アプリ開発専門の当社が実践する「アプリの品質を担保する」取り組み
アプリ開発について調べていると「品質の高いアプリを作りたいけど、具体的にどう取り組めばいいの?」「開発会社によって品質に差があるって本当?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、アプリの品質は企業のビジネス成功を大きく左右します。品質の低いアプリは、ユーザーに見放されるだけでなく、審査落ちによる機会損失や運用コストの増大を招く可能性があります。そこで、当社ではアプリの品質を特に重要視して制作に取り組んでいます。
◆株式会社ペンタゴンが実践する5つの品質向上の取り組み
- 取り組み① 組織的な品質管理体制
- 取り組み② リスクの早期排除
- 取り組み③ Apple及びGoogleの審査要件のチェック
- 取り組み④ デザインファーストな開発
- 取り組み⑤ 第三者によるテストとバグハント会
本記事では、アプリ開発会社の株式会社ペンタゴンで代表を務める筆者が、アプリ開発における品質の定義から、実際に当社で実践している品質向上の取り組み、そして開発会社選びのポイントまで、詳しく解説していきます。
ちなみに、当社では、安く開発するという価格面よりもより良いアプリを仕上げるという品質面に注力して制作に取り組んでいます。アプリ開発でお悩みの方は、ぜひ一度、株式会社ペンタゴンまでご相談ください。» 【無料】株式会社ペンタゴンに相談をする
アプリ開発における「品質」とは?2つの重要な観点
そもそもアプリにおける「品質」とはどういったものか、ここで具体的に定義します。
品質とは、様々な観点がありますが、特に重要なのは「機能品質」と「製造品質」の2つです。
品質① 機能品質(ユーザー体験の質)
機能品質とは、アプリがユーザーのニーズや期待にどの程度応えられるかを示す指標です。具体的には以下の要素が含まれます。
- ユーザビリティ: アプリの使いやすさ、直感的な操作性
- デザイン性: 視覚的な魅力と一貫性
- 機能の充実度: ユーザーの課題を解決する機能の網羅性
- パフォーマンス: レスポンス速度、動作の滑らかさ
機能品質が高いアプリは、ユーザーの満足度が高く、継続的な利用とアプリストアでの高評価に繋がります。
例えば、電子決済アプリの場合、支払い完了まで 3 秒以内に処理が完了し、直感的な操作でストレスなく決済できることが機能品質の高さと言えます。また、デザインが統一されており、どの画面でも迷わず操作できることも重要です。機能品質が低いアプリは、ユーザーの離脱率が高くなり、結果として事業成果に大きく影響します。
品質② 製造品質(技術的な信頼性)
製造品質は、アプリの技術的な信頼性を示す品質です。主に以下の要素で評価されます。
- バグの少なさ: 不具合の発生頻度と重要度
- 安定性: クラッシュやフリーズの頻度
- セキュリティ: データ保護とプライバシーの確保
- 保守性: コードの可読性と拡張性
- テスト品質: テストカバレッジと品質保証プロセス
製造品質は、プロジェクト管理体制、開発チームのスキルレベル、技術的な選択によって大きく左右されます。開発者視点では、メンテナンスのしやすさなどもここに含まれます。
製造品質が低いアプリは、リリース後の保守運用コストが大幅に増加します。
例えば、バグが多いアプリでは、運用保守のコストが月額 50 万円以上多くかかることもあります。また、セキュリティ面での脆弱性があると、個人情報漏洩などの重大なリスクに発展する可能性があります。そのため、開発段階から製造品質を高めることで、長期的なコスト削減と安定した運用が可能になります。
株式会社ペンタゴンが実践する5つの品質向上取り組み
実際に当社にて品質を高めるために行っている取り組みをこちらで解説します。
取り組み① 組織的な品質管理体制
週報にプロジェクトリスクの洗い出しと対策を記載
当社では、週報にプロジェクトリスクの洗い出しと対策の考案を記載し、上長がレビュー、リスクを監視することで、プロジェクトにおけるリスクを潰しています。
このプロセスには以下の特徴があります。
- リスクの可視化: 技術的リスク、スケジュールリスク、品質リスクを分類
- 継続的監視: 上長によるレビューと定期的な進捗確認
- 予防的対策: 問題が顕在化する前の早期対応
- 学習サイクル: 過去のプロジェクトからの教訓を活用
この取り組みにより、品質問題の早期発見と迅速な対応が可能となり、プロジェクトの成功率を向上させています。
具体的には、毎週水曜日に全プロジェクトメンバーが「技術的なリスク」「遅延リスク」「品質リスク」の 3 つの観点でリスクを評価し、対策を立案します。例えば、新しいライブラリを使用する際には、事前に検証期間を設けて技術的な問題がないかを確認します。また、過去に同様の問題が発生したプロジェクトの事例を参照し、同じ失敗を繰り返さないよう予防策を講じています。この仕組みにより、プロジェクトの炎上リスクを大きく削減できています。
取り組み② リスクの早期排除
アプリの品質は、開発序盤で決まります
要件定義・設計の段階で品質の上限が決まります。開発中やテストの段階では、前工程で定めたものを開発していくため、それ以上に品質が上回ることはありません。要件定義・設計の段階でいかに想定外のケースを取り除けるかが重要です。
どうしてもリスク排除できない場合は、開発初期にリスクがある機能から開発をします。
プロジェクトにおけるリスクや問題の発見は、早ければ早いほど良い
リスクや課題を早期に発見することで、対策を講じることができるからです。病気と同じで早期発見、早期対処がプロジェクトを成功させる上で重要です。
そのため、プロジェクトの監視は、常に保守的、悲観的に行うことが重要です。
具体的なアプローチ
- ユーザーシナリオの徹底分析: 想定外のユースケースを可能な限り排除
- 非機能要件の明確化: パフォーマンス、セキュリティ、可用性の具体的な基準設定
- リスク評価マトリックス: 各機能の複雑度とリスクレベルの評価
実際の事例として、EC アプリの開発では、要件定義段階で「同時アクセス 1000 ユーザー」「決済処理 3 秒以内」「99.9%の可用性」など、数値での品質基準を明確に設定します。また、ユーザーシナリオでは「商品をカートに入れたまま 1 週間放置」「決済途中でアプリを閉じる」といった想定外のケースまで洗い出し、それぞれに対する仕様を決定します。このような詳細な設計により、開発後期でのトラブルを大幅に減らすことができます。
取り組み③ Apple及びGoogleの審査要件のチェック
スマホアプリの公開には、Apple 及び Google の審査を通す必要があります。
審査要件を理解していない開発会社では、せっかく完成したアプリが審査で落ちてしまうリスクがあります。
Apple・Google 審査に対する豊富な経験
当社では Apple, Google の審査経験が豊富にあります。他社では通らなかった審査を当社で何度も通してきました。
アプリの審査に詳しくない開発ベンダーに依頼をすると、1000 万円かけて開発したアプリが開発後に審査が通らないなどのトラブルに繋がる可能性があります。また、審査が通らず、数ヶ月、数年、審査が通らない状態からが続くこともあります。
こうしたお客様のご相談も受けてきた当社としては、アプリは専門知識のある開発会社に依頼していただきたいと考えております。
審査通過のための事前対策
- ガイドライン遵守チェック: 開発段階からの継続的な審査要件確認
- 審査リスク評価: 機能設計時の審査通過可能性の評価
- 事前レビュー: 審査提出前の社内品質監査
具体例として、Apple の審査では「アプリの目的が明確でない」「最小限の機能しかない」といった理由で審査落ちするケースが多くあります。当社では、企画段階からアプリの価値提案を明確にし、ユーザーにとって有益な機能を十分に盛り込むよう設計します。
よくある審査失敗パターンの回避
- 機能不備: 必要な機能が未実装
- プライバシーポリシー不備: データ利用に関する説明不足
- ユーザビリティ問題: 操作性の課題
- コンテンツポリシー違反: 不適切なコンテンツの含有
特に注意が必要なのは、アプリの「最小限の機能」問題です。例えば、単純な WebViewだけのアプリや、ほとんど機能がないアプリは審査で落とされます。当社では、各プラットフォームのガイドラインを熟知したスタッフが、機能設計段階から審査リスクをチェックし、問題のない設計に修正します。
当社では、アプリの審査リジェクト(審査落ち)理由と対策をナレッジとして蓄積しており、社全体で審査への対策を行っております。▶アプリの審査リジェクト(審査落ち)理由と対策解説
取り組み④ デザインファーストな開発
デザインファーストな開発とは、プロジェクトの初期段階からユーザー体験(UX)を最優先に考え、デザイナーが主導してアプリ全体の設計を行う開発手法です。この手法により、技術的な制約に縛られることなく、真にユーザーのことを考えたアプリを開発できます。
当社の制作体制は、デザイナーが制作のトップに立つ
当社では、デザイナーがプロジェクトを主導し、アプリの設計をします。これにより機能品質を高めることができます。
プロジェクト開始時に UX/UI デザイナーがプロジェクトリーダーとなり、ユーザー調査からワイヤーフレーム作成、プロトタイプ制作まで一貫してユーザー体験を設計します。エンジニアは技術的な実現性を担当しますが、ユーザー体験を損なわない範囲での技術選択を行います。この体制により、「技術的には可能だが使いにくい」アプリではなく、「ユーザーが本当に使いたくなる」アプリを開発できます。
使い勝手が悪いアプリはどうやってできあがるのか?筆者の経験では、2パターンあります。
失敗パターン ① エンジニア主導のプロジェクト
プロジェクトに UI/UX デザイナーがいない、もしくはエンジニアが設計して開発をするプロジェクトの場合、機能として要件を満たすことはできますが、真にユーザーの課題を解決するようなアプリに仕上がることは難しいです。
エンジニア主導のプロジェクトでは、技術的な実現性や開発効率が優先されがちです。例えば、「データベースの構造に合わせてユーザーインターフェースを設計する」「既存のライブラリに合わせて機能を制限する」といった技術起点の判断が行われ、結果としてユーザーにとって使いにくいアプリになってしまいます。機能は動作するものの、操作に迷ったり、目的を達成するまでに時間がかかったりするアプリになりがちです。
失敗パターン ② Web デザイナー主導のプロジェクト
もうひとつは Web デザイナーがアプリを作成する場合です。この場合、アプリのデザイン思想に沿ったデザインができず、どうしても Web サイトのようなデザインになってしまうことが多いです。
Web デザイナーとモバイルアプリデザイナーでは、求められるスキルが大きく異なります。Web サイトは大きな画面でマウス操作を前提としているのに対し、モバイルアプリは小さな画面で指での操作を前提としています。そのため、Web の感覚でボタンサイズを設定すると小さすぎて押しにくくなったり、ナビゲーションが複雑になりすぎたりします。また、iOS と Android それぞれのデザインガイドラインを理解していないと、プラットフォームに適したデザインができません。
このようにアプリを専門とするデザイナーが不在の場合、機能品質が低下してしまいます。
取り組み⑤ 第三者によるテストとバグハント会
当社では、リリース前の品質をより確実に担保するために、開発チーム以外の視点を取り入れたテスト体制を整えています。具体的には、以下の2つの取り組みを実施しています。
第三者テスト:開発メンバー以外による検証
開発に関わっていない社内メンバーや外部の協力者にアプリを操作してもらい、ユーザー視点での不具合や使いにくさを洗い出しています。開発者自身では気づきにくい細かな課題を客観的に確認できるため、より実践的な品質改善につながります。
バグハント会の実施:社内横断での集中テスト
社内のさまざまな部署からメンバーを集め、**短時間で集中的にアプリのバグを探す「バグハント会」**を定期的に実施しています。初見ユーザーに近い立場で確認してもらうことで、操作性や導線上の課題も多く発見でき、改善に役立てています
品質の高いアプリ制作のために必要な9つのポイント
アプリ制作のプロセスに沿って各ポイントにおける品質改善の取り組みを紹介します。
ポイント①要件の明確化
プロジェクトを円滑に進めるためには、開始時点で「何を作るのか」「なぜ作るのか」「どのような仕様・機能が必要なのか」といった要件を具体的に整理・定義することが極めて重要です。たとえば、アプリのターゲットユーザー、対応するデバイス、必要な機能(ログイン・決済・通知など)、画面の構成や操作フロー、さらには運用方法や将来的な拡張性まで含めて明確にしておく必要があります。
この要件が曖昧なまま開発を始めてしまうと、開発途中での認識のズレや仕様変更が頻発し、スケジュール遅延や追加コストの発生、品質低下といったトラブルに直結します。そのため、開発会社と十分にコミュニケーションを取りながら、文書やプロトタイプ、ワイヤーフレームなどで視覚的に要件を共有することが、成功のカギとなります。
ポイント②ユーザー体験の可視化
アプリを開発する際には、単に機能を実装するだけでなく、ユーザーが実際にどのような行動を取るのかを具体的に想像し、それに基づいた体験設計を行うことが重要です。これは「UX(ユーザーエクスペリエンス)の設計」とも呼ばれ、アプリの使いやすさや継続利用率に大きく関わってきます。
たとえば「新規ユーザーがアプリをインストールし、アカウントを登録し、商品を選び、購入に至るまで」の一連のステップをユーザージャーニーとしてマッピングします。その際、どのタイミングで不安や迷いが生まれそうか、どの画面で操作が難しく感じるかなどを想定し、離脱や操作ミスの原因となるポイントをあらかじめ洗い出して排除していきます。
このプロセスには、ワイヤーフレームやプロトタイプを使った動線の確認や、簡易的なユーザーテストの実施などが含まれます。こうした事前の可視化と検証を行うことで、ユーザーがストレスなく目的を達成できるアプリ体験を提供できるようになります。
ポイント③拡張性と保守性を考慮した設計
アプリ開発では、目先のリリースだけでなく、将来的な拡張や長期的な運用・改善を見据えた設計が重要です。たとえば、リリース後にユーザー数が急増したり、新たな機能追加や外部サービスとの連携が必要になったりするケースは少なくありません。そのような場合でも、大きな改修なしに対応できる柔軟な技術基盤を構築しておくことが求められます。
短期的には「スピード重視」で設計を簡素化したくなるかもしれませんが、長期的には保守コストの増大や品質低下につながるリスクもあります。そのため、最初から「持続可能な開発」を見据えた技術選定や設計方針を持つことが、結果的にプロジェクトの成功率を高めるカギとなります。
ポイント④品質基準の明確化
アプリの品質を確保するためには、「何をもって品質が高いと判断するか」という明確な基準を事前に定めることが不可欠です。例えば、「ページ表示速度は3秒以内」「クラッシュ率は1%以下」「離脱率は10%以下」など、定量的な数値目標を設定することで、開発チームとビジネス側の間で共通認識を持つことができます。
こうした品質指標は、リリース後のユーザー満足度や継続利用率に直結します。また、達成状況を測定するための手段も同時に設計することが重要です。たとえば以下のようなツールを活用します。
◆計測ツール
- クラッシュ率管理:Firebase Crashlytics、Sentry
- ユーザー行動分析:Mixpanel、Google Analytics、Amplitude
- 品質テスト自動化:CI/CDによるユニットテスト・UIテストの自動実行
このように、品質を「感覚」で評価するのではなく、数値で評価・改善できる仕組みを整えることが、開発の効率化と信頼性向上に大きく貢献します。明確な品質基準を設けることで、プロジェクト全体の目標がぶれず、関係者全員が同じゴールに向かって進めるようになります。
ポイント⑤ステークホルダーレビュー
顧客、デザイナー、エンジニア、QA エンジニアによる多角的なレビューを実施し、品質リスクの早期発見と対策立案を行います。
具体的には、週次で各ステークホルダーが集まり、以下の観点でレビューを実施します。
- 顧客視点: ビジネス要件が適切に反映されているか
- デザイナー視点: ユーザー体験に問題がないか
- エンジニア視点: 技術的な実現性と品質に問題がないか
- QA 視点: テスト可能性と品質リスクの評価
このレビューにより、各専門分野からの視点で品質問題を早期発見し、修正コストが最小限の段階で対策を講じることができます。
ポイント⑥コードレビュー体制
アプリ開発において、品質を支える重要な仕組みのひとつが「コードレビュー体制」です。バグの予防や保守性の向上だけでなく、チームの技術力全体を高めることにもつながります。以下の3つの観点から、レビュー体制を整備することが効果的です。
①ペアレビュー:複数の開発者による相互チェック
開発者同士でコードを相互にレビューし合う「ペアレビュー」を導入することで、1人では見落としがちなバグや設計ミスを早期に発見できます。常に「他の誰かがコードを確認する」前提で進めることで、自然とコードの質も向上します。さらに、レビューを通じて実装の意図や技術的な工夫が共有され、チーム全体のスキル底上げにもつながります。
②自動化ツール:静的解析による品質チェック
静的解析ツール(例:ESLint、SonarQube、SwiftLint など)を用いれば、コードを自動でスキャンし、潜在的なバグ・セキュリティ脆弱性・パフォーマンス上の問題を検出できます。人間の目では気づきにくい細かなミスも機械的にカバーできるため、コード全体の品質を一段引き上げる効果があります。
③コーディング規約:一貫性のあるコードの維持
チーム内で統一されたコーディングルールを定めておくことも重要です。変数名の付け方、インデントの揃え方、関数の分割基準など、細かなルールを共有しておくことで、誰が書いたコードでも読みやすく、保守しやすい状態を維持できます。ルールがあることで、将来的な機能追加や不具合修正の際の手戻りも減少します。
このように、人によるレビューと機械による自動チェックを組み合わせ、さらに共通ルールでコードの一貫性を保つことで、チーム全体の開発品質を高いレベルで安定させることが可能になります。
ポイント⑦継続的インテグレーション
自動ビルド・テストによる早期品質確認と、品質メトリクスの継続的な監視を実施します。
継続的インテグレーション(CI)システムを構築し、コードの変更があるたびに自動的にビルドとテストを実行します。これにより、以下の効果を得られます:
- 即座の問題発見: コード変更後すぐにバグが発見できるため、修正コストを最小限に抑制
- 品質メトリクスの追跡: テストカバレッジ、コードの複雑度、バグ密度などを継続的に測定
- リリース品質の保証: 自動テストをパスしたコードのみがリリース候補となるため、品質の担保が可能
この仕組みにより、開発速度を落とすことなく高い品質を維持できます。
ポイント⑧体系的テスト設計
高品質なアプリを実現するには、設計段階からのテスト計画が不可欠です。以下の4つの観点で、体系的にテストを実施することが重要です。
①単体テスト:各機能の動作確認
ログインや決済など、個別の機能が仕様通りに動作するかを確認します。入力エラーや条件分岐のパターンも含め、細かく検証します。
②結合テスト:機能連携の確認
「カート追加→決済→在庫減少」など、複数機能を組み合わせた動作が正しく行われるかを検証します。
③ユーザビリティテスト:使いやすさの検証
実際のユーザーに操作してもらい、分かりにくいUIや操作ミスの原因を発見します。改善のヒントにつながります。
④パフォーマンステスト:負荷耐性の確認
大量アクセスや大容量データ処理時でもアプリが安定して動作するかを検証します。本番環境を想定した重要なテストです。
このように各種テストを段階的に実施することで、リリース後のトラブルを未然に防ぎ、信頼性の高いアプリを提供できます。
ポイント⑨継続的品質改善
リリース後のアプリを改善し続けるには、ユーザーの声や行動を定期的に分析し、課題を可視化する仕組みが欠かせません。以下の3つの手法で、継続的な改善サイクルを回します。
①ユーザーフィードバック分析:レビュー・問い合わせの活用
App StoreやGoogle Playのレビュー、カスタマーサポートへの問い合わせ内容を定期的に確認し、ユーザーが不満を感じているポイントを把握します。特に星1〜2のレビューには課題が明確に記されていることが多く、具体的な改善点の発見につながります。
②アナリティクス活用:行動データから課題を発見
アプリ内のユーザー行動(画面遷移、滞在時間、離脱率など)を分析することで、使いにくい箇所や改善すべき導線が見えてきます。たとえば「新規登録の途中で70%が離脱」などのデータから、どこに課題があるかを客観的に判断できます。
③A/Bテスト:改善案の効果を数値で検証
ボタンのデザインや画面構成など、改善施策を複数パターンでテストし、どれがより効果的かを実データで比較します。感覚ではなく数値に基づいた判断により、成果につながる改善が可能になります。
こちらの記事も合わせてご覧ください。▶ アプリの改善・グロースにおすすめのツール6選
開発会社選びで見るべき「品質へのこだわり」
品質の高いアプリを開発できる会社を選ぶためのポイントをご紹介します。
提案段階で確認すべき品質に関する質問例
アプリ開発会社を選定する際、営業担当者に「どれくらいの期間で作れますか?」「費用はいくらですか?」といった質問をされる方は多いです。しかし、品質の高いアプリを作るためには、それ以上に重要な質問があります。
ここでは、開発会社の品質に対する姿勢を見極めるために、提案段階で必ず確認すべき質問をご紹介します。これらの質問に対して具体的で詳細な回答ができる会社は、品質への意識が高いと判断できます。
観点① 品質管理体制について
まず、開発会社がどのような品質管理体制を持っているかを確認しましょう。品質は個人の技術力だけでなく、組織的な取り組みによって決まります。
Q「品質保証のプロセスと体制について教えてください」
→ 具体的な手順や担当者が明確に説明されるかをチェック
Q 「過去のプロジェクトでの品質問題とその対策を教えてください」
→ 失敗から学び、改善する姿勢があるかを確認
Q「コードレビューの仕組みはどうなっていますか?」
→ 複数人でのチェック体制が整っているかを確認
観点② テスト・品質確認について
次に、実際の品質確認作業について詳しく聞いてみましょう。テストが不十分な会社では、リリース後にバグが多発する可能性があります。
Q「どのようなテスト手法を採用していますか?」
→ 単体テスト、統合テスト、ユーザビリティテストなど、体系的なテストを行っているかを確認
Q「実機テストの範囲と方法を教えてください」
→ 様々なデバイスや OS バージョンでの動作確認を行っているかをチェック
Q「リリース前の品質チェック項目は何ですか?」
→ チェックリストが整備され、漏れなく確認しているかを確認
観点③ 審査・リリース対応について
Apple・Google の審査は、アプリ公開において避けて通れない重要なプロセスです。審査に詳しくない会社では、せっかく完成したアプリが公開できないリスクがあります。
Q「Apple・Google 審査の通過実績はどの程度ありますか?」
→ 具体的な通過率や最近の実績を確認
Q「審査で問題が発生した場合のサポート体制は?」
→ 審査落ちした際の対応方法や追加費用について確認
Q「審査ガイドライン変更への対応はどうしていますか?」
→ 最新のガイドラインを把握し、対応している体制があるかを確認
これらの質問に対して曖昧な回答しかできない会社や、「大丈夫です」「問題ありません」といった根拠のない回答をする会社は避けることをおすすめします。
アプリの品質で失敗しないためのチェックリスト
質問をするだけでなく、実際に開発会社を評価する際には、以下のチェックリストを使って総合的に判断することが大切です。このチェックリストは、アプリ開発で失敗しないために最低限確認すべき要素をまとめたものです。
複数の開発会社を比較検討する際は、このチェックリストをコピーして、各社ごとにチェックしてみてください。多くの項目でチェックがつく会社ほど、品質の高いアプリを開発できる可能性が高いといえます。
開発体制の確認
開発体制は、プロジェクトの成功を左右する重要な要素です。人数だけでなく、役割分担が明確になっているかを確認しましょう。
▢ 専任のプロジェクトマネージャーが存在する
→ プロジェクト進行の責任者がいないと、スケジュール遅延や品質低下が起こりやすくなります
▢ UI/UX デザイナーがプロジェクトに参画している
→ 使いやすいアプリを作るには、デザインの専門家が必要です
▢ QA エンジニアが品質保証を担当している
→ 開発者以外の視点でテストを行う専門家がいるかが重要です
▢ 定期的な進捗報告と品質レビューが実施される
→ 透明性のある進行管理で、問題の早期発見ができます
技術力の確認
技術力は目に見えにくい部分ですが、以下の観点で確認することで、ある程度判断できます。
▢ 類似プロジェクトの開発実績がある
→ 同じ業界や似た機能のアプリ開発経験があると、スムーズに進行できます
▢ 最新の開発手法・ツールを活用している
→ 古い技術だけでは、将来的な拡張や保守が困難になる可能性があります
▢ セキュリティ対策が適切に実施されている
→ 個人情報を扱うアプリでは、セキュリティは必須の要素です
▢ パフォーマンス最適化の知見がある
→ 動作が重いアプリは、ユーザーに敬遠される可能性があります
サポート体制の確認
アプリは「作って終わり」ではありません。リリース後の運用・保守体制も重要な選定要素です。
▢ リリース後のサポート体制が明確である
→ バグ修正や機能追加の対応方法が事前に決まっていると安心です
▢ 障害対応の体制と手順が整備されている
→ アプリに不具合が発生した際の対応スピードが重要です
▢ 機能追加・改善への対応が可能である
→ ビジネスの成長に合わせてアプリも進化させる必要があります
▢ 長期的なパートナーシップが期待できる
→ 一時的な関係ではなく、継続的にサポートしてもらえる会社を選びましょう
チェックリストの活用方法
各項目について、開発会社に直接確認したり、提案書で確認したりしながらチェックしていきます。全ての項目がクリアである必要はありませんが、重要な項目(特に開発体制とサポート体制)でチェックが少ない会社は避けることをおすすめします。
まとめ・品質の高いアプリ開発を成功させるポイント
アプリ開発における品質は、単にバグがないことだけでなく、ユーザーの期待を超える体験を提供できるかどうかにかかっています。
品質の高いアプリを開発するために重要なポイントをまとめると、以下の通りです。
- 機能品質と製造品質の両立: ユーザー体験と技術的信頼性の双方を重視
- 早期からの品質意識: 要件定義・設計段階からの品質設計
- 体系的な品質管理: 組織的な品質保証プロセスの確立
- 専門知識の活用: 審査要件やプラットフォーム特性への深い理解
- 継続的改善: リリース後も含めた長期的な品質向上
株式会社ペンタゴンでは、組織的な品質管理体制、開発初期段階からの品質への意識、豊富な審査経験、そしてデザインファーストな開発を通じて、お客様に最高の品質を提供できるよう努めています。
今回ご紹介した「品質向上の取り組み」を参考にして、品質の高いアプリを開発するかどうか検討しましょう。もし「自社のアプリを作りたいけど、実際に品質を重視した開発ができるのか?」「アプリ開発の外注を検討していて、一度相談したい」などお考えでしたら、アプリ開発会社の株式会社ペンタゴンをご検討ください。
株式会社ペンタゴンの開発実績については、こちらをご覧ください。
下記よりお問い合わせできますので、お気軽にご相談ください!