アプリ開発の費用相場は「300万円~」現役開発者が見積公開

アプリ開発の費用は、シンプルなアプリであれば300〜500万円、中規模なアプリの場合500〜1,500万円、高度/複雑なアプリだと1,500〜3,000万円、エンタープライズのアプリの場合3,000〜5,000万円以上となります。 実際に当社が参加したコンペでは、5,000万円の見積もりで採用された事例もあります。一方で、シンプルなアプリの開発案件では300万円程の事例もあります。
このように、アプリ開発は機能や規模感で費用感も大幅に変わってくるのです。
この記事では、スタートアップから大手企業まで様々なアプリ開発に10年以上携わっている株式会社ペンタゴンの代表である筆者が、専門家の視点からアプリ開発費用について解説したいと思います。
アプリ開発費用の相場とは?規模別に紹介
アプリ開発にかかる費用について、アプリの規模別に解説していきたいと思います。
規模別の費用イメージ
- シンプルなアプリ:300〜500万円
- 中規模アプリ:500〜1,500万円
- 高度/複雑なアプリ:1,500〜3,000万円
- エンタープライズ(大企業向け):3,000〜5,000万円
アプリの規模が大きくなればなるほど制作ボリュームが増えるため、開発費用が高くなる傾向にあります。
当社のエンタープライズ案件におけるコンペの事例
当社が提案させていただいたエンタープライズのIoT系のアプリ開発案件では、お客様が各社の見積もり金額を公開していただきました。以下は、各社の見積もり金額となります。
■アプリ開発会社の見積金額の例
| 開発会社 | A社 | B社 | C社 | D社 | E社 |
| 金額 | 3,900万円 | 5,000万円 | 5,700万円 | 8,800万円 | 10,000万円 |
ちなみに当社はBで5,000万円にてお見積りさせていただきました。 こちらがエンタープライズのアプリ開発のリアルとなります。 高すぎると感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、 当社では数百万円のご予算での開発も支援しておりますので、ご安心ください。 アプリの内容・規模によって適切にお見積りさせていただきます。
≫ 当社では日本国内のナショナルクライアントやエンタープライズのお客様からのご相談が多くなってきております。アプリ開発の専門会社に開発を依頼したいと考える方は、ぜひ一度株式会社ペンタゴンにご相談ください。
独自調査!アプリには300万円以上の投資が必要
当社は、2023年2月インターネット調査を実施し、アプリ開発に携わったことがある354名にアンケート調査(以下、アンケート調査と呼ぶ)を行いました。その結果、アプリ開発にかかった費用はおおよそ半数が300万円以上と回答しました。また、大規模な開発には2,000万円以上かかる場合もあることが明らかになりました。
■アプリ開発にかかった費用の調査結果(N=354)

300万円未満と回答した方も多数いますが、300万円未満の予算では、かなり機能が限られたアプリになることがほとんどです。「アプリを使った新規事業を立ち上げたい」「〇〇みたいなアプリを作りたい」こうした場合、必然的に機能が多くなっていきます。当社の開発事例でも、開発費の最小がおおよそ300万円程度であることから、成功するアプリを開発するには、少なくとも初期開発に300万円以上投資する必要があります。
アプリ開発の費用の内訳は?工程ごとに解説
アプリ開発は一般的に「要件定義」→「UI/UXデザイン」→「開発」→「テスト」→「リリース」→「運用保守」という流れで進みます。

それぞれの工程で異なる作業が発生し、それに応じた費用がかかります。ここでは、各工程でどのような費用が発生するのかを詳しく解説していきます。
工程①要件定義

アプリ開発において、要件定義は最も重要な工程の一つです。この段階では、アプリで解決したい課題を具体化し、ターゲットユーザーを明確に定義します。また、アプリ導入によって期待される効果を可能な限り数値化しておくことで、開発会社との目標共有がスムーズになります。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)のソフトウェア開発データによれば、開発費用全体の約20%程度を要件定義に充てることが妥当だとされています。例えば、1,000万円のアプリ開発プロジェクトであれば、200万円程度を要件定義に投資する計算になります。
要件定義にしっかりと時間と費用をかけることで、以下のようなメリットがあります:
- 開発途中での仕様変更を最小限に抑えられる
- 開発期間の遅延リスクを低減できる
- 最終的な開発コストの増加を防げる
- 完成後のアプリが当初の目的を達成しやすくなる
逆に、要件定義を疎かにすると、開発途中での大幅な仕様変更が発生し、結果的に開発費用が当初見積もりの1.5倍~2倍に膨らむケースも珍しくありません。プロジェクトの成功のためには、この段階に適切な予算と時間を確保することが重要です。
工程②UI/UXデザイン

当社の経験上、デザイン費用は全体制作費の10 - 20%がとなることが多いです。
モバイルアプリを開発する場合には、デザイン費用も必要です。アプリデザインの費用は、発注先や依頼内容により大きく異なります。
デザインの発注先別の一般的な相場ですが、
- フリーランスなど個人への依頼:10~100万円
- 制作会社(中小企業)への依頼:100~500万円
- 制作会社(大企業)への依頼:500~2,000万円
このようになっています。
費用の決定要因としては、人件費と業務内容が挙げられます。人件費はデザイナーのスキルや経験により異なり、例えば経験が浅いプレイヤーで100万円/月程度、アートディレクターで120万円/月程度、マネージャー層となると150万円/月からそれ以上の金額が相場です。
高品質なアプリを制作する場合は、開発費用とは別にデザイン費用として数百万円の予算を見込んでおく必要があります。シンプルなデザインでも最低でも100万円程度、凝ったデザインや操作性を重視する場合は300万円以上かかることも珍しくありません。
工程③開発

開発工程は、アプリ開発費用の中で最も大きな割合を占める部分です。一般的に、開発費用全体の50〜60%程度がこの開発工程に充てられます。
アプリ開発費用のほとんどは、エンジニアの人件費です。一般的なエンジニアの費用相場は以下の通りです。
◆一般的なエンジニアの費用相場
- 初歩レベルで月額60万円~100万円
- 中堅レベルで月額80万円~120万円
- 管理職レベルで月額120万円~160万円
開発費用は「人月単価×開発期間×必要人数」で計算されるため、開発期間が長くなればなるほど、また必要なエンジニアの人数が多くなるほど費用も増加します。一般的なアプリ開発の期間は以下の通りです。
◆一般的なアプリ開発期間
- シンプルなアプリで2~3ヶ月
- 中規模のアプリで3~6ヶ月
- 複雑な機能を持つ大規模アプリでは6ヶ月以上
大規模アプリとなるとこのように半年以上かかることも珍しくありません。
開発工程では、主に以下のような作業が行われます:
- フロントエンド開発(ユーザーが操作する画面部分)
- バックエンド開発(サーバー側の処理やデータベース構築)
- API開発(アプリと外部サービスとの連携機能)
- 各種機能の実装(ログイン機能、決済機能、プッシュ通知など)
例えば、中級エンジニア2名(月額100万円×2名)とシニアエンジニア1名(月額140万円)の体制で4ヶ月開発する場合、開発費用だけで(100万円×2名 + 140万円)×4ヶ月 = 1,360万円となります。これに、プロジェクトマネージャーやデザイナー、テスターの費用が加わるため、総額はさらに高くなります。
開発費用を抑えるためには、必要最小限の機能に絞る(MVP開発)、クロスプラットフォーム開発技術(Flutterなど)を採用する、要件定義を明確にして手戻りを防ぐ、といった工夫が効果的です。
工程④テスト

アプリ開発の工程には、アプリが正しく動くかの確認する作業があります。企業によっては、事前に確認用のスマホを準備している場合もありますが、用意していない企業は確認用のスマホを購入しなければいけません。
アプリ開発を検討の際は、事前に確認用スマホがあるかチェックしておくといいでしょう。
当社の経験上、全体制作費の10〜20%を検証とバグ修正のコストとして見込むことが多いです。
工程⑤リリース

モバイルアプリを公式ストアに登録する際には、App StoreやGoogle Playへのストア登録料として以下の費用が必要です。
- App Store(iOS):年間99ドル(約11,800円〜14,000円)※毎年更新が必要
- Google Play(Android):初回のみ25ドル(約2,500円〜3,700円)※更新費用なし
この費用は、アプリのアップロードやストア審査のために支払うものです。またアプリを審査に提出するためにかかる作業料も費用としてかかってきます。おおよそ審査提出代行費用の目安としては20万〜40万円程度が相場とされています。
工程⑥運用保守

アプリを開発した後は、ユーザーによりアプリを快適に利用してもらう環境を構築するべく、セキュリティチェックやバグの修正、新しい機能の追加などの保守や運用費が必要になります。
外部に依頼する場合には、案件のレベルや人件費によって違いがありますが、およそ開発費用の15%ほどが保守費用の目安と言われています。
また、運用や保守だけではなく、OSのアップデートに対応するためのメンテナンス費も必要です。アップデートを怠ってしまうと、快適な環境でアプリを利用することができずに、ユーザー離れの要因になってしまう可能性があります。
アプリの種類・ジャンルごとの開発費用
アプリ開発の費用は、アプリのジャンルや搭載する機能によって大きく異なります。ここでは、ネイティブアプリをフルスクラッチで開発する場合の費用相場を、ジャンル別にご紹介します。
■ジャンル別開発費用一覧
| ジャンル | 開発費用相場 | 主な機能・特徴 |
| カタログ系アプリ | 50~200万円 | 電子書籍、デジタルカタログなど。カタログ数が少なければ50~100万円程度。認証機能や複雑なシステム設計が必要な場合は200万円以上。 |
| チャットアプリ | 200~500万円 | シンプルなテキストチャット(200万円程度)。スタンプ、リアルタイム更新、ファイル添付などの多機能版で500万円程度。 |
| ニュースアプリ | 300~500万円 | 外部ニュース取得または自社記事入稿機能。基本機能で300万円程度。お気に入り、コメント、広告機能などを含めると500万円程度。 |
| 写真・画像加工アプリ | 250~1,000万円 | 簡易的な加工機能(250万円程度)。コラージュ、モザイク、AI認識、課金機能などの豊富な機能で500~1,000万円。 |
| 教育・学習系アプリ | 300~1,000万円 | 単語帳・クイズアプリ(300万円程度)。Web管理画面連動で500~800万円。動画・音声配信を加えると1,000万円程度。 |
| SNSアプリ | 500~1,000万円 | テキストや画像の投稿、コメント機能、通報機能など。シンプルなSNSで500万円程度、高機能版で1,000万円程度。 |
| 業務系アプリ | 500~2,500万円 | 既存業務のワークフローに合わせたシステム開発。業務内容やシステム化の範囲によって費用が大きく変動。 |
| ECアプリ・ショッピングカート | 800~1,500万円 | ユーザー認証、決済、購入履歴、配送先管理、在庫管理など多機能が必要。シンプルな機能で800万円、多機能版で1,000万円以上。 |
| マッチングアプリ・フリマアプリ | 800~1,500万円 | 2者間マッチング、身分証確認、課金機能で800万円〜。フリマアプリは配送設定や複雑な購入処理が必要で1,200~1,500万円程度。 |
| デリバリーアプリ | 1,500~3,000万円 | 購入者・配達員・店舗・運営者の4つのシステムが必要。開発時間は約3,000時間で、1,500万円以上が相場。豊富な機能で3,000万円程度。 |
| オークションアプリ | 1,500~3,500万円 | 購入者側と販売者側の2者向けアプリ開発が必要。リアルタイム入札機能には高度な技術が必要で、3,500万円程度が相場。 |
| ゲームアプリ | 3,000万円~数億円 | 企画、ストーリー設計、キャラクターデザイン、課金機能など。有名タイトルは数億円規模。多数の同時接続に耐えるサーバー構築も必要。 |
アプリを使うユーザーの種類が多くなると、開発費用が高くなる傾向にあります。例えば、カタログ系のアプリは閲覧者だけで済みますがデリバリーアプリの場合、購入者、配達員、店舗、運営者の4つのシステムが必要になるため、開発費用が高くなる傾向にあります。
また、IoTやブロックチェーン、AR、VRといった高度な技術を使うアプリの場合、専門的な技術が必要なため、開発費用が高くなります。
アプリの機能ごとの開発費用
アプリ開発において、搭載する機能によって開発費用は大きく変動します。ここでは、代表的な機能の開発費例を表形式でご紹介します。
■主要機能の開発費用の目安
| 機能名 | 開発費用相場 | 主な内容 |
| ログイン機能 | 25~50万円 | メールアドレス・パスワード認証、SNSアカウント連携、パスワードリセット機能。iOS向けの場合は「Sign in with Apple」の実装が必須。 |
| プッシュ通知機能 | 10~100万円 | シンプルな一斉通知(10 - 30万円)から、条件分岐型の高度な通知(50 - 100万円)まで。配信条件が複雑になるほど費用が増加。 |
| 決済機能 | 80〜120万円 | クレジットカード、キャリア決済、電子マネー、QRコード決済、アプリ内課金など。決済プラットフォーム(Stripe、PAY.JP等)の活用で開発コストを抑制可能。 |
| チャット・メッセージ機能 | 20~40万円 | 基本的なテキスト送受信(20 - 30万円)。スタンプ、ファイル添付、リアルタイム更新などの拡張機能をする場合は別途費用がかかります。 |
| 位置情報・地図機能 | 30~80万円 | 基本的な地図表示・現在地取得(30 - 50万円)。ルート検索、ジオフェンシングなど高度な機能で(50 - 80万円)。 |
| カメラ・画像処理機能 | 30~100万円 | 基本的な撮影・フィルター(30 - 50万円)。AI顔認識、AR機能、高度なエフェクトで50 -100万円以上。 |
| 動画配信・ストリーミング機能 | 100~300万円 | 録画済み動画の配信(100 - 150万円)。ライブ配信機能で200 - 300万円。サーバー負荷が高く、クラウドサービスの活用が必須。 |
※実際の見積もり時には、アプリそれぞれの要件により費用が異なります。あくまでも1つの目安としてお考えください。
アプリ開発の費用見積もりをお考えの際は、どの機能が本当に必要なのかを慎重に検討し、開発会社と相談しながら最適な機能セットを決定することが重要です。
予算別!アプリ開発における費用例を紹介
アプリ開発の費用は要件によって様々ですが、費用別に5つの事例をご紹介します。
事例① 鉄道会社が運営するスタンプラリーアプリ

【概要】
スタンプを貯めると懸賞に応募できるアプリ
地方活性化のためのアプリ開発
【開発費】
約300万円
事例② AIを搭載した英会話練習アプリ

【概要】
Webサイト経由での月額課金
英会話問題の出題
英語の読み上げ(text-to-speach)
AIによる音響レベルでの発話評価
【開発費】
約500万円
事例③ フードロス対策アプリ

【概要】
事業者が余ってしまった食品を出品できる
消費者は安く食品を手に入れることができる
クレジットカードでの月額課金機能
【開発費】
800万円
事例④ 留学アプリ

【概要】
留学生と繋がれるSNS機能を搭載
留学の申し込みができる
保険への加入もできる
【開発費】
1200万円
事例⑤ ホテル宿泊予約アプリ
【概要】
有名なホテル宿泊予約アプリの開発
iOSアプリはObjective-C、AndroidアプリはKotlinで別々の言語で開発されていたが、Flutterを採用することによって、1つのプログラムに統合。運用コストを半減した。
【開発費】
開発費用:3500万円
このように、弊社では様々な開発アプリの事例がございます。
「見積もりが欲しい!」
「今の開発先以外にも話を聞きたい!」
という方は、お気軽に弊社株式会社ペンタゴンにお問い合わせください。毎月全国から多くのアプリ開発のご相談をいただいており、お客様の案件を自分の案件だと思い、親身になってお話を聞かせていただきます。
アプリ開発費の見積もりの妥当性を確認するには?
アプリ開発会社から提出された見積もりの妥当性をチェックする方法について、この章では解説していきます。まずは具体的にどのような見積もり表が提出されてくるのかということを紹介します。
アプリ開発の実際の見積もり表にはどんなことが書かれている?
アプリ開発会社から提出される見積書は、プロジェクトの全体像を把握するための重要な資料です。見積書を正しく理解することで、適正な費用かどうかを判断できるようになります。
各社様々な見積書のフォーマットがありますが、基本的にはアプリ開発の工程ごとにどれだけの稼働が必要かという人日と単価をベースに、各工程の費用が算出されます。
以下の画像は見積書のサンプルになります。

実際の見積書には、以下のような項目が記載されています。
① 工程別の内訳
見積書では、開発プロジェクトが複数の工程に分解されています。例えば、上記のサンプル見積書では以下のような工程に分かれています。
- 要件定義・基本設計:要件ヒアリング、機能一覧、API仕様書作成など
- デザイン・UI/UXデザイン:ワイヤーフレーム、画面デザインカンプなど
- 開発(FE):画面実装、ナビゲーション実装、DB設計など
- システム連携・API開発:API設計・実装、DB設計、課金・管理画面など
- テスト・検証:単体・結合テスト、実機主要機能検証など
- ストア申請・審査:申請書類作成、ビルド作業、審査対応など
- プロジェクト管理・進行:進行管理、定例MTG、タスク管理など
② 工数(人日)の記載
各工程にどれだけの作業時間が必要かを「人日」で示します。サンプルでは合計95人日となっており、これは1人の制作者が95日間作業する量、または複数人で分担して作業する場合の総量を意味します。
例えば
- 開発(FE):25人日 → 約1ヶ月の作業量
- システム連携・API開発:20人日 → 約1ヶ月の作業量
- デザイン:12人日 → 約半月の作業量
③ 単価(円/人日)
1人日あたりの単価が記載されます。サンプル見積書では、多くの工程で「単価60,000円/人日」が設定されています。これは、1人が1日作業すると6万円かかるという意味です。要件定義など高度なスキルが必要な工程では80,000円/人日など、高めの単価が設定されることもあります。
月額換算すると、60,000円/人日 × 20営業日 = 120万円/人月となります。これは中堅〜上級エンジニアの相場に該当します。
④ 金額(工数×単価)
各工程の「工数 × 単価」で算出された金額が記載されます。
サンプル見積書の例
- 開発(FE):25人日 × 60,000円 = 1,500,000円
- システム連携:20人日 × 60,000円 = 1,200,000円
- デザイン:12人日 × 50,000円 = 600,000円
- 合計:5,780,000円(約578万円)
⑤ 主な作業内容
各工程でどのような作業を行うのかが具体的に記載されています。これにより、何に対して費用が発生しているのかが明確になります。
例えば
- 開発(FE):「画面実装、ナビゲーション実装、ログイン実装」など
- デザイン:「ワイヤーフレーム、画面デザインカンプ」など
⑥ 備考欄
重要な注意事項や前提条件が記載されます。サンプル見積書の備考欄には、以下のような内容が含まれています。
- 「打ち合わせは基本的にオンラインで実施」
- 「スマホは最大3台まで貸出」
- 「iOS/Androidの対応」
- 「クラウドサーバー使用」
- 「外部サービス連携」
この備考欄は非常に重要で、見積もりに含まれる範囲と含まれない範囲を明確にするものです。後からトラブルにならないよう、しっかり確認する必要があります。
正しい見積書をもらうためには、開発するアプリについて十分な情報を開発会社に提供する必要があります。では、具体的にどのように準備を進めたら正確な見積をもらうことができるのか解説していきます。
正確な見積もりを得るために準備すべき5つのこと
見積もりの精度を高め、後々の予算超過を防ぐためには、事前の準備が重要です。先に結論をお伝えすると、次の5点を見積もり依頼前に準備しておきましょう。
◆正確な見積もりを得るために準備すべき5つのこと
| No. | 項目 |
| 1. 開発目的の明確化 | アプリで解決したい課題の具体化 ターゲットユーザーの定義 期待する効果の数値化 |
| 2. 機能要件の整理 | 必須機能と追加機能の優先順位付け 各機能の具体的な仕様 参考にしたい既存アプリの機能リスト |
| 3.非機能要件の定義 | 非機能要件の定義 対応端末・OSバージョンの範囲 想定ユーザー数 セキュリティ要件 パフォーマンス要件 |
| 4.開発スケジュールの設定 | 開発スケジュールの設定 リリース希望時期 マイルストーンの設定 社内承認プロセスの確認 |
| 5.予算枠の設定 | 予算枠の設定 初期開発費用の上限 運用保守費用の見込み 追加開発の予備費 |
1. 開発目的の明確化
まず、アプリで解決したい課題を具体化し、ターゲットユーザーを明確に定義する必要があります。また、アプリ導入によって期待される効果を可能な限り数値化しておくことで、開発会社との目標共有がスムーズになります。
2. 機能要件の整理
機能面では、必須機能と追加機能を明確に区分け、それぞれの優先順位を決めておくことが大切です。各機能の具体的な仕様や、参考にしたい既存アプリの機能リストを用意しておくと、より正確な見積もりを得ることができます。
3.非機能要件の定義
技術面では、対応端末やOSバージョンの範囲、想定されるユーザー数、必要なセキュリティレベル、求められるパフォーマンスなどの非機能要件を定義しておく必要があります。
4.開発スケジュールの設定
また、リリース希望時期やマイルストーン、社内の承認プロセスなど、開発スケジュールに関する要件も明確にしておくことが重要です。
5.予算枠の設定
予算面では、初期開発費用の上限を設定するだけでなく、運用保守費用の見込みや、追加開発のための予備費についても検討しておく必要があります。
これらの要素を事前に整理し、具体化しておくことで、より正確な見積もりを得ることができ、開発会社との認識齟齬も防ぐことができます。
ちなみに、こうしたアプリ開発における要求をまとめたドキュメントをRFP(提案依頼書)と呼びます。提案依頼書のテンプレートをこちらの記事で配布しているので、ぜひ参考にしてください。
見積書を比較する際の見るべき5つのポイント
複数の開発会社から見積書を取得した場合、以下の5つの観点から詳細に比較検討することが重要です。
- 1. 見積もり金額の内訳
- 2. 開発体制の充実度
- 3. 開発スケジュールの妥当性
- 4. 保守・運用体制の内容
- 5. 見積金額の妥当性
複数の開発会社から見積書を取得した場合、まずは見積もり金額の内訳を詳細に確認することが重要です。工程別の作業工数、役割別の人件費単価、諸経費の内容、そしてテストやドキュメント作成などの補助的な作業が適切に含まれているかを確認します。
開発体制については、プロジェクトマネージャーの配置状況や、開発担当者の経験・スキルレベル、品質管理体制、社内でのバックアップ体制などを評価します。これらの体制が整っているかどうかは、プロジェクトの成功を左右する重要な要素となります。
開発スケジュールに関しては、工程ごとの期間設定やマイルストーンが適切か、十分な余裕を持った進行計画になっているかを確認します。また、リリース後のサポート内容、障害対応の範囲、バージョンアップ対応の方針など、保守・運用体制についても詳細に確認することが重要です。見積もり金額の妥当性は、市場相場との比較や機能要件との整合性を確認し、追加コストが発生するリスクについても評価します。
株式会社ペンタゴンでは、要件定義段階での綿密なヒアリングを行い、実績に基づいた工数見積もりを提示しています。また、リスクを考慮した余裕のある工程設計や、保守運用を見据えた技術選定を行うことで、より正確で信頼性の高い見積もりの提供を心がけています。
開発会社ごとの価格差の理由とは?
同じアプリ開発の依頼でも、開発会社によって見積もり金額に2倍、3倍の差が出ることは珍しくありません。実際に、当社が参加したコンペでも、最安値と最高値で2倍以上の開きがあるケースを何度も経験しています。この価格差には、明確な理由があります。
理由① エンジニアのスキルレベルと経験による人件費の違い
開発会社によって、配置するエンジニアのレベルが大きく異なります。経験豊富なシニアエンジニアは月額120万円〜160万円、中堅エンジニアは月額80万円〜120万円、初級エンジニアは月額60万円〜100万円と、スキルレベルによって人件費に大きな差があります。
高単価のエンジニアは、複雑な機能の実装や効率的な設計ができるため、結果的に開発期間を短縮できたり、バグの少ない高品質なアプリを作れたりします。一方、安価な見積もりの場合、経験の浅いエンジニアが配置されることで、開発に時間がかかったり、リリース後にトラブルが発生したりするリスクがあります。
理由② プロジェクト管理体制の充実度
しっかりとした開発会社では、専任のプロジェクトマネージャー(PM)を配置し、進捗管理、品質管理、リスク管理を徹底します。PMの人件費は月額120万円〜250万円と高額ですが、プロジェクトを円滑に進めるためには不可欠な存在です。
安価な見積もりの場合、PM不在でエンジニアが兼任したり、管理体制が不十分だったりすることがあります。その結果、開発の遅延、仕様の認識齟齬、品質の低下といった問題が発生しやすくなります。
理由③ 品質管理とテスト工程への投資
高品質なアプリを開発する会社は、テスト工程に十分な時間とコストをかけます。一般的に、開発費用全体の20%程度をテストと品質管理に充てることが推奨されています。これには、単体テスト、結合テスト、システムテスト、ユーザビリティテストなどが含まれます。
一方、安価な見積もりでは、テスト工程が簡略化されていたり、十分な検証端末が用意されていなかったりすることがあります。その結果、リリース後にバグが多発し、修正対応に追加費用がかかるケースも少なくありません。
理由④ 採用技術とアーキテクチャ設計の違い
経験豊富な開発会社は、プロジェクトに最適な技術やフレームワークを選定し、将来の拡張性やメンテナンス性を考慮した設計を行います。例えば、クロスプラットフォーム開発技術(Flutterなど)を活用することで、長期的にはコスト削減につながる場合もあります。
また、セキュリティ対策、パフォーマンス最適化、スケーラビリティ(利用者増加への対応)なども考慮した設計を行うため、初期コストは高くなりますが、運用段階でのトラブルや追加開発のリスクを大幅に減らすことができます。
理由⑤ 保守運用を見据えた開発の有無
リリース後の保守運用まで見据えた開発を行う会社は、ドキュメントの整備、コードの可読性向上、運用しやすい管理画面の構築などに力を入れます。これらは初期開発費用を押し上げる要因になりますが、長期的には運用コストの削減につながります。
安価な見積もりの場合、「とりあえず動くものを作る」という方針で、ドキュメントが不十分だったり、後から機能追加がしにくい構造になっていたりすることがあります。
価格差の具体例
例えば、同じ500万円の予算でも、以下のような違いが生まれます。
【A社:400万円の見積もり】
- 初級〜中級エンジニア中心の体制
- PM不在または兼任
- 簡易的なテストのみ
- ドキュメント最小限
【B社:800万円の見積もり】
- 中級〜シニアエンジニア中心の体制
- 専任PM配置
- 充実したテスト工程(複数端末での検証含む)
- 詳細なドキュメント整備
- 拡張性を考慮した設計
初期費用だけを見るとA社が魅力的に見えますが、リリース後のバグ修正や追加開発の費用を含めると、最終的にはB社の方がトータルコストが安くなるケースも多くあります。
見積もりを比較する際の注意点
見積もりを比較する際は、単純に金額だけで判断せず、以下の点を確認することが重要です。
- どのレベルのエンジニアが何名配置されるか
- プロジェクト管理体制はどうなっているか
- テスト工程に何時間割かれているか
- ドキュメント類は何が納品されるか
- リリース後のサポート体制はどうなっているか
- 追加費用が発生する可能性がある項目は何か
株式会社ペンタゴンでは、お客様の予算と品質要件のバランスを考慮し、最適な開発体制をご提案しています。「なぜこの費用が必要なのか」を明確にご説明し、透明性の高い見積もりを心がけています。
アプリ運営には初期開発以外にもランニング費用がかかる
モバイルアプリを開発する場合、発生する費用は初期の開発費用だけではありません。リリース後は、以下のようなランニング費用の発生を見込まなくてはなりません。
サーバーの費用

一般的にアプリ開発で使用するサーバは3種類あります。まず、アプリの開発者がテストとして利用する「開発サーバー」、運用担当者が運用するにあたり支障がないかを確認する「検証用サーバー(ステージングサーバー)」、実際に運用する本番環境の「本番サーバー」です。
そのため、直接の開発費用以外に上記で挙げた3つのサーバーのレンタル費用が必要です。費用相場は開発するモバイルアプリの種類などによりますが1,000円~数万円がかかります。
サーバー構成にもよりますが、ユーザー数がそこまで多くない場合は、数千円〜月額4万円程度に収めることができます。
保守・運用・メンテナンス費
アプリを開発した後は、ユーザーによりアプリを快適に利用してもらう環境を構築するべく、セキュリティチェックやバグの修正、新しい機能の追加などの保守や運用費が必要になります。
外部に依頼する場合には、案件のレベルや人件費によって違いがありますが、およそ開発費用の15%ほどが保守費用の目安と言われています。
また、運用や保守だけではなく、OSのアップデートに対応するためのメンテナンス費も必要です。アップデートを怠ってしまうと、快適な環境でアプリを利用することができずに、ユーザー離れの要因になってしまう可能性があります。
さらに、アプリに不具合があった場合には、再開発やメンテナンスに膨大なコストがかかる恐れがあるので、事前に不具合があるリスクを考えておく必要があります。
アプリ開発はリリース後の費用にも注意!アプリの運用コストとは?
アプリの保守費用の相場
当社が実施したアンケート調査によると、アプリの毎月の保守費用に関して、約半数以上が10万円以上要していることが判明しました。

ただし、アプリ開発費用に比例して、保守費用も高額になります。アンケート調査でアプリ開発に「2,000万円以上かかった」と答えた14名のうち、12名が保守費用は71万円以上と回答しています。

開発費用が高額な場合は、開発に要する期間は長くなり、保守費用も高くなるため、初期の計画で考慮する必要があるでしょう。
マーケティング費用
アプリをリリースした後、ユーザーに認知してもらい、ダウンロードを促進するためにはマーケティング活動が不可欠です。一般的に、開発費用の30〜50%程度をマーケティング費用として確保することが推奨されています。例えば、1,000万円で開発したアプリなら、300〜500万円程度のマーケティング予算が目安となります。
主なマーケティング施策と費用相場は以下の通りです
- App Store最適化(ASO):月額10〜50万円
- SNS広告(Facebook、Instagram、X等):月額20〜100万円
- Google広告・Apple Search Ads:月額30〜200万円
- インフルエンサーマーケティング:1回10〜100万円
ユーザー獲得単価(CPA)は、アプリのジャンルによって大きく異なり、ゲームアプリで300〜1,000円、ECアプリで500〜2,000円、マッチングアプリで1,000〜3,000円程度が相場です。特にアプリリリース初期の3〜6ヶ月間は、集中的にマーケティング投資を行うことで、ダウンロード数を伸ばし、アプリストアでのランキング上昇を狙うことが重要です。
その他諸費用 ストアへの登録、SSL証明など
アプリ運営には、上記以外にも様々な諸費用が発生します。
ドメイン管理費用は年間数百円から数千円程度、SSL証明書は無料のものから年間10万円程度のものまであります。
また、App StoreやGoogle Playへのストア登録料として以下の費用が必要です。
- App Store(iOS):年間99ドル(約11,800円〜14,000円)※毎年更新が必要
- Google Play(Android):初回のみ25ドル(約2,500円〜3,700円)※更新費用なし
iOS向けアプリを開発する場合は、Apple Developer Programへの登録が必須で、毎年更新料が発生します。一方、Android向けアプリの場合は初回のみの支払いで済むため、ランニングコストが抑えられます。両方のプラットフォームでアプリを公開する場合は、年間約15,000円程度のストア関連費用を見込んでおく必要があります。
これらの諸費用は個別には小さいですが、積み重なると年間で数万円〜数十万円になることもあるため、予算計画に含めておくことが重要です。
開発費用を削減する7つの方法
アプリ開発を外部に依頼する場合には、長期におよぶ作業工数と開発費用がかかります。ただし、外部開発でも費用を抑えることができるポイントがいくつか存在します。
ここでは、開発費用を抑える方法について7つご紹介します。
| 費用削減方法 | おすすめ度 | 内容 |
| ①補助金を活用する | ★★★★★ | 申請手続きが手間ですが、数百〜数千万円のコスト削減に繋がります。品質を維持したまま、コストを削減できる方法です。 |
| ②Flutterを採用する | ★★★★★ | 大手企業でも採用が進むFlutter。Flutterでアプリを開発すると、iOSとAndroidアプリが同時に開発できます。 |
| ③MVP開発をする | ★★★★★ | 最小限の機能を実装して、アプリを公開してみる方法です。アプリを作ったけど使ってもらえない、そんなリスクを最小限におさえます。 |
| ④要件を具体化する | ★★★★☆ | 要望を具体化し、開発会社に明確に伝えるだけでも、見積もりは下がることがあります。 |
| ⑤パッケージ・ノーコードでの開発をする | ★★★☆☆ | ゼロからアプリを作るのではなく、既製品を活用する方法です。コストカットにはなるが機能制限があったり、使いづらいアプリになることがあります。 |
| ⑥ オフショア(海外)で開発をする | ★★☆☆☆ | 人件費の安い国のエンジニアに発注する方法です。東南アジアのエンジニアの人件費は、日本国内のエンジニアの人件費の1/2程度です。これにより費用を削減できますが、コミュニケーションや品質に問題がある場合が多いです。 |
| ⑦ レベニューシェアをする | ★★☆☆☆ | 開発会社と利益を分配する前提で、アプリを立ち上げる方法です。開発がスムーズに進まなかったり、お金の面でトラブルになることも。 |
費用削減① 補助金を活用する
モバイルアプリを開発する企業が活用できる補助金もあります。ここでは、4種類の補助金を紹介します(本記事は2024年8月時点の情報をもとに作成しています)。
補助金①ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が生産性の向上や生産プロセスの改善を目指して設備投資を行う際に支援するための補助金です。
ものづくり補助金は、アプリ開発にも適用可能です。製造業向けの補助金という印象が強いですが、アプリ開発の例も多くあります。ただし、自社でのアプリ開発の人件費は対象外となるため、注意が必要です。
補助金②IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者の業務効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)、セキュリティ対策に向けたITツールの導入費用を支援する制度です。
IT導入補助金の対象にはソフトウェア購入費、クラウド利用料、関連サービスが含まれるため、モバイルアプリ開発にも利用可能です。
補助金③事業再構築補助金
事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの影響で経営が困難になった企業が新たな成長路線に乗るための取り組みを支援する補助金です。さまざまなビジネスモデルが対象であり、アプリ開発も補助の対象となります。
モバイルアプリの導入によって、3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(グローバルV字回復枠は5.0%)以上の増加、または従業員1人当たりの付加価値額の年率平均3.0%(同5.0%)以上の増加が見込まれることが要件です。
※本補助金は2025年3月26日締め切りの第13回公募をもって終了となります。なお、新たに「新事業進出補助金」が創設される予定です。
補助金④小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者や個人事業主が持続的な経営を実現するために行う、経営計画に基づく販路開拓や業務効率化の取り組みについて、経費の一部を補助する制度です。アプリ開発関連の経費も補助対象となる可能性があります。
通常枠、特別枠どちらで申請する場合も補助率は2/3ですが、賃金引き上げ枠や赤字事業者の要件を満たせば、補助率を3/4に引き上げることが可能です。
費用削減② Flutter(フラッター)を採用する
Flutterとは、2018年にGoogleが開発したモバイル向けのフレームワークです。フレームワークとは、システム開発を効率化させる機能群を意味します。今までは、モバイルアプリやwebアプリなどに対応したアプリの開発には、それぞれの開発環境が異なるために2倍の作業工数と費用がかかっていました。
しかし、Flutterを利用することで1つのコードでモバイルアプリやwebアプリもすべてまとめて開発することが可能です。まとめて開発できることにより、作業工数も半分程度に抑えられることもあり、労働生産性も向上します。実際に、100万円程度の費用削減に繋がった事例もあります。
もっとFlutterについて知りたい方は以下の記事をご覧ください。
Flutterでのアプリ開発をご希望の際は、ぜひFlutterコンサルタントである株式会社ペンタゴンまでご相談ください。Flutterに特化したエンジニアが対応させていただきます。
費用削減③ MVP開発をする
アプリをより多くのユーザーに使ってもらうために、さまざまな機能を盛り込みたいと考える方も多いでしょう。しかし、機能が多ければそれだけ開発コストがかかります。また、現時点で人気の機能がアプリのリリース時にも必要とされているかどうかはわかりません。
したがって、最初は最小限の機能で開発を進めてリリースし、ユーザーのニーズやアプリで実現したいことが増えた段階で機能を加えるというのもコストを抑える方法の1つです。
無駄な機能をつけたばかりに開発費用がかさんでしまうことのないように、機能の選定は慎重に行いましょう。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。「MVP開発とは?アプリ開発はスモールスタートが重要」
費用削減④ 要件を具体化する
外注先に詳細な要件を伝えることが重要です。アプリ開発費用が想定していたものよりも高額になってしまう原因として、詳細かつ適切な要件定義ができていないケースが挙げられます。具体的にどのようなアプリを開発して欲しいのか、外注先のエンジニアに明確に伝わるような要件定義書を作成しましょう。
大まかに「開発方法」「機能」「UI」について、具体的には「機能の優先順位」「操作手順」について細かい点まで詰め、「ワイヤーフレームの活用」を行います。社内で要件定義書を作成するにあたって、社員の知識や経験が浅かったり不足していたりする場合は、開発したいアプリと似た既存のアプリを参考として提示するのも有効です。
なお、株式会社ペンタゴンでは、モバイルアプリの開発に際して、企画段階からともに要件を詰められます。自社内にモバイルアプリ開発の専門的知識や経験のある社員がいない場合でも、これまでの実績に基づく提案はもちろん、画面設計やプロトタイプ制作も可能です。YouTube動画でも、要件定義について、解説しているので、ぜひ参考にしてください。【アプリ開発】要件定義とは?要件定義における注意点やポイントを解説!
費用削減⑤ パッケージ・ノーコードでの開発をする
パッケージソフトやノーコードツールを活用した開発は、費用削減に大きく貢献する手法です。パッケージソフトは、既製の機能やテンプレートが整っているため、ゼロからの開発に比べて大幅なコスト削減が可能です。特に一般的な機能が既に揃っている場合、カスタム開発の必要がないため、開発期間の短縮とそれに伴う人件費の抑制が期待できます。
また、ノーコード開発は、プログラミングの専門知識がなくてもアプリやシステムを構築できるため、エンジニアを雇わずに自社内で開発を進めることができます。これにより、開発コストをさらに削減でき、迅速に市場に投入することが可能です。
ただし、パッケージソフトやノーコードツールにはカスタマイズ性の制約があり、複雑な要件には対応が難しい場合もあります。そのため、シンプルな機能で十分なプロジェクトや、短期間で結果を出したいケースに適していると言えます。
費用削減⑥ オフショア(海外)で開発をする
オフショア開発は、海外の企業やエンジニアを活用してソフトウェア開発を行う手法で、コスト削減を目指す企業にとって有力な選択肢の一つです。特に、労働力の安い国での開発は、人件費や運用コストを大幅に抑えることができます。日本国内と比べ、同等の技術力を持つエンジニアをより低価格で雇えるため、プロジェクト全体の費用を削減できるのが大きなメリットです。
ただし、言語や文化の違い、時差の影響でコミュニケーションが難しくなることもあり、円滑なプロジェクト進行には注意が必要です。また、品質管理や納期の遵守が困難な場合もあるため、信頼性の高いパートナー選びが成功のカギとなります。オフショア開発を活用する際は、これらのリスクを事前に認識し、適切な管理体制を構築することが重要です。
費用削減⑦ レベニューシェアをする
レベニューシェアは、自社と制作会社がアプリをリリースした後に得る利益を分配する方法です。利益の分配条件によっては、制作会社がアプリ開発にかかる費用の一部または全額を負担してくれる可能性があります。負担金額や分配金額は、制作会社との交渉次第で変動するので細かなやり取りが重要です。
アプリ開発をしたくても予算が足りない企業にはおすすめの手段です。ただし、レベニューシェアで開発費用を負担してもらうためには、自社の企画力が重要になります。
60秒でアプリ開発費用の「シミュレーション」ができる
ざっくりとしたアプリ開発の費用が知りたい方に向けて、アプリ開発費用をサクッと計算できるシミュレーターを準備しました。以下の画像は、シミュレーターの見積もり結果です。

このように概算の費用を見ることができるので、ぜひ次のページからお試しください。
» アプリ開発費用のかんたんシミュレーションをする
実際のお見積りとは異なりますので、精度の高いお見積りが必要な方は、ぜひお問い合わせページからお問い合わせください。
まとめ
今回の記事では、モバイルアプリ開発費用の相場についてご紹介しました。自社開発の環境が整っていない場合は、外部に依頼するのが一般的ですが、費用がかかります。また、開発以外にも費用がかかるため、モバイルアプリリリース後の運用まで見越した予算を組んでおくようにしましょう。外部開発でも費用を抑える方法はいくつかあるので、自社に適したモバイルアプリ開発を検討してみてはいかがでしょうか。
もし「新規で自社アプリを作りたいけど、アプリ開発の費用どれくらいになるかな?」「アプリ開発の外注を検討していて、一度相談したい」などお悩みでしたら、一度、アプリ開発会社の株式会社ペンタゴンまでご相談ください。
» 公式ホームページ|株式会社ペンタゴン
株式会社ペンタゴンの開発実績については、こちらをご覧ください。
» 株式会社ペンタゴンの開発実績を見る
下記よりお問い合わせできますので、お気軽にご相談ください!


