音楽アプリの開発にかかる費用の相場は?機能や成功のポイントも解説

スマートフォンやタブレットの普及により、音楽アプリは以前よりも身近なサービスになりました。音楽アプリがあれば移動中や家でのリラックスタイムなど、音楽との私たちの距離をより近づけてくれます。バックグラウンド再生ができるアプリや高音質が楽しめるアプリ、限定のコンテンツを楽しむことができるアプリなど、さまざまな特徴をもったアプリが登場しています。

多くの人から注目されている音楽アプリですが、新しいサービスを生み出したいと考えている方も少なくありません。そこでこの記事では、音楽アプリの特徴や開発する際にかかる費用、必要な機能などを解説します。

音楽アプリとは?

音楽アプリとは、音楽を再生できる機能を持っているアプリのことです。音楽アプリにはアーティストの楽曲を聴くサービスだけでなく、音楽を作成して投稿するアプリなども含まれます。この記事では、主に「音楽ストリーミングサービス」を提供するアプリについて取り扱います。

ストリーミングとはインターネット上のコンテンツをすぐに再生する機能です。スマートフォンやタブレット、パソコンなどで利用でき、いつでもどこでも気軽に音楽を聴けるようになりました。多くのサービスがダウンロードにも対応しているため、自宅であらかじめダウンロードしておき屋外でデータ通信量を消費せずに音楽を楽しむといった使い方も可能です。

音楽アプリの主な特徴

人気を集める音楽アプリの主な特徴を整理してまとめてみました。

まず、共通して挙げられる音楽アプリの特徴は、膨大な数の楽曲配信に対応していることです。主流の音楽アプリではどれも1億曲に近い数の楽曲を聴くことができます。ストリーミングやダウンロードで音楽を聴くことが可能で、好きな楽曲を思う存分に満喫できます。

次に、音楽アプリなら場所を問わずに音楽を楽しめます。外出先はスマートフォン、家ではPCというように使い分けが可能です。アプリの設定やプレイリストは環境が変わっても共通して利用できるので利便性にも優れます。音楽アプリには多様な機能も揃っているので、ユーザーの使いやすさも追求されています。

さらに、音質へこだわる音楽アプリも少なくありません。従来の音質に加えて最高級の音質のハイレゾ音源、空間オーディオでリアルなサウンドを堪能できるドルビーアトモスなど音質も進化しています。音楽アプリには音楽を聴くために必要な特徴や機能が網羅されているのです。

人気音楽アプリの例

近年、さまざまな音楽アプリが配信されていますが、ここでは人気のある音楽アプリを3つご紹介します。

AWA

2017年にベストアプリ賞を受賞した「AWA」は、サイバーエージェントとエイベックス・デジタルの共同出資によって設立されたAWA株式会社が提供する音楽配信サービスです。配信楽曲数は9500万曲以上あり、無料プランの「AWA FREE」と、有料プランの「AWA STANDARD」、1アーティストの楽曲が聴き放題になるプラン「ARTISTプラン」の3種類があります。どのプランでも広告なしでハイライト再生ができ、歌詞表示やプレイリストの作成・公開も可能です。

Spotify

次は、スウェーデンに本社をもつ、SpotifyABが提供している音楽ストリーミングサービス「Spotify」です。5,000万以上の楽曲を配信しており、無料プランの「Spotify Free」と有料プランの「Spotify プレミアム」があります。Spotify プレミアムには、学生限定の「Premium Student」や2人向けの「Premium Duo」、最大6つのアカウントが作成できる「Premium Family」など複数種類があり、自分に合ったプランを選ぶことができます。無料プランは楽曲の再生ができるのはもちろん、ポッドキャストとオーディオブックの利用も可能です。

YouTube music

3つ目に紹介するのは「YouTube music」です。YouTubeが提供する音楽配信サービスで、YouTubeにある音楽動画やミュージシャンの公式MVを閲覧できます。無料プランである「YouTube Music」では、曲やプレイリストをライブラリに追加したり、カスタマイズしたプレイリストを作成したりすることが可能です。一方、有料プランである「YouTube Music Premium」は、無料プランの機能に加えて広告なしの音楽再生や音声のみモード、バックグラウンド再生ができます。

音楽ストリーミング市場は拡大を続けている

近年、モバイル端末の普及で多くの人々が音楽ストリーミングサービスで音楽を楽しむようになりました。

日本レコード協会が公開した2020年の音楽配信売上実績によると、ダウンロードやストリーミング配信を含むデジタル音楽配信の売上高は前年比11%増の783億円に達しています。特に、ストリーミング配信の売上高が27%増の589億円で、音楽配信の75%を占めています。このことから、確実に音楽ストリーミング市場は拡大していると言えるでしょう。

また、音楽サービスの主流となりつつある定額制音楽配信サービスの利用も広がっています。「定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査」によれば、2021年末には有料・無料サービス合計で2,590万人、2022年末に2,770万人、2023年末には2,930万人に拡大すると予測されています。今後も音楽ストリーミング市場はさらに拡大するでしょう。

音楽アプリに必要な機能とは?

音楽アプリに必要な主な機能を整理してみましょう。

まず、当たり前ですが音楽再生機能が必要です。再生ボタン・進むボタン・戻るボタン・音調調節・曲の再生位置調整などで構成されます。ほかに楽曲の歌詞が表示できる音楽アプリも増えています。

次に、音楽紹介機能が欠かせません。音楽アプリを使うユーザーは新しい音楽との出会いを求めています。新しくリリースされた音楽や人気の楽曲をすぐに見つけられなければなりません。RockやPop、Hip Hopなどジャンル別でも音楽紹介をしている音楽アプリが目立ちます。ほかにも80sや90sなどの時代別、サントラ特集など音楽アプリごとに個性のある音楽紹介機能が実装されています。独自のラジオやポッドキャストを紹介する音楽アプリも少なくありません。

続いて、検索機能も重要です。特定のアルバムやアーティストの楽曲を探したい場合、検索機能を経由する必要があります。アーティスト名や曲名、歌詞などに関連して検索できる機能が必要です。なお、文字の入力の途中で候補が表示させるなどの工夫をすると親切です。

そして、忘れてならないのがプレイリスト機能です。プレイリストとはユーザーの好みの楽曲で構成できる音楽再生リストです。楽曲の追加や削除をスムーズに行える必要があります。スマートフォンやパソコンなどデバイスごとの変更をストレスなく同期させましょう。

その他、設定機能なども必要です。設定ではユーザーアカウントの管理や楽曲再生の詳細などを変更できます。音楽アプリで求められる機能のポイントは快適に音楽を聴けること、音楽をすぐに見つけられること、新しい音楽に出会えることです。重要な基本機能を網羅しながらも、独自の人気機能を考えてみましょう。

音楽アプリの開発を外注するメリット

音楽アプリの開発を外注するとどういったメリットがあるでしょうか。

まず挙げられるのが専門知識を持つプロに仕事を依頼できることです。音楽アプリを開発するにはプログラミングなどの専門的な技術が必要です。しかし、社内にエンジニアやプログラマーがいない場合、1からプログラミングを学習してアプリを作成するのは現実的な選択肢とは言えません。そこで音楽アプリ開発に精通した開発会社に外注できれば、自社の人材不足などの課題を解決できます。最適な外注先を選定できればクオリティの高い音楽アプリを、スピード感を持って開発してもらえるのです。

次に、外注先の専門家のアイデアを音楽アプリに反映できることも大きな強みです。数多くの人気の音楽アプリが誕生しているため、個性が光る新たなサービスを創出するのは簡単ではありません。自社に限らず、さまざまな意見を取り入れる必要も出てきます。そこで音楽アプリの開発を外注すれば、外部の意見を取り入れながら開発が進められます。音楽アプリ開発を委託できるので、より優れた機能を実装できるかもしれません。

さらに、音楽アプリの開発を外注すれば自社の工数を減らして、ほかの業務にも集中できます。音楽アプリの開発は簡単な仕事ではありません。外注先のエンジニアの稼働時間を長期間確保しなければ、優れた音楽アプリは生み出せないのです。自社開発するならば人材の稼働にも大きな影響がありますが、外注を活用すれば音楽アプリ開発の稼働を削減でき、営業やサービスPRなどに稼働を割り当てられます。

音楽アプリ開発にかかる費用の相場

音楽アプリの一般的な相場は、シンプルな機能にとどめた場合は500~800万円程度が目安となります。ただ、実装する機能や仕様、クオリティなどによってかかる費用は変動し、800万円を大きく超えるケースも珍しくありません。

例えば、1からシステムを構築してアプリを制作する場合、開発期間や費用は大きくなります。デザインや操作性などにオリジナリティを出す場合も同様です。

一方、既存のシステムを組み合わせるだけでアプリが作れるパッケージアプリを購入すれば、コストを抑えた開発もできます。ただし、音楽アプリの独自性には欠けてしまう恐れがあるので注意しましょう。この場合、必要な費用は機能や購入するパッケージアプリによって異なるため、確認してから利用することをおすすめします。

アプリ開発の開発費用についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

【相場】モバイルアプリの開発費用はいくら?開発費を抑える方法も紹介

音楽アプリ開発を成功させるポイント

先ほど紹介したような人気のアプリには、ほかのアプリには真似できない特徴がありました。つまり、音楽アプリの開発を成功させるカギは、音質や機能などの独自性にあると考えることができます。

しかし、そういった独自性を生み出し、維持・改善していくには、そもそもの企画段階での作り込みだけでなく、メンテナンスやバグ修正などにも気を配ることが大切です。これらにも費用がかかるので、継続的に利益を得る方法が必要です。

マネタイズ方法の設計が重要

マネタイズとは、事業の収益化のことです。どんなにこだわりの詰まったアプリを開発しても、利益が発生しなければバグなどの修正や維持管理に当てる費用が確保されません。そうした状態が続けばアプリの管理がずさんになり、ユーザーが離れてしまうケースも考えられます。つまり、事業としては失敗してしまうのです。そういった事態を防ぐためにも、事前にマネタイズ方法の計画を立てておくことが重要と言えます。

音楽アプリにおける収益化には「ユーザー課金型モデル」や「広告モデル」といったモデルが存在します。ユーザー課金型モデルは、月額で収益を得る「サブスクリプションモデル」が一般的です。基本無料でアプリを利用でき、機能の拡張やスペックの強化などのために課金する「フリーミアム」というモデルが近年人気のマネタイズ方法となっています。

一方、広告モデルでは、アプリ内で広告を表示して広告収入を得るのが一般的です。アプリ内で表示する広告にも「バナー広告」や「インフィード広告」などさまざまな種類があり、アプリの形式やデザインなどに合わせて設定できます。

まとめ

音楽アプリはさまざまなタイプが登場しています。モバイル端末が普及したことによって多くの人々が音楽アプリを利用するようになりました。それにより音楽ストリーミング市場は拡大し、今後も続いていくと予想されます。実際に音楽アプリを開発する場合、実装すべき機能は曲を再生するだけでなく、ログインやプレイリストの作成、検索や設定の機能などです。また、ユーザーにとって使いやすいデザインや機能を備えていることで独自性のあるアプリを開発できます。

独自性のあるアプリを開発するには、システムを1から構築するので開発にかかるコストは大きくなりがちです。しかし、音楽アプリを成功させるには、いかにユーザーに満足してもらい、継続利用してもらえるかにあります。継続して利用してもらうには利益が必要なので、マネタイズ方法は開発の段階から定めるようにしましょう。

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