アプリの開発費用は300万円〜!費用を削減する7つの方法

アプリ開発費用ってどれくらいが相場なのか?」はじめてのアプリ開発で費用感がわからない方も多いと思います。

当社が独自に調査した結果によれば、アプリの開発費用の相場は300万円以上となります。大規模なアプリですと、1000万円2000万円かかることも珍しくありません。アプリ開発の費用のほとんどはエンジニア・デザイナーの人件費です。例えば、一般的なエンジニアの費用相場は、初歩レベルで月額60万円~100万円、中堅レベルで月額80万円~120万円、管理職レベルで月額120万円~160万円とされています。

今回の記事では、アプリ開発会社「株式会社ペンタゴン」の代表を務める筆者が、モバイルアプリ開発にかかる費用相場から費用を抑えるための手段などをご紹介します。費用を抑える方法は次の7つの方法があります。

  • ① 補助金を活用する
  • ② Flutter(フラッター)を採用する
  • ③ MVP開発をする
  • ④ 要件を具体化する
  • ⑤ パッケージ・ノーコードでの開発をする
  • ⑥ オフショア(海外)で開発をする
  • ⑦レベニューシェアをする

ただし、開発を依頼する際は、安ければ良いというものではありません。費用を無理に削減すると品質を犠牲にすることになるからです。費用と品質のバランスを考えることが大切です。

アプリの開発を検討中の方は、ぜひ株式会社ペンタゴンまでご相談ください。

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この記事の内容

アプリ開発にかかった費用は300万円以上

当社は、2023年2月インターネット調査を実施し、アプリ開発に携わったことがある354名にアンケート調査(以下、アンケート調査と呼ぶ)を行いました。その結果、アプリ開発にかかった費用はおおよそ半数が300万円以上と回答しました。また、大規模な開発には2,000万円以上かかる場合もあることが明らかになりました。

アプリ開発にかかった総額

300万円未満と回答した方も多数いますが、300万円未満の予算では、かなり機能が限られたアプリになることがほとんどです。「アプリを使った新規事業を立ち上げたい」「〇〇みたいなアプリを作りたい」こうした場合、必然的に機能が多くなっていきます。当社の開発事例でも、開発費の最小がおおよそ300万円程度であることから、成功するアプリを開発するには、少なくとも初期開発に300万円以上投資する必要があります。

当社では開発費1,000万円以上の制作実績が多数

当社では、1000万円前後でアプリを制作するケースが多くなっております。300万円未満となると、限定的な機能のアプリやシンプルなアプリになります。どんなアプリを制作するのかにもよりますが、法人が高品質なアプリを制作する場合、1000万円程度の予算はあった方が良いと考えております。 ※ものづくり補助金などを利用すると、2/3補助されるので、補助金を活用する方も多いです。

エンタープライズのお客様の場合は、2000万円以上になることは珍しくありません。エンタープライズの場合は、セキュリティ要件、自社システムとのつなぎ込み、数万、数十万人の利用者を想定する必要があるため、開発費が高くなる傾向にあります。

次に、モバイルアプリの開発費用の算出方法やジャンル・機能別の費用相場についてご紹介します。

モバイルアプリの開発費用を決定する要素とは?

モバイルアプリ開発費用の計算式

アプリ開発費用
= プロジェクトマネージャーの人件費 + エンジニアの人件費 + デザイナーの人件費 + テスターの人件費

人件費は人月単価と開発工数によって計算されます。人月単価とは、1人が1ヶ月稼働した場合の単価のことです。下記は、それぞれのポジションの人月単価の目安になります。

◆ポジション別の人月単価目安

ポジション人月単価目安
プロジェクトマネージャー120 〜 250万円
エンジニア上級:120 - 160万円
中級:80 - 120万円
初級:60 - 100万円
デザイナー上級:100万円~
中級:80~100万円
初級:60~80万円
テスター30~45万円

外部の制作会社で開発依頼をする場合、プロジェクトマネージャー・エンジニア・デザイナー・テスターなどの人件費がかかり、技術力が高いほど人件費が高くなります。アプリ開発費用の多くは、エンジニアの稼働が大半をしめます。一般的なエンジニアの費用相場は、初歩レベルで月額60万円~100万円、中堅レベルで月額80万円~120万円、管理職レベルで月額120万円~160万円とされています。

上記の単価をもとにアプリ開発費用は、次のように計算されます。

◆アプリ開発費用の計算例

工数人月単価費用
プロジェクト管理1.5人月160万円240万円
開発6人月100万円600万円
デザイン1.5人月100万円150万円
テスト1人月40万円40万円
合計:1030万円

アプリ開発を一から外部に依頼することをスクラッチ開発と言いますが、スクラッチ開発の場合、機能数が増えれば増えるほど、必要なエンジニアの工数が増えることになります。プロジェクトの規模も大きくなるため、プロジェクト管理コストも大きくなります。したがって、アプリの初期費用に1,500万円~2,000万円が必要になるケースも珍しくありません。

対応OSによる違い

開発費用を考える上では、アプリを「iOS」と「Android」のどちらに対応させるか、あるいは両方に対応させるのかという点は重要です。両方のOSに対応させる場合、どちらか片方のみに対応させる場合と比べて、およそ2倍かそれ以上の費用がかかるケースがあります。これは、OSによって開発環境や言語が異なるためです。

また、同じOSでもバージョンの違いがあれば、開発にあたって別途費用の発生が想定されます。Androidの場合はiOSに比べて、機種の種類が多いため、その分開発試験工数が増加することも考慮しなければなりません。対応OSの違いやOSのバージョン、機種によってコストはかさむ場合があることに注意しておきましょう。OSによるアプリ開発における違いについて、こちらの記事でも詳しくまとめております。

近年ではクロスプラットフォーム開発技術の進歩により、複数のOSに対応させる場合でも費用や工数を抑えることは可能になってきています。特に、弊社、株式会社ペンタゴンでは、Googleが開発したiOSとAndroidアプリを同時に作成できるFlutterというフレームワークを積極的に採用しています。大手企業のアプリのFlutter化を支援させていただいた実績もあります。Flutterでのアプリ開発をご希望の際は、ぜひ株式会社ペンタゴンまでお問い合わせください。

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モバイルアプリのジャンル別・機能別の費用相場まとめ

モバイルアプリのジャンル別相場

モバイルアプリにはさまざまな種類のアプリが存在し、開発費用はアプリの種類によって異なります。ここではネイティブアプリをフルスクラッチで開発する場合のアプリの費用相場について、ジャンル別にご紹介します。

ジャンル開発費の相場・目安
カタログ系アプリ50万円〜200万円
チャットアプリ200万円〜500万円
ニュースアプリ300万円〜500万円
写真アプリ250万円〜1,000万円
教育・学習系アプリ300万円〜1,000万円
SNSアプリ500万円〜1,000万円
業務系アプリ500万円〜2,500万円
ECアプリ800万円〜1,500万円
マッチングアプリ・フリマアプリ800万円〜1,500万円
デリバリーアプリ1,500万円〜3,000万円
オークションアプリ1,500万円〜3,500万円
ゲームアプリ3,000万円~数億円

カタログ系アプリの開発費は50~200万円

電子書籍やモバイルカタログなどが該当します。一般的な費用相場は50〜200万円ほどで開発できます。カタログが少なければ50〜100万円程度、カタログ数が多い場合は200万円程度の開発費がかかります。

種類にもよりますが、複雑なシステム設計の場合やユーザーの認証などが必要となると、200万円以上の開発費用が必要となります。

チャット・メッセージアプリの開発費は、200万円〜500万円

特定のユーザーとのみテキストでチャットができるといったシンプルなアプリを開発する場合であれば、200万円程度が相場となります。LINEのようにスタンプ機能をつける、リアルタイムにする、リアクション機能をつける、ファイル添付を可能にする、など多機能なチャットとなってくると開発費が大きくなりがちです。こうした多機能なアプリを開発するには、500万円程度が相場となってきます。

ニュースアプリの開発費は、300万円〜500万円

ニュースアプリを開発する場合は、ニュースコンテンツのどのように用意するのか考える必要があります。外部からニュースを取得するか、自前で記事を入稿するのかによって開発項目が変わってきます。また、広告機能やPUSH通知も重要な機能となります。

シンプルなニュースアプリであれば、300万円程度が相場となります。お気に入り機能、コメント機能、広告機能、記事の入稿機能等が必要となってくると500万円程度が相場となります。

写真アプリの開発費は、250万円〜1000万円

写真の色合いを変えるなど、簡易的な機能の写真加工アプリを開発する場合、250万円程度が相場となります。写真にスタンプを合成したり、文字を書き込むなど高度な技術が必要となるケースでは、工数が多くなり開発費が大きくなります。

コラージュ、モザイク、切り抜き、AIによる認識、課金機能など豊富な機能を搭載したアプリとなると、500 - 1000万円程度が相場となってきます。

教育・学習系アプリの開発費は、300万円〜1,000万円

単語帳アプリやクイズアプリのようなシンプルなものであれば300万円程度が相場と言えます。教育系の学習アプリの教材を管理するWeb管理画面の開発も必要となります。アプリ単体ではなくWeb管理画面と連動するアプリの場合、500 - 800万円程度が相場となってきます。動画・音声配信を加えると1,000万円程度の開発費がかかってくる場合もあります。

SNSアプリの開発費は、500万円〜1,000万円

SNSアプリは、大きくtwitterのような文章を投稿するアプリやInstagramのような画像を投稿する機能があります。

SNSアプリの場合、誹謗中傷を防止するための機能を実装する必要があり、不適切なユーザーを通報できるようにしなければなりません。また、コメントやチャット機能も必要となります。シンプルなSNSアプリは500万円程度、高機能なSNSアプリを開発する場合は、1000万円程度かかる場合があります。

業務系アプリの開発費は、500万円〜2,500万円

業務系のアプリはどんな業務をシステム化するのかによって費用が大きく変わってきます。どんなアプリを開発するかによって費用は大きく変わってきますが、多くの場合、既存業務のワークフローに合わせて、システム開発をする必要があり、開発費が高額になりがちです。ワークフローをシステム側に合わせるなどして開発費を抑えることがポイントなってくるでしょう。

ECアプリ・ショッピングカート系のアプリ開発費は、800万円〜1,500万円

新規でシンプルな機能のものであれば、800万円程度が相場となります。EC・ショッピング系のアプリの場合、ユーザー認証、決済機能、購入履歴機能、配送先管理機能、在庫管理機能など多くの機能が必要となってきます。こうした多機能のアプリを開発する場合は、1000万円以上の開発費が必要となります。

マッチングアプリ・フリマアプリの開発費は、800万円〜1,500万円

2者間のマッチングを行うアプリの場合は、例えば、男性側と女性側で機能が違ったり、販売者と購入者とで機能が違ったりします。そのため開発及びテストの工数が多くなりがちです。身分証の確認や課金機能が含まれると800万円〜が開発費の相場となります。

フリマアプリの場合は、配送先設定や購入機能などを実装する必要があります。購入のキャンセル、複数人から購入依頼が来た時の処理など、考慮することが多く、1200万円〜1500万円程度が開発費の相場となります。

デリバリーアプリの開発費は、1,500万円〜3,000万円

デリバリーアプリの開発には、およそ3,000時間の開発時間が必要で、一般的な相場では約1,500万円以上かかるとされています。購入者向けアプリ、配達員向けアプリ、店舗側向けシステム、運営者向けシステム、の4つを制作する必要があるため、豊富な機能を含むアプリとなると3000万円程度必要となってくるケースもあります。

オークションアプリの開発費は、1,500万円〜3,500万円

ヤフオクのような高機能なオークションアプリを開発したい場合の開発の相場は、約3,500万円程度が相場となります。オークションアプリでは、購入者側と販売者側の2者に対してアプリを開発する必要があるため、開発及びテストの工数が多くなりがちです。オークションの入札機能にリアルタイム性が必要な場合は、高度な技術が必要となります。

ゲームアプリの開発費は3000万円~数億円

ゲームアプリの開発には、企画やストーリー設計、キャラクターデザイン、課金機能など様々な機能が必要となってきます。有名なゲームアプリの開発費は、数億円にのぼると言われています。どのようなアプリを開発したいかによって費用に大きな開きがでてきます。多くのユーザーが利用するゲームの場合、多数の同時接続に耐えられるサーバーを構築するなど、開発費・運用費・保守費が大きくなりがちです。

モバイルアプリの機能別費用相場

モバイルアプリの開発費は、アプリの種類だけではなくアプリ内に搭載する機能によっても変動します。ここでは、4つの機能をピックアップし、搭載させるための費用についてご紹介します。

ログイン機能の開発費は25~50万円

アプリのなかには、メールアドレスとパスワードを入力してログインするものと、SNSアカウントと連携させてログインする方法の2種類があります。一般的には、前者の場合の費用相場は25万円~50万円、後者の費用相場は10万円~25万円とされています。

価格帯の差が生まれる理由は、それぞれのログインは仕組みが異なっており、必要となる機能が異なっているためです。メールアドレスとパスワードでログインする機能を実装する場合、メールアドレスの変更やパスワードの変更、パスワードを忘れた場合の処理を実装する必要があるため、SNSログインよりも多くの機能が必要となります。

ちなみにiOS向けアプリの場合、SNSログインを実装する際にはAppleのガイドラインによって、「Sign in with Apple」を実装しなければなりません。この機能の導入を含めた場合、メールアドレスとパスワードによるログイン機能と、それほど費用は変わらなくなっています。

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プッシュ機能の開発費は10~100万円

プッシュ機能は、アプリから何らかのお知らせがある際に、通知内容をスマホに表示させる機能です。プッシュ機能は、AppleやGoogleのサーバーと連携するので専門一般的な費用相場は10万円~100万円になります。

誰にどんな条件でプッシュ通知を送るのかによって開発費用が変わってきます。プッシュ通知を送る条件が複雑であったり、決まった時間に自動的にプッシュ通知を送る等の機能を開発する場合、50〜100万円程度が相場となります。

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アプリ内の決済機能の開発費は40万円〜80万円

最近では、電子マネーやQRコード決済サービスなど、さまざまな決済がスマホで可能になりました。以前は決済機能の開発は、スマホやサーバから情報を取得するためのデータ処理機能が必要で、開発費用が高額になっていました。しかし、昨今は多様な決済システムが充実してきたことで開発費用を抑えた開発が可能となり、一般的な費用相場は40万円〜80万円です。

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チャット・メッセージ機能の開発費は20~40万円

スマホ利用者にもっとも利用されている機能で、一般的な費用相場は20万円〜40万円です。なお、チャット・メッセージ機能には利便性を高めるためのオプション機能が付属されていることが多く、オプション機能を充実させたい場合は、費用が加算される仕組みです。

開発手法ごとの違い

モバイルアプリの開発手法は、主に「フルスクラッチ型」「パッケージ型」「クラウド型」に分けられます。開発手法によってかかる費用は異なります。

◆ 開発手法ごとの費用感

費用感メリットデメリット…
クラウド低~中程度(数万円~数百万)メンテナンスが容易で、インフラコストを抑えられる。スケーラビリティも高い。クラウド依存のため、サービス停止や価格改定など外部要因に左右されるリスクがある。
パッケージ中程度(数十万~数百万円)開発スピードが早く、比較的低コストで提供可能。カスタマイズに限界があり、独自性を出しにくい。
フルスクラッチ高額(数百万~数千万円)カスタマイズが自由で、独自の機能やデザインを実現可能。開発期間が長く、メンテナンスコストも高い。

フルスクラッチ型開発では、既存プラットフォームを利用せずゼロからアプリを開発するため、独自性の高いアプリを自由に開発することが可能です。この開発手法は「フルオーダーメイド」という言葉で表すのが適切でしょう。自社需要に合わせて開発でき、開発後の機能拡張や改善にも柔軟に対応できる点や、競合アプリとの差別化を図れる点が魅力です。

一方、ゼロから開発するためその期間は長期化しやすく、開発費用も3種類の開発手法の中では最も高額になりやすいのが難点といえるでしょう。相場の目安としては300万円~2,000万円と、開発規模によってかなり幅があります。

パッケージ型開発では既存のシステムを購入の上、部分的にカスタマイズしてアプリを開発します。初期費用、開発費用ともに安価に抑えることができ、開発期間もフルスクラッチ型ほど長期化することはない点が魅力です。

難点として、既製品のカスタマイズで成り立つアプリとなるため、自由な開発はできず制限が課されてしまいます。独自性の高いフルスクラッチ型に比べて、競合アプリとの差別化は図りづらい点に注意が必要です。

クラウド型開発では、ツールやプラットフォームといった既存システムを利用してアプリを開発します。そのため、開発費用は3種類の中で最も安価です。相場としては、データベースの連携がない場合で200万円~、連携がある場合で400万円~となります。パッケージ型開発と同様に、自由な開発は期待できませんが、サーバーの保守運用がサービスとして提供される場合もあるのが特徴といえるでしょう。

開発予算や開発期間に余裕がある場合や、自由度の高いアプリ開発を行いたい場合はフルスクラッチ型を、余裕がない場合はパッケージ型かクラウド型の選択をおすすめします。

こちらのページでは、フルスクラッチ型のアプリ開発を行った場合の費用シミュレーションが可能です。あくまでも目安となりますが、参考にご活用ください。

【事例有り】アプリ開発費用シミュレーション|フルスクラッチ開発

モバイルアプリの種類ごとの違い

モバイルアプリには「ネイティブアプリ」「Webアプリ」「ハイブリッドアプリ」の3種類が存在しますが、この種類によっても開発費用は変動します。

◆ネイティブアプリ、WEBアプリ、ハイブリッドアプリの費用感

アプリ種類費用感メリットデメリット
ネイティブアプリ高額(数百万~数千万円)高速な動作、デバイス固有の機能(カメラ、GPSなど)をフル活用できる。ユーザー体験が優れている。OSごとに別々に開発が必要で、開発費用とメンテナンスコストが高い。
Webアプリ低~中程度(数十万~数百万)開発が比較的簡単で、一度の開発で複数のプラットフォームに対応可能。更新が容易で、即座に反映される。ネイティブアプリに比べてパフォーマンスが劣り、デバイス固有の機能へのアクセスが制限される。
ハイブリッドアプリ中程度(数百万)一つのコードベースで複数プラットフォームに対応できるため、開発コストが削減可能。パフォーマンスがネイティブアプリほど高くなく、複雑な機能実装に制約があることがある。

ネイティブアプリとは、AppStoreやGooglePlayといったiOSやAndroidの端末向けのアプリストアからダウンロードするアプリを指します。ネイティブアプリ開発に際しては、開発環境も言語も異なるiOSとAndroid双方に対応させる必要があるため、開発費用は高額になる場合がほとんどでしょう。

これに対してWebアプリやハイブリッドアプリはネイティブアプリほど高額な開発費用はかからない傾向にあります。WebアプリはWebブラウザにアクセスの上使用できるアプリで、ハイブリッドアプリはWebサイトの開発環境下で開発されるiOSやAndroid端末向けのアプリです。つまり、双方の特徴を併せ持ったアプリといえます。

2種類のOSに対応させる開発工程が不要なため、Webアプリとハイブリッドアプリは比較的安価で開発できます。

ハイブリッドアプリについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

【実際の事例】当社でのアプリ開発における費用例

アプリ開発の費用は要件によって様々ですが、費用別に5つの事例をご紹介します。

事例① 鉄道会社が運営するスタンプラリーアプリ

【概要】
スタンプを貯めると懸賞に応募できるアプリ
地方活性化のためのアプリ開発

【開発費】
約300万円

事例② AIを搭載した英会話練習アプリ

【概要】
Webサイト経由での月額課金
英会話問題の出題
英語の読み上げ(text-to-speach)
AIによる音響レベルでの発話評価

【開発費】
約500万円

事例③ フードロス対策アプリ

【概要】
事業者が余ってしまった食品を出品できる
消費者は安く食品を手に入れることができる
クレジットカードでの月額課金機能

【開発費】
800万円

事例④ 留学アプリ

【概要】
留学生と繋がれるSNS機能を搭載
留学の申し込みができる
保険への加入もできる

【開発費】
1200万円

事例⑤ ホテル宿泊予約アプリ

【概要】
有名なホテル宿泊予約アプリの開発

iOSアプリはObjective-C、AndroidアプリはKotlinで別々の言語で開発されていたが、Flutterを採用することによって、1つのプログラムに統合。運用コストを半減した。

【開発費】
開発費用:3500万円

モバイルアプリは開発以外にも費用がかかる

モバイルアプリを開発する場合、発生する費用は開発費だけではありません。具体的には、以下のような費用発生を見込まなくてはなりません。

  • サーバの費用
  • デザインの費用
  • 検証環境の整備にかかる費用
  • 保守・運用・メンテナンス費
  • ストアへの登録、SSL証明などの諸費用

ここでは、それぞれの費用について確認しておきましょう。

サーバーの費用

一般的にアプリ開発で使用するサーバは3種類あります。まず、アプリの開発者がテストとして利用する「開発サーバー」、運用担当者が運用するにあたり支障がないかを確認する「検証用サーバー(ステージングサーバー)」、実際に運用する本番環境の「本番サーバー」です。

そのため、直接の開発費用以外に上記で挙げた3つのサーバーのレンタル費用が必要です。費用相場は開発するモバイルアプリの種類などによりますが1,000円~数万円がかかります。

デザインの費用

モバイルアプリを開発する場合には、デザイン費用も必要です。アプリデザインの費用は、発注先や依頼内容により大きく異なります。

デザインの発注先別の一般的な相場ですが、

  • フリーランスなど個人への依頼:10~100万円
  • 制作会社(中小企業)への依頼:100~500万円
  • 制作会社(大企業)への依頼:500~2,000万円

このようになっています。

費用の決定要因としては、人件費と業務内容が挙げられます。人件費はデザイナーのスキルや経験により異なり、例えば経験が浅いプレイヤーで100万円/月程度、アートディレクターで120万円/月程度、マネージャー層となると150万円/月からそれ以上の金額が相場です。

検証環境の整備にかかる費用

アプリ開発の工程には、アプリが正しく動くかの確認する作業があります。企業によっては、事前に確認用のスマホを準備している場合もありますが、用意していない企業は確認用のスマホを購入しなければいけません。

アプリ開発を検討の際は、事前に確認用スマホがあるかチェックしておくといいでしょう。

保守・運用・メンテナンス費

アプリを開発した後は、ユーザーによりアプリを快適に利用してもらう環境を構築するべく、セキュリティチェックやバグの修正、新しい機能の追加などの保守や運用費が必要になります。

外部に依頼する場合には、案件のレベルや人件費によって違いがありますが、およそ開発費用の15%ほどが保守費用の目安と言われています。

また、運用や保守だけではなく、OSのアップデートに対応するためのメンテナンス費も必要です。アップデートを怠ってしまうと、快適な環境でアプリを利用することができずに、ユーザー離れの要因になってしまう可能性があります。

さらに、アプリに不具合があった場合には、再開発やメンテナンスに膨大なコストがかかる恐れがあるので、事前に不具合があるリスクを考えておく必要があります。

アプリ開発はリリース後の費用にも注意!アプリの運用コストとは?

アプリの保守費用の相場

当社が実施したアンケート調査によると、アプリの毎月の保守費用に関して、約半数以上が10万円以上要していることが判明しました。

アプリの運用保守費

ただし、アプリ開発費用に比例して、保守費用も高額になります。アンケート調査でアプリ開発に「2,000万円以上かかった」と答えた14名のうち、12名が保守費用は71万円以上と回答しています。

アプリ開発にかかった総額と運用保守費の関係図

開発費用が高額な場合は、開発に要する期間は長くなり、保守費用も高くなるため、初期の計画で考慮する必要があるでしょう。

アプリ開発はさまざまな項目にお金がかかります。自社にとって必要な項目の依頼を漏らさないためにも、見積もりの段階でポイントをしっかり押さえておきましょう。こちらの資料では見積もりの見方から、開発会社によって金額に差が出る理由など、開発費用に関する基礎知識を詳しく解説します。

【資料を読む】なぜアプリ開発費の見積もりはこんなにも差が出るのか?

ストアへの登録、SSL証明など諸費用

アプリの開発が終わったら、App StoreやGoogle Playなど、ストアへの登録やSSL証明などを実施しなくてはならず、そのための費用も必要です。ここでは、ドメイン管理とSSL証明書、ストアへの登録費用について解説します。

ドメイン管理費用

ドメインの取得費用は、種類によって異なりますが、一般的には数百円から数千円程度です。例えば、.comドメインは0~2,000円程度、.jp ドメインは350~3,000円程度で取得できます。

更新費用は基本的に1年ごとに発生し、.com ドメインの更新費用は約2,000円~、.jp ドメインの更新費用は約4,000円~です。なお、ドメインを別の管理会社に移す場合は移管費用が発生します。移管費用は1,000円~5,000円程度で、ドメインの種類や管理会社によって異なります。

SSL証明書の費用

SSL証明書は、Webサイトやモバイルアプリのセキュリティを向上させ、ユーザーとサーバ間の通信を暗号化するために必要なデジタル証明書です。ユーザーが入力した情報の盗聴や改ざんを抑止できます。

SSL証明書は種類によって費用が異なり、無料のものから年間10万円程度のものなどさまざまです。個人情報など機密性の高いデータを扱うWebサイトやモバイルアプリには、SSL証明書の導入が欠かせません。

ストアへの登録費用

モバイルアプリを公式ストアに登録する際には、ストア登録料として20,000円程度の費用が必要になることがあります。この費用は、アプリのアップロードやストア審査のために支払うものです。モバイルアプリの種類や提供プラットフォームによって異なり、一度だけの支払いと年間更新が必要な場合があります。

登録料を支払うことで、開発者はモバイルアプリを全世界のユーザーに公開し、ストアのマーケティングツールや分析ツールを活用してパフォーマンスを向上させることも可能です。

開発費用を削減する7つの方法

アプリ開発を外部に依頼する場合には、長期におよぶ作業工数と開発費用がかかります。ただし、外部開発でも費用を抑えることができるポイントがいくつか存在します。

ここでは、開発費用を抑える方法について7つご紹介します。

費用削減方法おすすめ度内容
①補助金を活用する★★★★★申請手続きが手間ですが、数百〜数千万円のコスト削減に繋がります。品質を維持したまま、コストを削減できる方法です。
②Flutterを採用する★★★★★大手企業でも採用が進むFlutter。Flutterでアプリを開発すると、iOSとAndroidアプリが同時に開発できます。
③MVP開発をする★★★★★最小限の機能を実装して、アプリを公開してみる方法です。アプリを作ったけど使ってもらえない、そんなリスクを最小限におさえます。
④要件を具体化する★★★★☆要望を具体化し、開発会社に明確に伝えるだけでも、見積もりは下がることがあります。
パッケージ・ノーコードでの開発をする★★★☆☆ゼロからアプリを作るのではなく、既製品を活用する方法です。コストカットにはなるが機能制限があったり、使いづらいアプリになることがあります。
オフショア(海外)で開発をする★★☆☆☆人件費の安い国のエンジニアに発注する方法です。東南アジアのエンジニアの人件費は、日本国内のエンジニアの人件費の1/2程度です。これにより費用を削減できますが、コミュニケーションや品質に問題がある場合が多いです。
レベニューシェアをする★★☆☆☆開発会社と利益を分配する前提で、アプリを立ち上げる方法です。開発がスムーズに進まなかったり、お金の面でトラブルになることも。

費用削減① 補助金を活用する

モバイルアプリを開発する企業が活用できる補助金もあります。ここでは、4種類の補助金を紹介します(本記事は2024年8月時点の情報をもとに作成しています)。

補助金①ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が生産性の向上や生産プロセスの改善を目指して設備投資を行う際に支援するための補助金です。

ものづくり補助金は、アプリ開発にも適用可能です。製造業向けの補助金という印象が強いですが、アプリ開発の例も多くあります。ただし、自社でのアプリ開発の人件費は対象外となるため、注意が必要です。

補助金②IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者の業務効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)、セキュリティ対策に向けたITツールの導入費用を支援する制度です。

IT導入補助金の対象にはソフトウェア購入費、クラウド利用料、関連サービスが含まれるため、モバイルアプリ開発にも利用可能です。

補助金③事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの影響で経営が困難になった企業が新たな成長路線に乗るための取り組みを支援する補助金です。さまざまなビジネスモデルが対象であり、アプリ開発も補助の対象となります。

モバイルアプリの導入によって、3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(グローバルV字回復枠は5.0%)以上の増加、または従業員1人当たりの付加価値額の年率平均3.0%(同5.0%)以上の増加が見込まれることが要件です。

補助金④小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者や個人事業主が持続的な経営を実現するために行う、経営計画に基づく販路開拓や業務効率化の取り組みについて、経費の一部を補助する制度です。アプリ開発関連の経費も補助対象となる可能性があります。

通常枠、特別枠どちらで申請する場合も補助率は2/3ですが、賃金引き上げ枠や赤字事業者の要件を満たせば、補助率を3/4に引き上げることが可能です。

費用削減② Flutter(フラッター)を採用する

Flutterとは、2018年にGoogleが開発したモバイル向けのフレームワークです。フレームワークとは、システム開発を効率化させる機能群を意味します。今までは、モバイルアプリやwebアプリなどに対応したアプリの開発には、それぞれの開発環境が異なるために2倍の作業工数と費用がかかっていました。

しかし、Flutterを利用することで1つのコードでモバイルアプリやwebアプリもすべてまとめて開発することが可能です。まとめて開発できることにより、作業工数も半分程度に抑えられることもあり、労働生産性も向上します。実際に、100万円程度の費用削減に繋がった事例もあります。

もっとFlutterについて知りたい方は以下の記事をご覧ください。

Flutterでのアプリ開発をご希望の際は、ぜひFlutterコンサルタントである株式会社ペンタゴンまでご相談ください。Flutterに特化したエンジニアが対応させていただきます。

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費用削減③ MVP開発をする

アプリをより多くのユーザーに使ってもらうために、さまざまな機能を盛り込みたいと考える方も多いでしょう。しかし、機能が多ければそれだけ開発コストがかかります。また、現時点で人気の機能がアプリのリリース時にも必要とされているかどうかはわかりません。

したがって、最初は最小限の機能で開発を進めてリリースし、ユーザーのニーズやアプリで実現したいことが増えた段階で機能を加えるというのもコストを抑える方法の1つです。

無駄な機能をつけたばかりに開発費用がかさんでしまうことのないように、機能の選定は慎重に行いましょう。

費用削減④ 要件を具体化する

外注先に詳細な要件を伝えることが重要です。アプリ開発費用が想定していたものよりも高額になってしまう原因として、詳細かつ適切な要件定義ができていないケースが挙げられます。具体的にどのようなアプリを開発して欲しいのか、外注先のエンジニアに明確に伝わるような要件定義書を作成しましょう。

大まかに「開発方法」「機能」「UI」について、具体的には「機能の優先順位」「操作手順」について細かい点まで詰め、「ワイヤーフレームの活用」を行います。社内で要件定義書を作成するにあたって、社員の知識や経験が浅かったり不足していたりする場合は、開発したいアプリと似た既存のアプリを参考として提示するのも有効です。

なお、株式会社ペンタゴンでは、モバイルアプリの開発に際して、企画段階からともに要件を詰められます。自社内にモバイルアプリ開発の専門的知識や経験のある社員がいない場合でも、これまでの実績に基づく提案はもちろん、画面設計やプロトタイプ制作も可能です。

費用削減⑤ パッケージ・ノーコードでの開発をする

パッケージソフトやノーコードツールを活用した開発は、費用削減に大きく貢献する手法です。パッケージソフトは、既製の機能やテンプレートが整っているため、ゼロからの開発に比べて大幅なコスト削減が可能です。特に一般的な機能が既に揃っている場合、カスタム開発の必要がないため、開発期間の短縮とそれに伴う人件費の抑制が期待できます。

また、ノーコード開発は、プログラミングの専門知識がなくてもアプリやシステムを構築できるため、エンジニアを雇わずに自社内で開発を進めることができます。これにより、開発コストをさらに削減でき、迅速に市場に投入することが可能です。

ただし、パッケージソフトやノーコードツールにはカスタマイズ性の制約があり、複雑な要件には対応が難しい場合もあります。そのため、シンプルな機能で十分なプロジェクトや、短期間で結果を出したいケースに適していると言えます。

費用削減⑥ オフショア(海外)で開発をする

オフショア開発は、海外の企業やエンジニアを活用してソフトウェア開発を行う手法で、コスト削減を目指す企業にとって有力な選択肢の一つです。特に、労働力の安い国での開発は、人件費や運用コストを大幅に抑えることができます。日本国内と比べ、同等の技術力を持つエンジニアをより低価格で雇えるため、プロジェクト全体の費用を削減できるのが大きなメリットです。

ただし、言語や文化の違い、時差の影響でコミュニケーションが難しくなることもあり、円滑なプロジェクト進行には注意が必要です。また、品質管理や納期の遵守が困難な場合もあるため、信頼性の高いパートナー選びが成功のカギとなります。オフショア開発を活用する際は、これらのリスクを事前に認識し、適切な管理体制を構築することが重要です。

費用削減⑦ レベニューシェアをする

レベニューシェアは、自社と制作会社がアプリをリリースした後に得る利益を分配する方法です。利益の分配条件によっては、制作会社がアプリ開発にかかる費用の一部または全額を負担してくれる可能性があります。負担金額や分配金額は、制作会社との交渉次第で変動するので細かなやり取りが重要です。

アプリ開発をしたくても予算が足りない企業にはおすすめの手段です。ただし、レベニューシェアで開発費用を負担してもらうためには、自社の企画力が重要になります。

まとめ

今回の記事では、モバイルアプリ開発費用の相場についてご紹介しました。自社開発の環境が整っていない場合は、外部に依頼するのが一般的ですが、費用がかかります。また、開発以外にも費用がかかるため、モバイルアプリリリース後の運用まで見越した予算を組んでおくようにしましょう。外部開発でも費用を抑える方法はいくつかあるので、自社に適したモバイルアプリ開発を検討してみてはいかがでしょうか。

もし「新規で自社アプリを作りたいけど、アプリ開発の費用どれくらいになるかな?」「アプリ開発の外注を検討していて、一度相談したい」などお悩みでしたら、一度、アプリ開発会社の株式会社ペンタゴンまでご相談ください。
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