【アプリ開発】デザインにかかる費用相場とは?費用を抑える方法も紹介
近年のスマートフォンの普及により、戦略的なブランディングを図ったり、さらなる利益を上げたりするために、企業がオリジナルのアプリを開発するケースが年々増加しています。しかし、アプリ開発に興味はあるものの、実際に開発にかかる費用が分かりにくいために、二の足を踏んでしまっている企業も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、アプリ開発の重要なプロセスであるデザインについて、一般的な費用相場の目安と、費用を安く抑える方法をご紹介します。
アプリのデザイン制作とは?
アプリのデザインは、ひとことでデザインと言っても様々な業務があります。アプリのデザインは、UI/UXデザインの5段階モデルとして、5つに分類されるのが一般的です。
戦略
アプリを制作する目的やコンセプトを明確にしたります。時には、ユーザーインタビューを実施したり、UXをベースに考え、コンサルティングを実施する時もあります。
要件
戦略から逆算して、アプリに必要な機能やコンテンツを決定します。
構造
決まった要件にもとづいて、ワイヤーフレーム(アプリ全体の骨格)を作成します。当社の経験上、大規模なものだと、300画面程度になります。
骨格
ワイヤーフレームをより具体化して、画面の骨格を作成していきます。この際、カラーやテイストは重要ではないため、白黒で画面の骨格を作成します。
表層
ここまでの設計をもとに、グラフィックデザイン、ロゴデザイン、キャラクターデザインを行い、アプリのブランディング、カラー、テイストなどを調整していきます。
この一連の流れがアプリ開発におけるデザイン業務の全体像となります。
アプリのデザインにかかる費用の相場とは?
そもそも、一般的にアプリのデザイン費用はどの程度の費用がかかるものなのでしょうか。
「アプリデザイン」とひとくくりに言っても、アプリの内容やデザインのスタイル、また、デザインを依頼する制作会社や個人開発者により、費用はかなり幅があります。あくまで目安にはなりますが、制作会社に依頼するのであれば、料金は100万円から400万円程度が相場となります。
一方、フリーランスデザイナーなどの個人制作者の場合は、同じ内容を制作会社に依頼する場合と比べると、やや料金は安くなります。基本料金という設定はないことが多く、依頼内容に応じて10万円から100万円前後と幅のある相場となります。
費用の詳細についてはピックアップしたいくつかの依頼先に相見積もりをとるなどして、詳細につめていくことが欠かせません。特にデザイン費用は、デザインを必要とするページの数量やカスタマイズ性の有無によって大きく変化するため、事前に依頼内容を明確にした上で見積もりをとりましょう。
アプリのデザイン費用を決定づける要素
それでは、アプリをデザインするために必要になる費用は、どのような要素によって決まるのでしょうか。
基本的に、アプリのデザイン開発費用の大半を占めるのは人件費になります。この人件費は、デザイナー1人当たり作業単価に作業時間を掛け合わせて計算します。IT業界では慣例的に、人件費の見積もりを予測するために、人月(にんげつ)という用語を使用します。
例えば、デザイナー1人1時間当たりの作業単価が5,000円だと仮定し、そのデザイナーが月に200時間その業務に当たるとした場合、人月は100万円という計算になります。
では次に、人件費の概要について、仕事を頼むデザイナーの所属およびスキルレベル、依頼する業務内容から詳しく確認してみましょう。
依頼するデザイナーの所属やスキル
デザイナーの所属によって、かかる人件費は異なってきます。例えば、大手の開発企業に所属するデザイナーに依頼する場合は多少高めの料金がかかる傾向にあり、フリーランスのデザイナーに仕事を頼むなら比較的リーズナブルな価格で済むかもしれません。
こうした人件費は、高度で専門的なスキルとノウハウが求められる仕事になればなるほど価格と価値は高騰します。そのため、デザイナーに求めるスキルやノウハウ、人件費の相場との相関関係を事前にリサーチしておくことが大切です。デザイナーのレベルと人件費の相場との関係は、おおむね以下のような相場となっています。
- ジュニアデザイナー:60~80万円/月
- リードデザイナー :80~100万円/月
- アートディレクター:100万円~/月
依頼する業務内容
当然ではありますが、依頼する業務内容によっても価格は変動します。
ロゴデザインやいわゆるフロント部分だけのデザインを任せるのか、UIUXを含めたデザインを任せるのかによって、金額は大きく変わるはずです。また、先ほどご紹介したように、依頼する分量やスケジュールなどによっても変わるでしょう。こちらもあくまで目安ではありますが、以下のような費用相場となっています。
ロゴマークのデザイン | 10万円〜30万円 |
アプリアイコンの作成 | 3~10万円 |
グラフィックデザイン | 3万円~10万円 |
キャラクターデザイン | 50万円 |
画面デザイン | 1画面あたり1万円〜 |
アプリのデザイン費用を抑えるためには?
ここまで、アプリのデザイン費用の相場をテーマに解説してきました。アプリのデザイン費用は高くつきがちなので、見積などを出した後に一度ペンディングしてしまっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実はアプリのデザイン費用を安く抑えるための方法もいくつか存在します。そこでここからは、アプリのデザイン費用を抑えるための具体的なアイディアをご紹介します。
アプリ開発ツールを活用する
まず挙げられる方法は、アプリの開発ツールを使うことです。アプリのデザインに費用や時間を取られたくない場合には、特に役立つでしょう。
アプリ開発ツールの多くは、デザインはもちろんのこと、アプリに求められる機能を高度に実現できるようになっています。そのため、自社の目指す目標に応じて機能をカスタマイズすることが可能です。アプリ開発全体を外注してしまう場合よりも、自社の実現したいサービス内容に併せて柔軟に対応できるため、思い描いている完成物と齟齬なく開発を進められるでしょう。
近年はプログラミング言語の知識がなくとも開発できる、ノーコードサービスなども増えているため、社内にIT人材が不足していたりリテラシーが足りなかったりする場合にもおすすめです。
部分的に自社対応する
次にご紹介する方法は、アプリのデザインに必要なプロセスのうち、自社内で対応する部分を多く取ることです。もし、自社内にデザイナーがいて、割合に短い期間で必要なデザインができるという見通しが立てられるならば、外部の制作企業に注文するよりもずっと経済的に済ませられるでしょう。
さらに、内製化した場合はアプリデザインのスキルやノウハウを自社内に蓄積できるという利点も見逃せません。
なお、この場合の注意点として、スキル・経験・意欲を十分に見極めて担当デザイナーを決め、あらかじめ制作の見通しを立てておくようにしましょう。自社開発と外注制作を併用する場合には、開発を引き継ぐスケジュールをあらかじめ引いておき、進行に齟齬がないようにしなければなりません。仮に自社側の制作進行が遅れてしまうと、新たに追加料金を支払わなければならなかったり、リソースが足りずに結局すべて外注制作に任せなければならなかったりすることもあるでしょう。
外注先の制作会社と密に連携しながら仕様などを共有し合い、つつがなくスケジュールを進行できる能力が求められるのです。
また、デザイナーがアプリのデザインについて経験やスキルを持っているかどうかも重要です。アプリデザインはその他の媒体のデザインとは大きく勝手が異なるため、未経験の状態で制作に関わると、うまくいかず開発に悪影響となる恐れや、ユーザーにとって使いにくいアプリとなってしまう恐れもあります。アプリデザインの知見がない場合は、専門の企業に依頼するほうが無難でしょう。
複数の企業・デザイナーに見積もりを依頼する
最後にご紹介するのは、複数の制作会社および個人デザイナーに見積もりを依頼して、内容と費用とを比較検討するというものです。外注制作を行ううえで相見積もりは当然のことですが、妥協せずしっかりと比べてみましょう。なお、依頼する外注先をピックアップする際には、制作会社のHPなどを確認してこれまでの実績をよく確認しておくことが大切です。
例えば、自社が開発を予定しているジャンルや機能の開発実績がある制作会社であれば、より理想に近いものが実現できるはずです。
また、アプリ開発の制作会社といっても、得意なジャンルや強みは異なります。デザインだけを担当する会社もあれば、開発からデザインまで一気通貫で担当してくれる制作会社もあります。仮に自社で初めてアプリをローンチする場合、サービスの戦略策定から開発・デザイン・その後の運用フォローまで一貫して任せられる企業に依頼した方が良いかもしれません。あくまでサービスの良さを最大限活かすために、何を一番に重視して選ぶべきか、社内でよく吟味して決めましょう。
まとめ
今回はアプリ開発の費用の中でも、デザインに焦点を当ててご紹介しました。
一口にデザイン費用と言っても、その対応範囲は広く、内容によって費用も変動します。しかし、だからこそ事前に何をどこまで依頼するべきか、明確にしておくことが大切です。
これからアプリ開発を検討している企業様はもちろん、アプリ開発を一度保留してしまっている企業様も、ぜひ今回の内容を参考にして、より良いアプリ開発を進めてみてください。