店舗アプリの開発方法と費用相場とは?フルスクラッチすべきかプロが解説

店舗アプリ開発の主な方法は次の2つです。

  • ①SaaS型の店舗アプリ構築サービスを利用する
  • ②フルスクラッチ(オリジナル開発)で一から作る

それぞれで「開発スピード」「費用」「カスタマイズの自由度」が大きく異なります。低コスト・スピーディーにアプリを運用したい場合は、SaaSを使いましょう。一方で、時間とコストをかけてでもオリジナル性を重要視したい場合はフルスクラッチを検討します。本記事では、それぞれの特徴と費用感、そしてどんな店舗ならどの手法を選ぶべきかを整理して解説します。

本記事では、アプリ開発会社「株式会社ペンタゴン」でエンジニアを務める筆者が、現場での経験も踏まえながら、店舗アプリ開発の考え方と失敗しない選び方をお伝えします。

【この記事の監修者】山本 真矢 株式会社Pentagonの代表取締役社長
経歴:Y-Combinator StartUp School / Arizona State University / 2013年からスタートアップを中心に様々な企業のアプリ開発を支援。2018年に株式会社Pentagonを設立。2023年アプリ開発高速化する特許を取得(7184410)。アプリやWebサービスの開発に関する情報をYouTubeでも配信しています。

店舗アプリ開発の2つの手法

まずは、店舗アプリの代表的な開発手法をざっくり比較しておきましょう。

手法概要初期費用イメージカスタマイズ性リリースまでのスピード向いている店舗
SaaS型サービス既成の店舗アプリプラットフォームを利用100万円〜500万円低〜中早い(数週間〜)コストを抑えて早く展開したい場合
フルスクラッチ開発エンジニアが設計〜実装までオーダーメイド開発500万円〜非常に高い要件次第(3か月〜)時間とコストをかけてでもオリジナル性を重要視したい場合

SaaS型サービスならヤプリ

SaaS型で店舗アプリを検討するなら、「ヤプリ(Yappli)」は代表的な選択肢の一つです。プログラミング不要のノーコード型プラットフォームとして、iOS/Android向けのネイティブアプリを短期間で構築でき、アプリの開発・運用・分析をオールインワンで提供しているのが特徴です。

店舗アプリに必須となる会員証・クーポン・プッシュ通知に加えて、外部サービスとの連携や分析機能も充実しており、マーケティング担当者や店舗運営側のメンバーでも、管理画面から直感的にコンテンツ更新や施策のPDCAを回せます。さらに、豊富な導入実績をもとにしたオンボーディング支援や運用サポートも用意されているため、「まずはSaaS型でしっかりした店舗アプリを持ちたい」という企業にとって、有力な候補となるサービスです。

フルスクラッチは「オリジナル性を重要視」

フルスクラッチの事例:スターバックス コーヒー ジャパン株式会社

時間とコストをかけてでもオリジナル性を重要視したい場合にフルスクラッチを検討します。

フルスクラッチ開発のメリットは、機能やデザイン、他システムとの連携などをすべて自社の要件に合わせて自由に設計できる点です。多店舗展開や将来の機能追加も見据えたアーキテクチャにできるため、「事業の基盤」として長く育てやすいのが強みです。一方デメリットとしては、初期費用が高くなりやすく、要件定義〜設計〜開発と工程も多いため、リリースまでに時間や体制づくりが必要になることが挙げられます。また、リリース後もOSアップデート対応や保守運用を続けていく前提で計画する必要があります。

弊社「株式会社ペンタゴン」では、アプリに特化して制作をしております。  アプリ開発をお考えの場合は、以下のバナーをクリックして弊社までご相談ください。経験豊富なアプリエンジニアがご相談を承ります。
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SaaS型の店舗アプリ開発の「限界」とは?

SaaS型のサービスは非常に便利ですが、現場でご相談を受けていると、次のような「限界」にぶつかるケースも多くあります。

限界① デザイン・導線の差別化が難しい

SaaS型はテンプレート構造が前提のため、画面構成、ボタン配置、遷移パターンなどが、どうしても他社アプリと似通ってしまいます。「アプリをブランド体験の中核にしたい」「世界観をしっかり作り込みたい」という店舗にとっては、物足りなさを感じやすいポイントです。

限界② 他システムとの柔軟な連携に制約がある

以下のような既存システムと「しっかりつながる」ことを重視したい場合、SaaS側のAPI仕様や連携オプションがボトルネックになることがあります。

  • 既存の会員基盤
  • POS/在庫管理システム
  • ECサイト
  • CRM・MAツール

結果として、二重管理が発生する、データが分断されて一元分析できない、現場オペレーションが複雑になる、といった形で「業務負荷」として跳ね返ってくるケースも少なくありません。

限界③ 料金体系・機能追加の自由度

SaaSは「多くの店舗の共通ニーズ」を想定して設計されているため、

  • ニッチだが自社には非常に重要な機能
  • 自社のビジネスモデルに特有のロジック

などを実現しようとすると、一気に難易度が上がります。

「ここまで来ると、もうフルスクラッチで作った方が早いし、結果的にコストも合理的では?」という段階でご相談いただくことも多いです。

フルスクラッチで店舗アプリを作るべきケースとは?

では、どのようなケースで「フルスクラッチ開発」が向いているのでしょうか。代表的なパターンを整理します。

ケース① 顧客体験を「自社ブランドの核」にしたい

ZARAのアプリはアプリでブランドの世界観を表現しています。
  • オンラインとオフラインを横断した顧客体験を作りたい
  • 世界観・デザイン・動きの細部までこだわりたい
  • 競合他社と明確に差別化できるアプリを作りたい

このような場合は、テンプレートベースのSaaSでは限界が来やすく、フルスクラッチでの設計が有効です。

ケース② モバイルオーダー・事前決済など、店舗オペレーションと強く結びつく

スターバックスのモバイルオーダーはSaaSでは実現しにくい機能
  • 混雑緩和や回転率向上のためにモバイルオーダーを導入したい
  • 店舗ごとに提供メニュー・価格・混雑状況が異なる
  • キャンペーンやクーポン施策を柔軟に組み合わせたい

といった「リアル店舗のオペレーション改善」に直結するアプリは、既存システムとの連携やパラメータの制御が非常に重要になります。ここでもフルスクラッチの自由度が活きてきます。

ケース③ 多店舗展開・フランチャイズ本部としての運用が前提

  • 数十〜数百店舗規模のチェーン展開
  • エリアや店舗ごとに異なるキャンペーン・価格設定
  • FC本部としての分析・ダッシュボードが必要

このような場合、「単店舗向けSaaS」の範囲を超えることが多く、自社専用のアプリ基盤を構築した方が、中長期的な投資対効果は高くなります。

ケース④ 将来的にECや別アプリとも「プラットフォーム化」したい

  • 将来はECアプリや別ブランドのアプリとも連携したい
  • 会員IDをグループ横断で使い回したい
  • データ基盤と連携し、顧客分析・パーソナライズ施策を本格化したい

こういった中長期のロードマップが見えている場合、フルスクラッチで「拡張しやすいアーキテクチャ」を設計しておくことが重要です。

弊社「株式会社ペンタゴン」では、アプリに特化して制作をしております。  アプリ開発をお考えの場合は、以下のバナーをクリックして弊社までご相談ください。経験豊富なアプリエンジニアがご相談を承ります。
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店舗アプリに入れるべき基本機能と差別化機能

ここからは、実際に「店舗アプリにどんな機能を入れるべきか」を整理します。

どの店舗でもまず検討したい基本機能

まずは、多くの店舗に共通する“基本セット”です。

  • 基本機能①:会員証(会員バーコード・会員ID表示など)
  • 基本機能②:ポイント・スタンプ(来店/購入に応じた付与)
  • 基本機能③:クーポン・キャンペーン配信
  • 基本機能④:お知らせ・プッシュ通知
  • 基本機能⑤:店舗情報(住所・営業時間・地図)

これらは「紙の会員証・紙のポイントカード・紙のチラシ」をアプリに置き換えるイメージに近く、SaaSやノーコードでも実現しやすい領域です。まずはここを軸に、「どこまでデジタルシフトを進めるか」を検討します。

競合と差がつく一歩踏み込んだ機能

次に、「アプリを入れてよかった」とユーザーに思ってもらうための差別化機能です。

  • 差別化機能①:モバイルオーダー(事前注文・店舗受け取り)
  • 差別化機能②:事前決済(アプリ内決済・チャージ機能など)
  • 差別化機能③:順番待ち・予約管理(発券機と連携した呼び出し・待ち時間表示など)
  • 差別化機能④:来店履歴・購入履歴に応じたレコメンド表示
  • 差別化機能⑤:アプリ限定コンテンツ(レシピ・動画・会員限定記事など)

このあたりから、SaaSやノーコードだと「できる範囲」と「難しくなる範囲」が分かれてきます。ビジネスインパクトが大きい機能ほど、フルスクラッチでコア体験として設計する価値があります。

多店舗展開・フランチャイズで押さえたい機能

最後に、多店舗展開を前提とした場合に重要になる機能です。

  • 多店舗機能①:店舗選択(GPSやお気に入り店舗登録など)
  • 多店舗機能②:店舗別メニュー・価格の出し分け
  • 多店舗機能③:エリア限定クーポン・キャンペーン配信
  • 多店舗機能④:本部側の管理画面(店舗別の施策設定・分析)

特にFC本部にとっては、「アプリ=デジタル販促のハブ」として活用することが多いため、このあたりの管理・分析機能は外せないポイントになります。

株式会社ペンタゴンは「フルスクラッチでの店舗アプリ開発」を支援

ここまで見てきたように、SaaSやノーコードは手軽である一方、

  • 顧客体験の作り込み
  • 既存システムとの高度な連携
  • 多店舗・FC本部としての運用
    を考えると、フルスクラッチ開発が最適なケースも少なくありません。

株式会社ペンタゴンでは、Flutter を活用した iOS・Android 向けのクロスプラットフォーム開発を強みとしており、以下のようなポイントにこだわって店舗アプリ開発を行っています。

  • こだわり①:UI/UXデザインとエンジニアリングを一体で設計し「使われるアプリ」にする
  • こだわり②:モバイルオーダーや会員機能など、店舗オペレーションと密接に関わる機能を、現場ヒアリングを踏まえて設計
  • こだわり③:リリース後の運用・改善(ABテスト・施策別の効果計測)まで含めた支援

SaaSやノーコードで限界を感じている企業様に対しては、「どこまでを既存ツールでカバーし、どこからをフルスクラッチで作るべきか」という観点からもご相談をお受けしています。

この記事でご紹介した内容を参考に、自社の店舗アプリ開発の方針を検討してみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した店舗アプリ開発の方法を踏まえ、「自社はSaaSで十分なのか、それともフルスクラッチで基盤を作るべきなのか?」を一度整理してみることをおすすめします。もし「自社の事業向けに、どの開発手法が良いか相談したい」「フルスクラッチで店舗アプリを作ると、どれくらいの費用感になるのか知りたい」とお考えでしたら、アプリ開発会社の株式会社ペンタゴンをご検討ください。

» 公式ホームページ|株式会社ペンタゴン


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Posted by 山本 真矢