Webサービス・Webアプリの開発費用は300万円が目安!コスト削減方法も紹介
Webサービスの開発費用は、開発するWebサービスの種類だけではなく、人月単価や開発スタイルの違いによって大きく変動します。
当記事ではWebサービスの開発費用の具体的な相場や、コストの抑え方を紹介します。実際にアンケートを調査した実施結果も公開するので、参考にしてみてください。
Webサービス・Webアプリの開発にかかる費用はいくら?
Webサービスの開発相場は、Webサービスや人月単価などの内訳によって大きく変動します。具体的な金額を把握することで、自社で作りたいWebサービスの金額帯の相場をイメージしてみてください。
Webサービス・Webアプリ開発費用の相場とは?
当社が2023年9月に実施したインターネット調査(N = 36)によれば、Webシステム・Webサービスの開発にかかった費用相場は、上記のグラフの通りです。100万円未満で開発をしている方もいれば、2000万円以上かけている方もいます。これは、開発するWebサービスの仕様によって、開発コストが大きく変わることを示しています。
ジャンル別Webサービス・Webアプリの開発費用の目安
具体的なWebサービスの開発費用相場は以下の通りです。
【Webサービスの種類】 | 【開発費用の相場】 | 【費用が高くなるケース】 |
マッチングサイト | 500万円~1000万円 | ・住所や路線など検索機能・決済機能・メッセージ機能・メルマガ機能 |
ECサイト | 60万円~400万円 | ・商品数の取扱数の増加 |
予約管理サイト | 80万円~500万円 | ・決済機能・複数店舗機能・メルマガ配信機能・スタッフの勤怠管理と連動した予約機能 |
口コミサイト | 40万円~400万円 | ・口コミを閲覧できる件数に制限をかける・口コミ投稿に対してインセンティブを与える |
SNS | 300万円~500万円 | ・フォロー機能・決済機能 |
Q&Aサイト | 60万円~300万円 | ・Q&Aを絞り込む機能・サジェストによる検索サポート機能 |
CMS | 50万円~400万円 | ・環境面(サーバーや言語)やデザインへのこだわり |
掲示板 | 50万円~300万円 | ・検索機能・会員機能・決済機能・位置情報管理 |
開発費用は、webサービスの開発規模、実装したい機能、クオリティによって変動します。当然ながら、多くの機能を備えるほど開発費は高くなる傾向です。
また同じWebサービスでも、中小企業の開発会社や大手企業の開発会社やオフショア開発など、委託先によっても金額は変動します。
企画や設計が明確であれば打ち合わせの回数を削減できるため、結果として費用を抑えることも可能です。
あくまでも上記の金額は目安であり、金額は変動すると抑えておきましょう。
機能別の開発費用の目安
Webサービス・Webアプリのさまざまな種類に応じた費用の一般的な目安は、以下のとおりです。
- ECサイト:60~400万円程度
- 口コミサイト:80~300万円程度
- 掲示板サイト:50~300万円程度
- SNS:100~500万円程度
- CMS:80~400万円程度
- 予約管理サイト:80~500万円程度
- マッチングサイト:100~500万円程度
- ゲーム系:300~1,000万円以上
下限と上限に大きな金額差があることからも分かるように、Webサービス・Webアプリの費用は仕様に依存して大幅に変動します。そのため外部に発注する際は、サービスの要件を詳細に定義することが重要です。
開発が進行する中で追加の要件が浮上すると、費用は想定よりも高くなる可能性があります。
なお、Webサービス・Webアプリのおもな機能における費用の目安は、以下のとおりです。
- ログイン機能(メールアドレス・SNS):10~20万円程度
- アプリ内の決済システム:20~50万円程度
- プッシュ通知機能:10~100万円程度
- ナビゲーション機能:2.5~5万円程度
- 縦/横の表示切り替え機能:5~10万円程度
- 位置情報機能:12~25万円
- チャット・メッセージ機能:20~40万円程度
- 他アプリとの連携機能:5~40万円程度
- デザインの実装:10~100万円程度
このように、Webサービス・Webアプリと一口に言っても、実際は上記のような機能の複合体であるといえます。簡素な機能を追加するだけでも、数万円~数十万円程度の費用が発生することを心に留めておくとよいでしょう。
開発費のほかにかかる費用の目安
Webサービス・Webアプリは開発費以外にも、一般的には以下のような費用の発生を想定しておく必要があります。
- サーバ費用(開発中および運用後):月額1,000円~数万円程度
- SSLサーバ証明書:5万円~10万円程度
- 運用保守:開発コストの15%程度(ランディングコスト)
サーバはWebサービス・Webアプリを稼働させるために不可欠な要素です。そのため、小規模な個人ブログから始まるサービスでも、サーバの用意が必要です。
また、SSLサーバ証明書は、Webサーバとブラウザ間の通信データを暗号化するための電子証明書です。証明書の発行により、なりすましや盗聴などのリスクを回避しやすくなります。
Webサービスの開発費用の計算のされ方
開発費用の計算は「人月×人月単価×開発期間」として算出されます。
- 人月:開発に必要な1ヶ月間の人員(エンジニア、プログラマーなど)
- 人月単価:人員1人が1か月作業した場合の費用
- 開発期間:開発・リリースまでに要する期間
Webサービスの種類によって、必要な人数や人員のスキルや開発期間は異なります。費用の増減は、上記の計算式から考えると、より原因が明確になるでしょう。
人月単価
そもそもシステム開発に必要な人件費を算出するために、計算の基準となる単位が必要となります。その基準を示しているのが「人月単価」です
人月単価とは「人員1人が1ヶ月作業した場合の費用」のことです。人員とはシステムエンジニア(SE)とプログラマー(PG)を指します。つまり「エンジニア1人が1ヶ月に作業した場合の人件費」という意味になります。
人月単価の金額の目安は以下の通りです。
プログラマー(下請け・フリーランス) | 40万円~60万円 |
プログラマー(大手企業) | 60万円~100万円 |
システムエンジニア(初級) | 70万円~100万円 |
システムエンジニア(中級) | 100万円~120万円 |
システムエンジニア(上級) | 120万円~200万円 |
フリーランスや下請け企業のプログラマーの人月単価は、40万円〜60万円が相場です。一般的にプログラマーは、システムエンジニアより相場が低い傾向にあります。大手企業のプログラマーは金額が少し高くなり、60万円〜100万円まで増加します。
実務経験が2~3年の初級のシステムエンジニアの人月単価は70万円〜100万円です。業務の役割としては、部分的な設計を任される範囲に留まります。
実務経験が5~10年の中級のシステムエンジニアの人月単価は100万円~120万円です。Webサービスの開発プロジェクトを率いる役割を果たす層です。
実務経験が10年以上の上級のシステムエンジニアの人月単価は120万円~200万円です。彼らは設計のみの業務に留まらず、クライアントとの折衝業務やスケジュール管理など、横断的にプロジェクトを牽引する中心格として活躍します。
また地域によって単価が変動する点も見逃せません。例えばプロジェクトの拠点が東京であれば、オフィスの家賃や物価といった影響で単価は上昇する傾向にあります。こちらも抑えておきましょう。
開発工数
「開発工数」とは開発に必要な人数・時間を示す指標のことです。開発費用の計算は「人月×人月単価×開発期間」として算出されます。
具体例として、人月単価を一律80万円で開発人員を5名とすると、Webサービスの開発からリリースまでを5ヶ月間で行う場合、「5人月×80万円×5ヶ月間=2,000万円」が開発費用です。
Webサービスにおける開発費は、大半が人件費となります。上記の計算例を参考にすれば、開発費の具体的なイメージが湧くのではないでしょうか。
ちなみに変動費以外に固定費として、ドメイン取得やSSL証明書、サーバー維持費など機材や設備にかかる費用などが挙げられます。
Webサービスは開発スタイルによって費用が違う
開発スタイルは以下の3種類に分けられます。
- 自社開発
- 外注(国内の開発会社)
- オフショア(海外の開発会社)
開発スタイルごとに発生する費用の内訳は異なり、費用が発生する原因も様々です。それでは各開発スタイルごとに解説していきます。
自社開発
自社開発は会社の内部リソースを活用し、文字通り「自社でWebサービスを開発すること」です。自社開発では工程の上流から下流までを、一貫して自社で担当します。具体的には製品の企画やマーケティング、開発、運用、保守などが挙げられます。
Webサービスを自社で行う場合、Webサービス開発を行うエンジニアやプログラマーの人件費は、固定費としての性質を持ちます。給料として販管費に計上されます。「社内の開発者に支払う報酬(固定費としての給料)」と「開発期間」の増減によって、実質的な開発費用の算出が可能です。
自社開発においては、開発経験が浅いメンバーの影響でスケジュールが遅延して工数が増えると、結果的に人件費がかさんでしまうことになります。エンジニアが足りない場合に新規採用を行う場合には、採用コストの負担は避けられません。
Webサービスの開発によって社内にノウハウが蓄積されていくため、中長期的なコストカットや利益貢献に繋がるというメリットも挙げられます。
外注
外注も、Webサービス・Webアプリを開発する方法のひとつです。ただし、開発費用は外注先の規模や開発スタイルによって異なります。外注先の種類は、大きくアプリ開発会社とフリーのエンジニア(個人やフリーランス)の2種類です。ここでは、それぞれの費用感について解説します。
アプリ開発会社
アプリ開発会社に依頼する場合、複数のエンジニアやデザイナーがプロジェクトに参加するため、大規模な外注先だと言えます。開発からテスト、ストア申請までの全工程を一括して請け負ってもらうことも可能です。
費用はプロジェクトの規模や機能によって異なりますが、一般的には数百万円~数千万円程度が相場と言えるでしょう。
フリーのエンジニア
個人のエンジニアやフリーランスがおもな外注先となります。そのため、小規模なプロジェクトに適しており、特定の機能やタスクを担当することが多いです。
費用はプロジェクトの範囲によりますが、数十万円~数百万円程度が一般的でしょう。
オフショア開発
海外にある企業や現地法人への外注を行うことを「オフショア」と呼びます。オフショアを依頼できる国は数多くあり、国の施策としてIT業界やエンジニアの育成に注力している国ほど、オフショア開発の案件を受注している傾向にあります。
具体的なオフショア開発の委託先の国は、中国や東南アジアが中心です。IT人材が豊富なことに加えて、人件費が安いことが理由に挙げられます。
特にベトナムは高い人気を誇っていますが、ベトナム国内の経済成長による人件費の上昇傾向や円安の影響により、コストメリットが出しにくくなっている側面もあります。
オフショア開発を行うメリットは下記の通りです。
- 開発コストの削減
- IT人材を効率的に確保可能
オフショア開発の最も大きなメリットは、開発コストの削減です。Webサービスの開発費用の大半は人件費なので、直接的なコストカットに繋がります。またIT人材を効率的に確保できる国であれば、スケジュールを遅延させることなく、プロジェクトを進めることが可能です。
オフショア開発を行うデメリットは下記の通りです。
- 品質や進捗の管理が難しい
- 言語、時差、文化の違い
- 物理的な距離
- コミュニケーションコストがかかる
- 為替リスクや政治要因リスク
「コミュニケーション」と「商習慣の違い」が、品質や進捗の管理を難しくする要因です。日本では納期厳守が当たり前ですが、海外では全く連絡なく納期を破ることも珍しくありません。
品質や進捗の管理が、オフショア開発を成功させるポイントといえます。特にコミュニケーションの面では、言語面での細かなニュアンスなど、お互いが理解できるまで納得し合うようにしましょう。
Webサービス開発時に追加でコストが発生する場合とは?
前述の通り、Webサービスの開発費用の計算は「人月×人月単価×開発期間」として算出されます。つまり上記の要因が増加すると、追加でコストが発生するのです。
仕様変更があった場合
開発途中で、Webサービスの仕様が変更となった場合、その変更を加えるだけの人件費が必要となります。変更内容によっては、一見少しの変更に見えても、システム全体に影響を与え、大きなコストとなる場合があります。
多少変更が出てきてしまうのは仕方ないことですが、開発前の設計時に入念に確認をすることが重要です。変更が必要な場合は、一旦サービスをリリースしてしまってから、変更を加えて行くのも手です。
機能が追加となった場合
開発を進めていくと、実際に動くWebサービスが出来上がってきます。実際に触ってみると「この機能も必要だ」と機能追加が必要となりことがあります。
新しく機能を追加するのには、時間と費用がかかります。機能追加時には、追加コストが発生するので、開発前に入念に設計書を確認をすることが重要です。
要件定義が曖昧な場合
外注でWebサービスを開発する場合、要件定義が曖昧だと、追加でコストが発生するリスクが生じます。Webサービスが最後まで完成したのに、発注者側と開発者側の認識が一致せず、スケジュール遅延による開発期間の増加につながってしまうのです。
追加コストがかかってしまう事態を避けるためにも、どのようなWebサービスを構築したいか、最終的にどのような目標を達成したいかを明確に描くようにしましょう。
Webサービスの開発コストを抑えるには?
やはり外注するとなれば、一定額のコストは発生してしまいます。それでも、少しは開発費用を抑えたいですよね。
開発会社のコストを抑えるための具体的な方法を紹介します。
優先度をつけてMVP開発
MVP開発とは、必要最小限の製品(Minimum Viable Product)を略した言葉です。
MVPでは、仮説に基づいて最小限の機能を短期間で実装し、実際にユーザーからのフィードバックを得ることで、低コストかつ低リスクでの開発が可能となります。
ただしMVPを通して何を検証したいのかが明確ではないと、コストカットありきの施策と化してしまいます。開発をスムーズに進めるためには、以下の手順で検証内容を明確にしておきましょう。
- 仮説を立てる
- 仮説に基づいて課題を抽出する
- 検証すべき項目を明確化する
- 検証項目に従い機能を検討する
発注内容を具体的にする
Webサービス・Webアプリの開発コストを抑えるためには、発注する開発内容を具体化することが重要です。発注内容が曖昧な場合、外注側が勘違いしやすく、後で大きな修正が必要になる可能性があります。修正が必要な場合、追加費用が発生することも考えられます。
そのため、具体的なイメージを固めてから発注することが大切です。これにより、外注側も依頼内容を正確に理解しやすくなり、提案しやすくなります。また、正確な見積額を算出できるため、予算の確保もしやすくなり、後で追加費用を支払うリスクを抑制することが可能です。
開発会社に直接お問い合わせをする
いわゆる相見積もりサイトで開発会社の見積もりを取った場合、見積もりの金額に仲介手数料が含まれてしまうため、結果的に費用が余計にかかってしまいます。
興味がある開発会社を見つけたら、公式HPから直接問い合わせをしてみましょう。仲介手数料が上乗せされないので、実質的に5~10%の割引を受けた費用で依頼が可能となります。
信頼できるWebサービス開発業者の選び方
Webサービス開発会社は多数存在します。どの開発会社を選定すれば良いのか、多くの時間や労力を割いてもピンとこない企業の担当者も多いのではないのでしょうか。
信頼できるWebサービス開発会社の選び方を紹介します。
開発したいサービスと同様の制作実績があるのか
開発会社を探す際に、最初に確認したいのは「開発実績」です。実績の有無だけではなく、実績の中身が重要となります。
- 開発したいシステムに似た開発事例は存在するか
- 開発で「こだわった点」や「成功した要因」などの具体的な話はあるか
具体的な成果は公式HPには記載できない場合もあるので、電話で問い合わせてみると良いでしょう。可能な範囲で答えてくれるケースが多いです。
複数社に見積もり依頼をする
見積もりの段階で料金を明確にすることで、プロジェクトの成功率を向上させることができます。開発項目ごとにコストを明確にしておくことで、想定外の費用の発生を最小限に抑えられるでしょう。
具体的には3~4社で比較するのがおすすめです。10社以上で比較してしまうと、詳細な内容の把握まで手が回らなくなり、結果として料金面のみを重視した選定に終わってしまいます。
開発会社の候補を厳選し、実績や特徴を吟味して比較することで、料金に見合った納得できる業者を選定できるでしょう。
開発会社の得意分野を知る
Webサービスの開発会社は、企業ごとに得意な開発分野が異なります。具体的に開発会社の強みを知りたければ、下記の内容を質問してみましょう。
- 開発会社の公式HPに「弊社の強み」が載っているか
- 電話やメールで「貴社の得意分野をご教示いただけますか」と質問してみる
公式サイトを確認する時は、実績のページだけではなく、会社概要などで会社自体の強みも確認してみてください。
まとめ
Webサービスの開発にかかる費用は、搭載する機能によっても大きくことなってきます。
株式会社Pentagonでは、お客様が「なぜWebサービスを立ち上げるのか」「どういったユーザーにどんな価値を提供するのか」そうした戦略から逆算して、必要な機能や画面設計の提案をしております。
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