AIをアプリに組み込み開発「成功に必要なAI以外の要素」を解説

昨今、Chat GPTの登場により、AIが注目を集めています。Chat GPTを運営するOpenAI社は、誰でもAIを使うことができる状況を作り出しました。こうしたAIを誰でも使える時代において、アプリ開発においては、むしろAI以外の部分が重要になってくると考えています。
例えば、次の3点の要素が重要だと考えています。
- ポイント①競合アプリとの差別化
- ポイント②既存事業と関連させ、価値あるストーリーを作る
- ポイント③優れたUI/UXデザインが必要
「新規・既存のアプリにAIを組み込みたいと考えている」方に向けて、アプリ開発会社「株式会社ペンタゴン」で代表を務める筆者が、アプリへのAI導入と重要なポイントについて詳しく解説します。具体的なAIアプリの開発費用や開発期間について知りたい方は、「AIアプリの開発方法をプロが解説!3ヶ月300万円から制作可能」をご覧ください。
また、アプリの開発を検討中の方は、ぜひ株式会社ペンタゴンまでご相談ください。
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今や当たり前?広がるAI搭載アプリ事例
AIアプリと一口に言っても、実は独立したジャンルがあるわけではありません。むしろ、さまざまな既存のアプリにAI機能が組み込まれ、私たちの生活をより便利にしているのが現状です。
たとえば、以下のような事例が代表的です。
◆SpotifyのAI活用事例
- Spotifyでは、AIを活用した楽曲レコメンド機能により、ユーザーの好みに合った新しい音楽との出会いを提供しています。
◆Google PhotosのAI活用事例
- Google PhotosやApple写真アプリでは、AIによる画像認識技術を使って写真の自動分類や顔認識を行い、膨大な写真ライブラリを効率的に管理できます。
◆NetflixやAmazon PrimeのAI活用事例
- NetflixやAmazon Primeでは、AIによる視聴履歴分析で、ユーザーの興味に合った映画やドラマをレコメンドしています。
このように、私たちが日常的に使用しているアプリの多くに、既にAIが組み込まれています。当社でも、以下のようなAI機能の搭載に関するご相談を数多くいただいています。
◆AI機能の搭載のご依頼例
- 「マッチングアプリにマッチングのためのAIを組み込みたい」
- 「ECアプリにAIを使った商品レコメンドを入れたい」
- 「教育アプリに手書き文字を認識する画像認識AIを入れたい」
- 「苦手問題をピックアップして問題を出題する学習アプリを開発してほしい」
こうした需要の高まりは、AIが特別な技術から、アプリ開発における標準的な機能の一つへと進化していることを示しています。
私たち株式会社ペンタゴンでは、このようなAI機能の実装に関する相談を日々承っており、お客様のニーズに合わせた最適なAIソリューションをご提案しています。
アプリにAIを搭載する方法は?
AIを組み込むタイミング
AIの搭載は、アプリ開発の様々なタイミングで検討することができます。主なタイミングとして、以下の2つがあります:
タイミング①新規開発時のAI搭載
新しくアプリを開発する際は、企画段階からAI機能を組み込むことができます。これにより、アプリの核となる機能としてAIを位置づけ、ユーザー体験全体を最適化することが可能です。また、アプリの設計段階からAIを考慮することで、より効率的な開発が可能になります。
タイミング②リニューアル時の機能追加
既存のアプリをリニューアルする際に、新機能としてAIを追加することも可能です。例えば、ECサイトに商品レコメンド機能を追加したり、コミュニケーションアプリにAIチャットボットを実装したりするケースが増えています。
AIをアプリに組み込む具体的な3つの手法
AIをアプリに組み込む手法は大きく3つのアプローチがあります。それぞれに特徴があり、プロジェクトの要件に応じて最適な方法を選択する必要があります。
実装方法 | 概要 | メリット | デメリット | 向いているケース |
APIの活用 | OpenAIやGoogle Cloudなど、既存のAIサービスのAPIを利用 | 開発期間が短い / 初期コストが低い / 信頼性が高い | カスタマイズ性が限定的 / 利用料金が発生 / データの管理に制限 | 迅速な開発が必要 / 標準的なAI機能で十分 / コスト効率を重視 |
カスタムAIモデル | 独自のAIモデルを開発・運用 | カスタマイズが可能 / データの完全な管理 / 独自性の高いサービス提供 | 開発コストが高い / 専門人材が必要 / 開発期間が長い | 特殊な要件がある / 高度な精度が必要 / データの機密性が重要 |
ハイブリッド | APIと独自開発を組み合わせる | 柔軟な機能実装 / コストと独自性のバランス / 段階的な開発が可能 | 設計が複雑 / 統合管理が必要 / 技術的な知見が必要 | 一部機能の特化が必要 / コストと機能性のバランス重視 / 段階的な開発を計画 |
手法①APIの活用
OpenAIやGoogle Cloud AIなど、既存のAIサービスが提供するAPIを利用する方法です。開発コストを抑えながら、高度なAI機能を実装できる利点があります。多くの場合、このアプローチが最も現実的な選択肢となります。
手法②カスタムAIモデルの開発
特定の用途に特化した独自のAIモデルを開発する方法です。より高度なカスタマイズが可能ですが、開発コストと時間が必要となります。独自性の高いサービスを目指す場合に検討される選択肢です。
手法③ハイブリッドアプローチ
既存のAPIと独自開発を組み合わせる方法です。基本的な機能は既存APIで実現し、特定の機能のみカスタム開発するなど、柔軟な対応が可能です。
実際の開発では、ハイブリッドアプローチが増えています。例えば、基本的な自然言語処理にはOpenAI APIを使用しつつ、特定の業界用語の処理には独自モデルを活用するといった方法です。このアプローチにより、開発効率とサービスの独自性を両立することができます。
既存の「アプリにAIを組み込む」方法
昨今、注目を集めているChatGPT。GPTは、人工知能(AI)によって動作する高度な会話モデルです。ChatGPTは、大量のデータセットを学習し、自然言語処理のテキスト生成に特化したモデルです。そのため、人間のような返答を生成することができ、様々なトピックについての質問や会話を行うことができます。また、ChatGPTは、幅広い分野の情報に基づいたコンテンツを提供することが可能です。このような特徴から、ChatGPTは多くの人々に利用され、注目を浴びています。
ChatGPTのAPIで文章を自動生成する
OpenAIのAPIは、機械学習モデルを利用して自然言語生成を行うためのものです。このAPIを使うことで、ユーザーが入力した文章に基づいて、自動的に関連する文章を生成することができます。
GPTをアプリに組み込むための手順
- OpenAIのAPIを有効化し、認証情報を取得する
- アプリのコード内でAPIへのリクエストを作成し、必要なパラメーターと入力文章を指定する
- APIへのリクエストを送信すると、OpenAIのモデルが入力文章を受け取り、関連する文章を生成して返してくれます
※APIを利用する際は、制限や使用料金に注意する必要があります。
公式ドキュメントはこちら
以上の手順を踏むことで、OpenAIのAPIを活用した文章自動生成機能をアプリに組み込むことができます。
WhisperAPI(ウィスパーAPI)で音声を生成する
WhisperAPIは、ディープラーニング技術を用いた音声合成システムです。このAPIを使うと、自然で滑らかな音声を生成することができます。
WhisperAPIをアプリに組み込むには、以下の手順で開発をします。
- 開発者ポータルにアクセスし、WhisperAPIの利用登録をします。利用登録が完了すると、APIキーが発行されます。
- APIキーをアプリケーションに組み込むためのコードを書きます。
- WhisperAPIのエンドポイントにリクエストを送信します。リクエストには、テキストデータや音声の設定などが含まれます。
- サーバーからのレスポンスを受け取り、生成された音声データを再生するか保存します。
公式ドキュメントはこちらをご覧ください。
このようにして、WhisperAPIはアプリに組み込まれ、自然な音声の生成を実現します。アプリ開発者にとって、ユーザーに対してより魅力的な音声体験を提供するための有用なツールとなるでしょう。
アプリへのAI搭載を成功させる3つのポイント
自社のスマホアプリにAI機能を搭載する場合は、次に紹介する3つのポイントを必ず抑えるようにしてください。
ポイント①競合アプリとの差別化

GPTsというのは「誰でもノーコードでAIアプリが作れる」というOpenAIのサービスです。UIは、ChatGPT と変わらず、Chat型のUIですが。アプリを企画する際には「GPTでも十分だ」といったアイデアも生まれるでしょう。GPTにできなくて、企画したアプリにできることを追求することが重要になってきます。
関連:他にも、Facebookみたなアプリをつくりたい、Xみたいなアプリをつくりたい、と考えることが多いですが、定着しているユーザーを奪うのは、かなりハードルが高いです。例えば、LINEは、既に普及していて、LINEみたなアプリを作って、LINEではなく、その自社のチャットアプリと使わせる、というのは現実的ではありません。既存のアプリとの差は、つまりオリジナリティです。オリジナリティに価値が生まれるので、GPTとは何が違うのか、既存のSNSと何が違うのか、今後のアプリ開発では「差別化」を追求する必要があります。
裏側で動いているAIがGPTだと、競合他社との差別化が難しくなります。というのも、GPTは誰でも使えるため、競合他社が類似のサービスを用意に開発することが可能です。他社のサービスよりもAIの出力を向上させることはもちろん重要ですが、AIの言語モデルを調整し、独自のモデルにすることで出力品質を向上させることが重要だと考えています。プロンプト(AIへの指示文)の工夫も有効ですが、AIのチューニングで独自性を持たせることが必要です。
ポイント②既存事業と関連させ、価値あるストーリーを作る
AIが普及して誰もがAIを使えるようになった昨今では、プロダクトのストーリーが重要となります。
例えば、A社は10年間SEOの事業を行ってきた経験を基に、AIライティングツールを開発しました。これにより、A社の開発ストーリーや実績があり、信頼性が高くなります。一方、B社は何も実績がなく、ただAIライティングツールを開発しただけです。AIの発展によって、信頼性や開発ストーリーは新たなAIアプリを開発するにあたり重要な要素となります。
ポイント③優れたUI/UXデザインが必要
これまでAI開発が進むにつれ、AI以外の要素がますます重要になってきました。特に、UI/UXデザインは重要な要素の一つであり、ユーザーにどのような体験を提供するかを徹底的に考える必要があります。
UI(ユーザーインターフェース)は、ユーザーとAIとの間の接点です。ユーザーがAIを簡単に操作できるようにするだけでなく、使いやすさや直感的な操作性を追求することも重要です。例えば、シンプルなデザインや視覚的な要素を活用することで、ユーザーがAIとのやり取りをスムーズに行えるようになります。
一方、UX(ユーザーエクスペリエンス)は、ユーザーがAIを利用することで得られる体験全体を指します。例えば、ユーザーがAIを使って問題を解決したり、役立つ情報を得たりする際に、どれだけスムーズで満足感のある体験ができるかが重要です。これには、情報の整理や分かりやすさ、ユーザーのニーズに対応した機能の提供などが含まれます。
AIの能力が向上しても、UI/UXデザインが優れていなければユーザーは満足せず離れて行きます。そのため、AI以外の部分を徹底的に考え、ユーザーの視点に立った使いやすいUI/UXを提供することが重要です。AIが普及してきた今、デザイナーや開発者はAIの性能だけでなく、使い勝手や体験を追求することに注力する必要があります。
アプリへのAI搭載のご相談は株式会社ペンタゴンまで
AIアプリの開発は比較的新しい技術分野であり、まだ事例は限られていますが、株式会社ペンタゴンではお客様のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案させていただきます。
「こういうAI機能を搭載したい」というご要望だけお伝えいただければ、当社の経験とノウハウを活かして、以下のような観点から具体的なご提案をさせていただきます:
- 最適なAI実装方法の選定
- 開発期間とコストの試算
- 段階的な開発計画の策定
- ユーザー体験を考慮したUI/UX設計
まずはお気軽にご相談ください。プロの視点から、お客様のビジネスにおけるAI活用の可能性を探っていきましょう。
まとめ
もし「自社のAIアプリを作りたいけど、実際にアプリ開発の費用は、どれくらいになるのか?」「アプリ開発の外注を検討していて、一度相談したい」などお考えでしたら、アプリ開発会社の「株式会社ペンタゴン」にぜひご相談ください。私たちが貴社のアプリ開発をサポートし、成功へと導きます。
「株式会社ペンタゴン」の開発実績については、こちらをご覧ください。
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