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アプリ開発におけるAPIとは?API設計でアプリの品質の9割が決まる!?

こんにちは、株式会社Pentagonの山本です。

私は、10年以上アプリ開発を行ってきましたが、アプリの開発において見た目も重要ですが、データのやりとりをするAPIの設計も非常に重要な要素だと考えています。なぜなら、良いAPI設計は、アプリの大きな変更にも耐えることができ、開発効率を上げることができるからです。

この記事では、初心者向けにそもそもAPIとは何か。どういう点に気をつけてAPI設計をしたら良いのか解説していきます。

APIとは何か?

API(Application Programming Interface)は、異なるソフトウェア間での情報のやり取りを可能にするインターフェースです。APIを使用することで、開発者は既存のソフトウェアやサービスの機能を利用し、自身のアプリケーションに組み込むことができます。APIは、データの取得や送信、操作、異なるアプリケーション間の相互作用を可能にする多様な機能を提供します。

例えば、天気情報や地図データを取得するためのAPIを使用すると、アプリケーション内でリアルタイムの天気予報を表示することができます。APIは、アプリケーションの開発効率や機能性を向上させる重要な要素となっています。

APIの種類と利用方法

APIの種類は、その目的や利用方法によって異なります。主なAPIの種類には以下のものがあります。

  1. 公開API: 外部の開発者が利用できるAPIであり、主にWebサービスやプラットフォームで提供されます。例えば、Google MapsのAPIは、開発者が地図やルート情報を利用できるようにします。
  2. 内部API: 一つの組織内で利用するために開発されたAPIです。主に企業内部の情報共有やシステム連携に使用されます。例えば、会社内のCRMシステムと連携するためのAPIが該当します。
  3. パートナーAPI: 企業間の連携を目的としたAPIであり、ビジネスパートナーに対して特定のデータや機能の提供を行います。例えば、銀行と決済システムの連携に使用されるAPIがあります。

APIの利用方法は、開発者がAPIの仕様に基づいてリクエストを送信し、レスポンスを受け取ることで行われます。開発者はAPIキーを取得し、それを使用してAPIにアクセスします。APIの利用方法はドキュメントやガイドラインに詳細が記載されているため、それに基づいて開発を進める必要があります。

API設計の重要性

API設計はアプリ開発において非常に重要な要素です。良いAPI設計は、アプリの品質やパフォーマンスに直接影響を与えます。

API設計の重要性は、以下の点で明確になります。

  1. 機能性の提供:API設計は、開発者が必要なデータや機能に簡単にアクセスできるようにします。適切なAPI設計を行うことで、開発者は効率的にアプリを開発することができます。
  2. 可読性とメンテナンス性の向上:API設計は、コードの可読性とメンテナンス性を向上させるために重要です。適切な命名規則や一貫性のある設計原則に基づくAPI設計は、開発者がコードを理解し、保守するのに役立ちます。
  3. エラーハンドリングとセキュリティ対策:API設計は、エラーハンドリングとセキュリティ対策にも関与します。適切なエラーメッセージや適切な認証および認可の方法の実装により、開発者は安全かつ信頼性の高いAPIを提供できます。

良いAPI設計は、アプリの品質とユーザー体験に大きな影響を与えるため、開発者はその重要性を認識し、適切な設計原則を遵守する必要があります。

API設計の影響力と品質への影響

API設計の品質は、アプリの成功に大きな影響を与えます。適切なAPI設計により、アプリの機能性やパフォーマンスが向上し、開発者は効率的にアプリを開発できます。以下は、API設計が品質に与える影響です。

  • 可読性とメンテナンス性の向上:一貫性のある命名規則や設計原則に従ったAPI設計は、開発者がコードを理解し、保守するのに役立ちます。
  • エラーハンドリングとセキュリティ対策:適切なエラーメッセージや認証および認可の実装により、開発者は安全かつ信頼性の高いAPIを提供できます。
  • 再利用性の向上:適切な設計に基づいたAPIは、他のアプリやサービスとのシームレスな連携を可能にし、開発時間を短縮します。
  • パフォーマンスの向上:最適なAPI設計により、不要なリクエストやリソースの浪費を防ぎ、アプリのパフォーマンスを最適化できます。

良いAPI設計は、アプリの品質を向上させるだけでなく、開発者とユーザーの満足度を高める要素です。

効果的なAPI設計原則

効果的なAPI設計原則は、アプリ開発において重要です。以下に、API設計の効果的な原則をいくつか紹介します。

  1. 一貫性とシンプルさ:命名規則やデータ構造などの一貫性を保つことで、開発者がAPIを理解しやすくなります。また、冗長なコードや不要な機能を排除することで、APIのシンプルさを維持します。
  2. スケーラビリティ:将来の拡張性や変更に対応できるように、柔軟な設計を行います。バージョン管理をできるように将来の変更に耐えられる設計にします。
  3. エラーハンドリングとドキュメンテーション:エラーの対処方法や適切なエラーメッセージを提供することで、開発者が問題を解決しやすくなります。また、明確で詳細なドキュメンテーションを提供することで、APIの使用方法を理解しやすくします。
  4. パフォーマンスとセキュリティ:APIのパフォーマンスを最適化するために、不要なリクエストやデータの浪費を避けます。また、認証や認可などのセキュリティ対策を実装して、信頼性と安全性を確保します。
  5. バージョン管理とデプロイ戦略:APIの変更管理とデプロイ戦略を適切に計画し、ユーザーへの影響を最小限に抑えます。

これらの原則を守ることで、効果的かつ高品質なAPI設計を実現することができます。

RESTful APIとは?

RESTful APIは、Webサービスの設計原則であるREST(Representational State Transfer)を基にしたAPIのことです。RESTは、クライアントとサーバーの通信を行う際に、一貫性、統一性、シンプルさを重視した仕組みです。RESTful APIでは、HTTPメソッド(GET、POST、PUT、DELETEなど)を使用して、リソースの操作を行います。また、URLの構造やパラメータの利用など、柔軟な設計が可能です。

RESTful APIは、クライアントとサーバーの間でデータをやり取りするため、アプリケーションの開発や連携において非常に重要な役割を果たしています。RESTful APIを使うことで、アプリケーションのパフォーマンス、スケーラビリティ、セキュリティを向上させることができます。

APIを設計する際に気をつけること

APIの設計はアプリ全体の品質に関わる重要な要素となります。ここでは、APIを設計・開発する際に気をつけるべきことについて解説していきます。

適切なメソッドを使う

APIを設計する際には、適切なメソッドを使用することが重要です。GETメソッドはリソースの取得に使用され、状態の変更を伴いません。POSTメソッドは新しいリソースの作成に使用されます。PUTメソッドは既存のリソースの更新に使用され、DELETEメソッドはリソースの削除に使用されます。メソッドの適切な使用により、APIの処理が分かりやすくなり、予期せぬ動作やエラーを防ぐことができます。

命名規則を徹底する

APIのリソースやエンドポイントの命名には一貫性が必要です。URLの構造もリソースの階層を反映するように設計します。命名規則を徹底することにより、APIの可読性と保守性を向上させることができます。

  1. クリアで理解しやすい名前を使用する。リソースやエンドポイントの名前は、それが何を表しているか明確にする必要があります。一貫性のある命名規則を適用し、開発者やユーザーがAPIの目的や機能を素早く理解できるようにしましょう。
  2. 名前の長さを適切に調整する。短すぎる名前では意味が伝わりにくくなりますが、長すぎる名前も使いづらくなります。適切な文字数で、わかりやすく使用目的を表現する名前を選びましょう。
  3. HTTPメソッドに基づいた名前付けを行う。RESTful APIの場合、HTTPメソッドに基づいた命名規則を使用することで、APIの目的が明確になります。

バージョン管理

APIの設計においては、将来的な変更やアップデートに対応するためにバージョン管理が重要です。バージョン管理を行うことで、旧バージョンと新バージョンの間で互換性を保ちつつ、変更を行うことができます。これにより、アプリケーションの安定性と柔軟性を確保することができます。

画面に依存しない汎用的な設計

APIの設計においては、アプリの画面に依存することなく汎用的な設計を心掛けることが重要です。画面に依存しない設計により、APIは複数のクライアントアプリケーションで利用できる柔軟性を持ちます。また、画面との分離により、アプリケーションの拡張性と保守性が向上します。

アプリの画面とは分離したAPI設計になっていることで、アプリの画面にデザイン変更があったときに、APIの改修を最小限に抑えることができます。

これらのポイントに気をつけることで、APIの設計品質を向上させ、アプリ開発の効率と品質を高めることができます。

API連携が必要なアプリの開発効率を上げるには?

API連携が必要なアプリの開発効率を上げるためには、SwaggerやPostmanのような開発ツールを活用することが重要です。これらのツールを使用することで、APIのドキュメント作成やテスト、デバッグが容易になります。

Swagger

https://editor.swagger.io/

Swaggerは、APIの設計、構築、文書化、および使用のためのオープンソースのソフトウェアフレームワークです。現在は、OpenAPI Specification(OAS)としても知られており、RESTful Webサービスのインターフェースを記述するための言語に依存しない仕様となっています。Swaggerは、APIのライフサイクル全体を通じて、開発者がAPIをより簡単に計画、構築、テスト、および標準化するのを助けます。

Swaggerの主な特徴:

  1. インタラクティブなAPIドキュメント: Swaggerは、APIの構造を視覚化し、直感的なユーザーインターフェースを通じてAPIのエンドポイントを探索し、テストすることを可能にします。これにより、開発者はAPIの動作をすばやく理解し、デバッグを容易に行えます。
  2. コード生成: Swaggerツールセットは、API定義からクライアントライブラリ、サーバースタブ、APIドキュメントを自動的に生成する機能を提供します。これにより、手作業によるコーディングエラーが減少し、開発プロセスが加速します。
  3. APIの設計と仕様の標準化: Swaggerを使用すると、APIの構造を一貫した形式で記述できます。これにより、チーム内でのコミュニケーションが向上し、APIの設計が標準化されます。
  4. テストとバリデーション: Swaggerツールは、APIが仕様に沿って正しく動作しているかどうかを確認するためのテストとバリデーションのフレームワークを提供します。これにより、エラーを早期に発見し、修正することができます。

Postman

PostmanはAPIのテストシナリオを作成し、各種リクエストの結果を確認することができます。

https://www.postman.com/

Postmanの主な特徴:

  1. リクエストの作成とテスト: Postmanを使用すると、REST, SOAP, または GraphQL などさまざまなタイプのAPIリクエストを簡単に作成、送信、およびテストできます。ユーザーは、リクエストURL、ヘッダー、ボディ、パラメーターなどを設定し、APIレスポンスを確認できます。
  2. 環境変数: Postmanでは、異なる開発環境(例えば、開発、ステージング、本番)に対応するために、環境変数を定義し、管理することが可能です。これにより、異なる環境でのAPIテストが簡単になります。
  3. コレクション: APIリクエストをコレクションとして整理できます。これにより、関連するリクエストをグループ化して、共有やドキュメント化が容易になります。
  4. 自動テストとスクリプト: Postmanには、APIレスポンスを検証するためのテストスクリプトを記述する機能があります。これにより、APIの動作を自動的にテストし、回帰テストを実行できます。
  5. ドキュメント生成: Postmanは、APIリクエストとレスポンスの情報からドキュメントを自動生成することができます。これにより、APIの使用方法を簡単に共有し、エンドユーザーがAPIを理解しやすくなります。
  6. チームのコラボレーション: Postmanはチームでの共同作業をサポートしており、コレクション、環境、およびAPIドキュメントをチームメンバー間で共有できます。

外部APIを使う際の注意点      

外部APIを使う際には、以下の注意点に注意する必要があります:

  1. 料金・SLAの確認:外部APIを使用する際には、提供されるAPIの料金体系やサービスレベルアグリーメント(SLA)を確認することが重要です。料金体系やSLAに関する情報を入手し、自社の予算や必要な機能と照らし合わせて最適な外部APIを選択しましょう。
  2. データのセキュリティ:外部APIを利用する際には、データのセキュリティに注意が必要です。APIを介してデータを送信する際には、暗号化や認証の手法を使用し、データの漏洩や改ざんが防止されるようにしましょう。
  3. APIの信頼性と安定性:外部APIの信頼性と安定性も重要な要素です。APIプロバイダーの信頼性や過去のパフォーマンスを調査し、適切なAPIを選択することが大切です。
  4. ドキュメントとサポート:外部APIを利用する際には、充実したドキュメントとサポートがあるかを確認しましょう。APIの利用方法やトラブルシューティングに関する情報が提供されている場合、開発者は迅速に問題を解決することができます。

外部APIを適切に選択し、注意点を押さえることで、アプリ開発においてスムーズな連携を実現することができます。

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