ビジネスマッチングサービスのアプリ開発を進めるには?期間・費用の目安も
ビジネスマッチングサービスアプリを開発する際に必要な期間と費用をご存じでしょうか。アプリ開発時にかかる期間や費用は、運用方法やランニングコストも考慮したうえで計算することが大切です。
この記事では、ビジネスマッチングサービスのアプリ開発に必要な機能や開発方法を紹介し、期間・費用の目安についてもご紹介します。
ビジネスマッチングサービスとは?
ビジネスマッチングサービスとは、新しい製品の開発や新規顧客の獲得を経て、利益を得ることを目的としている企業や団体に対して商談の場を提供するサービスです。
ビジネスで利益を得るためにはビジネスパートナーの存在が欠かせませんが、自社のビジネスと相性の良いパートナーはなかなか見つかりません。ビジネスマッチングサービスを利用すると自社に不足している人材やノウハウを交換できるビジネスパートナーが見つかりやすくなります。
ビジネスマッチングサービスの展開形態
一般的にビジネスマッチングサービスの展開形態は、Webサイトやアプリ、イベントの開催などが挙げられます。主にサイトやアプリで展開されることが主流とされていますが、イベントの開催をメインに展開する企業も存在します。以下では、それぞれの特徴を紹介します。
Webサイト
Webサイトの場合、一般的に専用のサイトを利用することでビジネスマッチングが可能になります。Web上でマッチングが可能なため、時間や場所、人数制限などの制限がありません。
例えば、イベント開催の場合キャパシティの都合で特定の分野に絞ってイベントが開催されるため、商談の対象者が限られてしまうというデメリットがあります。このデメリットがあるため、事前準備から商談成立までかなりの工数がかかってしまいます。
しかし、Webサイトはキャパシティの都合を考慮する必要がなく、特定の分野に絞る必要もないため、企業のあらゆるジャンルに対応可能です。その結果、多くの企業が商談の対象として見られるため効率的にマッチングを進められます。
他にも、官民問わず情報を得られるという特徴があり、例を挙げると経済産業省が運用しているJーGoodTech(ジェグテック)というビジネスマッチングシステムから情報を得ることも可能です。
アプリ
アプリもWebサイトと同様、ビジネスに関する人脈を広げることを目的にしています。
人脈を広げるために交流会に参加するという従来の方法では、自分が希望する人物とつながれるかどうかは運次第でした。しかし、ビジネスマッチングアプリを使用すれば、自分が希望する人物に直接アプローチが可能になります。
また、アプリという性質上、ちょっとした空き時間でも利用しやすいというメリットもあります。Webサイトよりもお手軽に自分が希望する人物にアプローチできる点がWebサイトとの違いといえるでしょう。
イベント
他業種の人物と交流するには、イベントに参加するという方法も有効です。イベントは自治体や企業が中心となって実施されることが多く、研究発表会や展示会といった交流イベントがあります。交流イベントの場合、直接顔を合わせて商談ができるため、スムーズに商談が成立しやすいのが特徴です。
しかし、スムーズに商談を進めるためには担当者の知識やスキルも必要のため、それらが備わっていないと商談が難航することもあります。他にも、交流イベントは日程や日付が決まっており、イベント会場が遠いと参加しにくいのがデメリットです。
上記3つの特徴を理解し、ビジネスパートナーを探すときは手軽さを取るかスムーズな商談を取るか重要視する点を決めてから探すようにしましょう。
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こちらのアプリをベースとして開発することで、スムーズにビジネスマッチングアプリの制作が可能です。ビジネスマッチングアプリの制作を検討している方は、ぜひお問い合わせください。
ビジネスマッチングアプリに必要な機能とは?
ビジネスマッチングサービスのアプリを開発する場合、アプリが提供する価値を決めることが重要です。例えば、Yentaのようにマッチングして人脈形成をすることをゴールとするのか、ココナラのように仕事の受発注をゴールとするのかによって必要な機能が変わってきます。ここでは、ビジネスマッチングアプリに必要な機能を紹介します。
人脈形成に必要な機能
ユーザーとして想定されるのは、経営者や個人事業主、副業をしたい人です。こうしたユーザーがマッチするために必要な機能は以下の通りです。
プロフィール作成機能 | ユーザーが自己紹介やスキル、経歴などを入力して自分のプロフィールを作成できる機能。 |
いいね・話したい | ユーザーが他のユーザーとつながることができる機能。つながる方法は、承認制、フォロー制、お互いにフォローする制度などがあります。 |
メッセージ機能 | ユーザーがつながった他のユーザーと直接メッセージをやりとりできる機能。 |
検索機能 | ユーザーが特定の業界や職種、スキル、地域などで他のユーザーを検索できる機能。 |
評価機能 | ユーザー同士が相互評価を行い、信頼性の高いユーザーかどうかが分かる機能。 |
仕事の受発注に必要な機能
発注者側
発注者側として想定されるのは、自らが手がけているビジネスをともに成長させるパートナーを欲している企業です。こうした層に必須の機能としては、以下のようなものが挙げられます。
・検索機能
自らが手がけているビジネスの内容に沿った企業・人材を見つけるためにも、検索機能が充実していることは必須といえます。業種職種に限らず、提示できる条件など詳細に設定することで、希望の企業・人材を見つけ出せる可能性がより高くなるのです。
・会員登録機能
ビジネスマッチングアプリを使うためにも、アプリの利用者として会員登録することは必要です。会員登録機能としては、「ログイン機能」「パスワード変更機能」「メールアドレス変更機能」などが最低限必要な機能となります。
・マイページ
ビジネスの受注者が最も気にする点として、発注する側である企業がどのような存在か、という点が挙げられるでしょう。記載されている情報が少なければ、受注者側の不信感が強くなり、マッチングが成立しづらくなります。
そこで発注者側が「企業の各種詳細」「事業内容」「希望する人材・スキル」「提示できる条件」などを細かく設定できるようにし、受注者が安心して仕事を請け負うことのできる環境を作る必要があります。
受注者側
受注者側は、自社が持つスキルを活かして支援ができるビジネスを探すためにビジネスマッチングサービスを利用します。そのために必要な機能として、以下のようなものが挙げられます。
・検索機能
自社が有するスキルや経歴、成果物はもちろん、希望する条件(報酬など)などについて細かく設定した上で検索できる機能が必須です。
・会員登録機能
発注者と同様に、受注者側も「ログイン」「パスワード変更」「メールアドレス変更」といった登録機能が必要になります。
・マイページ
受注者側の場合も、発注者と同様に重要なのがマイページ機能です。仕事を請け負うためには、自身の「スキル」「経歴」「アピールポイント」などを細かく、かつ発注者側に分かりやすく記載しておくことが必要になります。そうすることで、受注者と発注者のマッチング確率が向上するでしょう。
・応募機能、コミュニケーション機能
受注者が仕事を請け負うとき、「発注者からの依頼が届く場合」と「自ら応募する場合」という2つのケースが想定されます。じっと待っていても必ずビジネスの依頼が届くとは限らないため、自ら積極的に働きかける、つまり案件に対して応募するということも必要になるでしょう。
応募機能としては、「応募後に連絡を待つ」パターンと「応募後、チャットにてやり取りを行う」パターンなどがあります。受注者、発注者ともにより案件内容に沿ったマッチングを実現するためには、チャット機能などを活用して企業と人材双方のポテンシャルを明確に把握できるような機能となっていることが理想的です。
双方に必要な機能
発注者と受注者双方にとって必要な機能として最低限のものは、前項までで述べた通りです。特に「検索」「会員登録」「マイページ」機能は必須といえるでしょう。Googleアカウントなどと連携するソーシャルログイン機能を用いれば、ユーザビリティの向上にもつながる効果が期待できます。
これらの基礎的な機能を備えた上で、「お気に入り機能」や「決済機能」なども加えていくとより高品質なビジネスマッチングアプリが作り上げられます。
受注者側で気になる案件があればとりあえず登録しておくことができますし、気になっている受注者が存在することを発注者側も認知できるため、便利な機能です。
ビジネスマッチングアプリの開発方法
ここからは、ビジネスマッチングアプリの開発方法について見ていきましょう。大別すると「スクラッチ開発」と「パッケージ開発」の2種類です。それぞれの開発方法に関する概要と併せて、「外注する場合と自社開発の場合」のメリットなどについても解説します。
スクラッチ開発
端的に述べると、システムを一から開発する手法のことを指します。開発プロジェクトとして相当の時間がかかることが想定される点、費用も高額になる点は把握しておくべきですが、既にあるシステムを活用して開発を進めるわけではないため、非常に独自性の高いアプリを作り上げることが可能です。独自性や競合との差別化を重視する場合は、スクラッチ開発を行うことがおすすめといえるでしょう。
その他のメリットとしては、高額な開発費用がかかる一方で、かかる費用の内訳が鮮明になるため、あらかじめ予算を組みやすいという点が挙げられます。
もちろん、前述した通りかなりの期間と費用を要するため、「既存システム以上には特に盛り込みたい機能がない」「コストを削減して開発を行いたい」などのポイントを重視する場合は、次項で紹介するパッケージ開発を選択することをおすすめします。
パッケージの利用
パッケージ開発とは、既存のシステムを活用してカスタマイズし、開発を進める手法を指します。既存システムを活用するため、開発期間はスクラッチ開発に比べて短縮されるほか、開発コストも抑えることが可能です。そのため、「予算に制限がある場合」「開発期間に時間をかけられない場合」「既存システムの活用で十分な開発内容の場合」などは、パッケージ開発が適切といえるでしょう。
一方、既にあるシステムを提供された上で開発を進めるため、開発の柔軟性・自由度が低く、スクラッチ開発のように独自の機能を盛り込むことができない場合があるというデメリットがあります。
また、基本的には低コストで開発が可能ですが、パッケージ開発費用にカスタマイズ費用を組み合わせた場合、スクラッチ開発よりも高額になるケースがある点にも注意が必要です。
外注or自社開発の選択も重要
スクラッチ開発であれパッケージ開発であれ、自社内で開発を進めることも、アウトソーシングすることも可能です。外注か自社開発かは、自社の状況や作りたいものに応じて選択しましょう。
開発を外注する場合は、自社内に適切な人材がいない、または少ないケースや、開発期限が迫っているケースなどが代表例として挙げられるでしょう。外注を受ける企業はアプリ開発のプロのため、要件定義に沿った高品質な製品を、速度感をもって仕上げてくれます。その分コストはかかりますが、確実に品質の高いアプリを開発したい場合、外注という選択肢は視野に入ることでしょう。
一方、自社にて開発を進める場合、自社内に適切な人材がそろっていること、およびノウハウが確立されていることが条件となります。一般的には外注に比べると開発の自由度が高くなり、コストも抑えられる点がメリットといわれます。しかし自社で開発人員を抱えることになるため、採用・教育など総合的なコストをもとに判断する必要があるでしょう。
ビジネスマッチングアプリの開発にかかる費用
開発にかかる費用としては、大まかに3種類に区分されます。「人件費」「総合的な費用相場」「その他費用」の3つです。それぞれについて見ていきましょう。
まず人件費については、個人プログラマーの場合は40~60万円程度、大手企業の社員の場合は50〜100万円程度が月々の人件費となります。
総合的な費用相場としては、アプリの性能によって以下のように異なることが一般的です。
求めるアプリの性能 | 一般的な費用の相場 |
必要最低限の機能があればよい | 400~600万円 |
ある程度機能にこだわりたい | 600~800万円 |
豊富な機能をつけたい | 800万円以上 |
機能を追加したい | 機能1つにつき50~100万円程度 |
その他費用としては以下が挙げられます。
用途 | 相場 |
アプリのアカウント登録費用 | App Store:年間11,800円程度GooglePlayStore:初回登録3,000円程度 |
集客費用(Web広告、コンテンツマーケティング、リアル施策など) | おおむね月額20~30万円程度 |
サーバー構築費用 | 40~80万円程度 |
テストおよびモニター費用 | 60~120万円程度 |
一般的なアプリ開発の費用についてはこちらの記事でも解説しています。
【相場】モバイルアプリの開発費用はいくら?開発費を抑える方法も紹介
アプリのリリース後もさまざまな費用がかかる
ビジネスマッチングアプリのリリース後も、継続した保守運用が必要となります。
例えば、アプリの運用としては「アプリ監視」「日常的なメンテナンス」「異常の発生時における保守移行」が挙げられ、アプリの保守としては「システム障害発生の原因究明と復旧作業」「アプリの改善提案と改善の実施」が挙げられるでしょう。
これらにかかる費用としては、おおまかな目安として開発コストの5%程度が必要になります。
アプリ開発を依頼する開発会社の選び方とは?
基本的に、アプリ開発を外注する場合は複数社に見積もりを出してもらい、比較検討する流れとなります。
この際、金額が高いか安いかという点ばかりを見てしまいがちになりますが、それだけではなく、外注する会社が「得意とする分野」と「担当者との相性」も重要視しましょう。
金額だけに注目しても、額に差があり過ぎて比較が難しいかもしれませんし、自社として希望していたアプリの品質には満たない成果物を提出されるかもしれません。もちろんかかるコストも重要なため、併せて外注先の「得意分野」「担当者の質」を見極めた上で、自社に適した開発会社を選ぶとよいでしょう。
開発を依頼する外注先企業を選ぶポイントについて、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
まとめ
ビジネスマッチングアプリの開発を進めるにあたっては、まずどのような機能を付加すればよいのか考えることから始めましょう。続いて、自社が取るべき開発手法について、かかるコストや外注、自社内開発も併せて検討した上で決定します。要件定義が完成したら、決定した開発手法にのっとってアプリの開発を進めていきましょう。
開発手法、コスト、開発をどこに任せるかなどを適切に決めることができれば、自社にとって有益なビジネスマッチングアプリの開発を進められるでしょう。
ビジネスマッチングアプリ開発を検討中の方向けに、モバイルアプリ開発の基礎をまとめた記事をご紹介します。アプリ開発で失敗することのないよう、ぜひこちらもチェックしてみてください。
【モバイルアプリ開発のはじめかた】開発の流れや外注の方法を解説