スタンプラリーアプリの開発にかかる費用・期間は?
スタンプラリーはイベント・キャンペーンとの相性が良く、集客・回遊の促進や滞在時間増加といったさまざまなメリットが期待できる優れたコンテンツです。近年では従来のようにカードとスタンプを用意するのではなく、スマホアプリで代替するデジタルスタンプラリーも積極的に開催されています。
当記事では、スタンプラリーアプリの概要・特徴・活用方法から、アプリに搭載されている機能、開発にかかるコスト・期間・発注のポイントまでを幅広く解説します。デジタルスタンプラリーの開催を検討している方は、ぜひご参考下さい。
スタンプラリーアプリとは
スタンプラリーアプリとは、スタンプラリーをスマホやタブレットで実現するためのアプリです。
アプリにさまざまな機能を搭載することにより、従来のカードとスタンプで実施するスタンプラリーよりも、柔軟で自由度の高い施策を実施できます。
近年では、デジタルならではのメリットを活かしたオリジナリティあふれるスタンプラリーイベントが、全国各地で多数開催されています。
スタンプラリーアプリの主な特徴
スタンプラリーアプリは、利用者にとっても運営者側にとっても大きなメリットがあります。ここでは、デジタルスタンプラリーならではの主な特徴について解説します。
【利用者側】
- スタンプカードを持ち歩く必要がなく、紛失するリスクもない
- スタンプで手を汚すことがない
- アプリの機能で順路や状況を確認できる
【運営者側】
- カードの配布やスタンプの設置の必要がない
- 利用者の動向をリアルタイムで把握できる
- 利用者の情報をマーケティングに活用できる
- アプリの演出や機能でイベントを盛り上げることができる
- 特典や賞品をアプリで提供することが可能
- アンケートの実施・集計をアプリで完結できる
このようにスタンプラリーアプリを活用することで、イベントをスムーズに進行できるだけでなく、より楽しく充実したものとすることができます。
スタンプラリーアプリの事例
スタンプラリーアプリの開発を検討している方は、実際の活用事例・成功事例を参考にすると理解が深まるためおすすめです。以下に、おすすめの事例を3選ご紹介しますので、ぜひご参考下さい。
人気アニメ×鉄道運営会社のコラボ企画
人気アニメに実際に登場する電車沿線のシーンを巡るスタンプラリー企画です。一定期間でスタンプラリーのスポットが切り替わり、スタンプをコンプリートするとアニメの人気キャラクターとの写真撮影ができるARのプレゼントを実施しました。
記念乗車券やグッズ販売も盛況で多くの人々を集めることに成功しました。
公共交通機関を活用した自治体主催のスタンプラリー
西日本の自治体が、自治体内の企業の協賛で数多くの賞品を集め、電車・バス・船といった公共交通機関でスポットを巡るスタンプラリーを企画。
他県からも家族連れを中心に多くの人々が集まり、自治体のPR・地域活性化に大きく貢献しました。
アイドルグループ×エンタメパークのコラボ企画
アイドルグループのファンクラブ会員限定で企画されたスタンプラリーイベント。
エンタメパーク内にQRコードが記載されたアイドルの等身大パネルの設置を行い、スタンプを集めていく方式で開催されました。
パネルでの写真撮影は会員以外にも開放することでイベントは大盛況。新規会員獲得とアイドルグループのプロモーションを両立させることに成功しました。
スタンプラリーアプリの提供方法
スタンプラリーアプリを実際に活用してみたい方は、ユーザーにどのような方法でアプリを提供すればよいのか分からない方もいるでしょう。スタンプラリーアプリの提供方法には、大きく分けて次の3つの方法があります。
パッケージアプリやプラットフォームを活用
近年ではスタンプラリーに必要な機能が一通り揃ったパッケージアプリや、プラットフォーム上で機能を選択してスタンプラリーを作成できるサービスもリリースされています。
提供されているサービスの範囲内となりますが、低コストで手軽にスタンプラリーアプリを活用することができます。
スタンプラリーアプリを新規開発する
オリジナリティやこだわりを重視する場合は、アプリ開発会社に依頼してスタンプラリーを新規に開発する方法がおすすめです。
コスト・工数が必要となりますが、機能的に実現できる範囲内であれば要望通りのスタンプラリーアプリを開発することができます。
既存のアプリにスタンプラリー機能を追加する
既存のショップアプリ・販促アプリ等がある場合は、カスタマイズによりスタンプラリー機能を追加する方法もあります。既存の顧客データを流用できるのがメリットです。
スタンプラリーアプリに搭載されている主な機能
ここでは、スタンプラリーアプリに搭載されている主な機能についてご紹介します。開発を検討している方は、どのような機能を搭載すれば良いのかを確認しておきましょう。
スタンプラリーの進行に関する機能
スタンプラリーアプリには、イベントの進行・管理をスムーズに行うためのさまざまな機能が搭載されています。代表的な機能は次の通りです。
- GPS認証機能
GPSにより位置情報の確認を行い、スタンプを付与するための機能。 - QRコード機能
チェックポイントに設置したQRコードを読み取りスタンプ取得するための機能。 - ユーザー認証機能
参加者の確認や不正防止のために本人確認を行う機能。 - データ管理機能
参加者のデータを管理・分析するための機能。 - MAP表示機能
地図を表示してスタンプラリーのチェックポイントやルートを案内するための機能。 - 通知機能
イベント開催中に参加者へ通知・告知を行ったりコミュニケーションを行ったりする機能。 - 特典管理機能
スタンプラリー参加者へ特典を付与したり管理したりする機能。
スタンプラリーの作成・管理に関する機能
単に自社でスタンプラリーを開催するためのアプリであれば、管理に関する機能は不要ですが、最近では「BtoBtoCサービス」として、スタンプラリーシステムをアプリで提供するケースもみられます。この場合、ユーザー企業がスタンプラリー内容を設定し、利用者に提供する形となるため、アプリに「管理機能」が必要となります。
- スタンプラリー作成機能
ユーザー自身が必要な機能を選択して、オリジナルのスタンプラリーを作成するための機能。 - デザイン機能
スタンプラリーのデザインを作成・設定する機能。 - 管理画面・管理機能
ユーザーが作成したスタンプラリーを管理したり、イベントの実施状況を把握するための機能。 - FAQ・サポート機能
プラットフォーム利用ユーザーの疑問や課題の解決を支援するための機能。
スタンプラリーアプリの開発に必要な費用とは?
スタンプラリーアプリの開発には、当然ながら費用が発生します。開発費用の相場は搭載する機能やアプリの内容にもよりますが、おおよそ次の通りです。
- 新規アプリ作成
パッケージアプリをカスタマイズした場合:100~300万円
自社のスタンプラリー実施用にアプリをフルスクラッチ開発した場合:200~500万円
BtoBtoCサービスとしてスタンプラリーアプリをフルスクラッチ開発した場合:500~1,000万円 - 既存アプリ(店舗アプリ等)にスタンプラリー機能を追加
100~300万円
アプリ自体の開発に加え、追加するコンテンツの制作費用も必要となる点には注意が必要です。
コストを抑えたい場合はパッケージアプリのカスタマイズがおすすめですが、オリジナル性を追求したり本格的なアプリを開発したい場合は、予算を投下してフルスクラッチ開発を行う必要があります。
モバイルアプリの開発費用や費用を抑えるポイントについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、併せてご参考下さい。
【相場】モバイルアプリの開発費用はいくら?開発費を抑える方法も紹介
アプリの開発費用はどのように決まる?
スタンプラリーアプリの開発費用の相場についてご紹介しましたが、アプリの機能・内容によって費用は前後するため、発注の際にはアプリの開発費用がどのように決まるのかも知っておく必要があります。
一般的にアプリ開発は、「開発に携わる人材の月単価×工数」で算出されます。つまり、より多くの人材が必要となるほど、開発期間が長くかかるほど、アプリ開発の費用は高騰します。
月単価は以下のように発注先企業や人材のスキルレベルによって異なるため、高度なスキルを持つ人材に発注したい場合は単価が跳ね上がる点にも留意しておく必要があります。
■システムエンジニアの月単価相場
- 初級エンジニア:50万円~/月
- 中級エンジニア:80万円~/月
- 上級エンジニア:100万円~/月
■プログラマーの月単価相場
- 大手企業プログラマー:50万円~/月
- 中小企業プログラマー:40万円~/月
具体例として、スタンプラリー開発を中規模ベンチャーに依頼する場合を想定した開発費用を以下にご紹介します。
■スタンプラリーアプリ開発費用の例
開発期間:1.5ヶ月
中級システムエンジニア:80万円×1人
プログラマー:40万円×3人
月額人件費合計200万円×1.5ヶ月=300万円
開発にかかる期間はどのくらい?
スタンプラリーイベントを予定している方は、アプリの開発にかかる期間についても知っておきたいでしょう。ここでは、開発するアプリのタイプ別に、開発期間の目安をご紹介します。
パッケージアプリを利用:~2週間
必要な情報を登録するだけで使えるアプリであれば、短期間で準備できます。
パッケージアプリをカスタマイズ:1ヶ月~3ヶ月
ややカスタマイズ性に富んだパッケージアプリを活用する場合は、1ヶ月~3ヶ月が目安です。
フルスクラッチで開発:3ヶ月~5カ月
フルスクラッチで開発する場合は、アプリの機能・内容にもよりますが3ヶ月~5カ月程度が目安となります。
実際にアプリを利用する日時から逆算して、余裕を持って開発を行うようにしましょう。
Webアプリ、ハイブリッドアプリも視野に
モバイルアプリには、大きく分けてネイティブアプリ・Webアプリ・ハイブリッドアプリという3つの種類があります。それぞれ特性が異なるため、スタンプラリーアプリを開発する際にはどのタイプを選択するのか検討しておくことも重要です。以下に、それぞれの特性とスタンプラリーとの相性をご紹介します。
ネイティブアプリ
端末にインストールして活用するタイプのアプリ。端末の機能・性能を最大限に発揮できるため、高機能・多機能なスタンプラリーアプリの開発にはおすすめです。その反面、Googleストア・Appleストアの審査を通過する必要があることや、ユーザーがダウンロードする手間がかかることがネックとなります。
Webアプリ
Webサーバー上で動作するアプリ。フレームワークが充実しており汎用言語で開発できるため、低コスト・短納期で開発できます。Googleストア・Appleストアのプラットフォームの審査も不要。ダウンロードが不要でユーザーの利用環境にも依存しない点や、Web上で告知できるため集客もスムーズになる点などメリットがあります。ただし、ネイティブアプリに比べると実現できない機能があるなどデメリットもあります。
ハイブリッドアプリ
ネイティブアプリとハイブリッドアプリ両方の特徴を併せ持つアプリ。店舗アプリ・販促アプリをカスタマイズしてスタンプラリー機能を追加したい場合にはおすすめです。
スポットでの利用が多い場合や開発コスト・工数を押さえたい場合はWebアプリを選択することがおすすめとなります。
一方、定期的にスタンプラリーイベントを開催する場合や、店舗アプリ・販促アプリで実施するキャンペーンの一環としてスタンプラリーを開催する場合や、ネイティブアプリ・ハイブリッドアプリを検討すると良いでしょう。
スタンプラリーアプリの開発を外注するメリット
スタンプラリーアプリの開発をアプリ開発会社に外注すると、決して安くはない費用が発生します。予算を投下してでも外注すべきであるのか疑問に思う方もいるでしょう。
ここでは、外注と自社開発のメリット・デメリットを踏まえて、スタンプラリーアプリ外注の可否について解説します。
外注のメリット・デメリット
スタンプラリーアプリを外注するメリットは、アプリ開発の知識・スキル・経験が豊富な専門家に開発を依頼できることです。優良な発注先を選べば、要望を満たしつつクオリティの高いアプリを開発してもらうことができます。その反面、相応の開発費用を支払う必要があります。
自社開発のメリット・デメリット
自社開発を行う場合は、社内リソースで開発を行うため費用を抑えることができるのがメリットです。しかし、社内メンバーのスキル・スケジュールの範囲を超えたアプリは開発できないというデメリットがあります。
社内に専門的なスキルを持つ人材を有しており、リソースも十分に確保できるのであれば、アプリの内製を検討するのも良いでしょう。それ以外の場合においては、基本的に専門のアプリ開発会社へ依頼するのが無難な選択となります。
スタンプラリーアプリ開発のポイント
要望通りのスタンプラリーアプリを開発するには、発注前に検討しておきたいポイントがあります。ここでは、スタンプラリーアプリ開発の成功確度を高まるために重要なポイントについてご紹介します。
要件定義を正確に
アプリ開発は、「要件定義>設計>開発(コーディング)>テスト>リリース>運用」の順で進められます。要件定義の内容次第でプロジェクトの進捗・成否が左右されるため、過不足なく正確に作成することが非常に重要です。
特に、スタンプラリーアプリは活用するイベントの意図に沿った機能・性能を有していることが殊更重要であるため、次のような点にも留意して具体性のある要件定義を行っておく必要があります。
- コンセプト
- ターゲットユーザー
- 提供価値
- 達成目標
- 必要な機能
完成した要件定義書は、齟齬が無いように発注者側・開発者側でコンセンサスを得ておくことも重要です。スタンプラリーアプリの完成度を高め、開発をスムーズに行うためにも、要件定義は漏れなく正確に行っておきましょう。
外注先の実績をチェックしよう
アプリ開発と一口に言ってもその種類はさまざまであり、開発会社によって得意分野も異なります。そのため、スタンプラリーアプリ開発の発注先を選ぶ際には、同アプリの開発実績をチェックのチェックを行い、実績豊富な開発会社へ発注を行うことが非常に重要です。
実績豊富な会社であれば、開発の目的・ニーズ・意図を的確に汲み取ってスムーズにアプリを開発してもらえるためです。プラスアルファの提案も期待できるため、想定していた以上のアプリを開発できる可能性もあります。
スタンプラリーアプリは位置情報・行動分析・通知機能など独特の機能が必要なアプリであるため、発注先の実績については必ず確認するようにしましょう。
プラットフォームを作る場合はマネタイズプランも重要
スタンプラリーアプリを自身で利用するのではなく、プラットフォームを開発してデジタルスタンプラリーを実施したいユーザーに提供するという選択肢もあります。その場合は、事業としてスタンプラリー作成サービスを提供するわけですから、プラットフォームの仕様・機能だけでなく以下のようなマネタイズプランを検討しておくことも重要です。
有料販売(買い切り)
スタンプラリーアプリを有料で販売してマネタイズする方法です。イベントを実施する開催者向けのアプリのみ有料とし、参加者向けのアプリは無料にするケースが予想されます。
購入されると同時に収益を得られるのがメリットですが、買い切りとなるため継続的な収益が見込めない点がネックです。
サブスクリプション
近年増加しつつある月額料金・年額料金で一定期間サービスを提供するマネタイズ手法です。継続的な収益が期待できますが、スタンプラリーを頻繁に実施するユーザー以外は使い勝手が悪い点がネックです。
アプリ内課金
プラットフォームの基本機能は無料で提供を行い、追加機能・追加コンテンツを有料とすることでマネタイズを行う手法です。新規ユーザーを取り込みやすい反面、課金ポイントや価格設定が難しいという課題があります。
フリーミアム
無料プラン・有料プラン・プレミアムプランのように課金額に応じたサービスを提供する方法です。新規ユーザーを取り込みやすいのが特徴ですが、有料プランへの誘導や無料領域と有料領域の線引きが難しく、マネタイズを行うには慎重な設計が必要となります。
他にもアプリ内に広告を表示してマネタイズを行う方法もありますが、主にイベント・キャンペーンで活用されるスタンプラリーアプリに広告を表示するのは得策ではないでしょう。
まとめ
スタンプラリーイベントを開催したい方には、アプリによるデジタルスタンプラリーは非常におすすめ。
アプリを活用することで、従来の開催方法よりも準備や運営のシンプル化が図れるだけでなく、アプリならではの演出やプロモーションを行うことができます。
スタンプラリーアプリの開発を検討している方は、弊社「Pentagon」へご相談ください。アプリの開発・運用までワンストップ対応が可能であり、アプリを駆使したビジネスのサポートも提供。目的・ニーズに合わせた完成度の高いスタンプラリーアプリを開発いたします。