%と他の補助金に比べて採用率が高い傾向にあります。

ここでは、「小規模事業者持続化補助金」の概要や条件などを解説します。

小規模事業者持続化補助金とは?

「小規模事業者持続化補助金」とは、小規模事業者の生産性向上と持続的発展の支援を目的とした中小企業庁による補助金制度です。

地域の商工会や商工会議所が窓口を担い、事業者は商工会議所や商工会の助言を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って販路開拓等を行います。

対象者・条件

対象者は小規模事業者、個人事業、一定の要件を満たした特定非営利活動法人で、医師や一般社団法人、企業組合・協業組合を除く協同組合等の組合などは対象外となります。また、個人事業主の場合は開業届の提出を行っていることが条件となります。

小規模事業者とは、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)であれば、従業員数5人以下、サービス業のうち宿泊業・娯楽業であれば従業員数20人以下と定義されています。

助成額

補助率は導入費の2/3で、最大50万円の補助金を受け取れます。対象となる経費は、商工会議所の支援を受けながら実施する生産性向上のための地道な販路開拓と、業務を効率化するうえで必要な経費で、機械装置等費、広報費、開発費などに分かれています。

「使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費」「交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費」「証拠資料等によって支払金額が確認できる経費」の条件を全て満たすものが、補助対象費です。

注意点

採択が決定された後は「採択通知書」が届き、その後に実施を正式に認める「補助金交付決定通知書」が届きます。「補助金交付決定通知書」受領後の発注や契約が対象になるため、「採択通知書」が届いたとしても「補助金交付決定通知書」が届く前に発注・契約などした場合は補助対象外になるので注意しましょう。

また、令和2年度はコロナ特別対応型が別枠で公募されており、一般型とは申請内容や締切日が異なりますので留意しておきましょう。

申込み締切

第4回受付締切は2021年2月5日(金)で、採択発表は2021年4月頃を予定しています。

「小規模事業者持続化補助金」は公募開始後、通年で受付を行って約4ヶ月ごとに受付を締め切り、その都度審査・採択を行います。

詳しくはこちら:https://r1.jizokukahojokin.info/

活用例

インターネットメディア企業の株式会社ドリームディレクションでは「小規模事業者持続化補助金」を活用し、市民向けの地域ポータルサイトのスマートフォンアプリを開発。店舗情報の検索・観覧機能に加えて、プッシュ通知を取り入れることで顧客へタイムリーな情報提供が可能になり、利便性向上により掲載店舗が拡大しました。

まとめ

この記事では、「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」の3つの制度について解説しました。補助金制度を利用する場合、どの制度も補助事業終了後は実績報告や支出内容が明確に分かる書類を提出する必要があります。

また、長期的に見ると支給された補助金額よりも人件費の方が多くなるような場合もありますので、各補助金の公募要領をしっかり理解し、事業計画を策定したうえで申請しましょう。

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