SDGs推進!持続可能なアプリ・システム開発を目指して
こんにちは、株式会社Pentagon代表の山本です。
この度、当社は『5Rによる持続可能なソフトウェア開発』を目指して、活動していくことを発表させていただきます。
ソフトウェアの受託開発には、様々な課題が存在します。
- 実際に開発してもユーザーに使ってもらえない
- 機能を詰め込みすぎて使いにくいシステム・アプリになってしまう
- 車輪の再発明(同じようなものを再度作成すること)を繰り返している
- 開発してメンテナンスされずに放置されてしまう
- 失敗が次に活かされない・廃棄されてしまう
5Rを重視することで、上記のような受託開発における課題を解決し、持続可能なソフトウェア開発を実現したいと考えています。
システムやアプリ開発を発注する事業者にとって、費用と時間をかけて開発したシステムがユーザーに使ってもらえなかったり・メンテナンスされずに放置、最悪の場合、廃棄されてしまうことは、大きな損失となります。
また、エンジニア・デザイナーが数ヶ月から一年程度に渡って、一生懸命に制作したプロダクトが誰にも使ってもらえず、廃棄されてしまう。こうした事態になってしまうと、クリエイターのモチベーションに非常に悪い影響を与えます。
こうした悪循環を断ち切るのが、5Rによる持続可能なソフトウェア開発です。
本記事では、当社が取り組む5Rとは具体的に何か・SDGsにどのように貢献するのか紹介したいと思います。
5Rによる持続可能なソフトウェア開発
REFINE!要件を洗練する
アプリ・システムを開発する際には、開発の前段階から洗練された戦略を練ることが重要です。
ソフトウェアの受託開発において、ユーザーのことを十分に考慮されていない要件や設計になってしまっており、実際に開発してもユーザーに使ってもらえないものが出来上がってしまうという課題があります。これを防ぐためには、設計段階においてユーザーファーストなアプローチを取ることが非常に重要です。
この課題に対処するために、上流工程にデザイナーを参加させることが重要です。デザイナーはユーザーのニーズや要求を理解し、それに基づいた要件や設計を行います。ユーザーにとって使いやすいインターフェースや機能を提供するために、デザイナーがUXを意識したデザインを行うことが重要です。
デザイナーが上流工程に参加することで、ユーザーファーストな開発を行うことができます。デザイナーはユーザーの視点から要件や設計を考え、ユーザーが満足するアプリ・システムを設計することができます。ユーザーファーストなアプリ・システムは、ユーザーにとって使いやすく便利なものとなり、成功する可能性が高くなります。
また、ユーザーのニーズを正確に把握することも重要です。そのためには、アプリ・システムの制作においてデザイナーの視点を尊重し、上流工程からユーザーファーストな開発を行うことが不可欠です。必要に応じて、ターゲットユーザーのヒアリングを実施したりします。
REDUCE !制作物を縮小して試す
REDUCEとは、減らすという意味ですが、無駄を省き、MVP開発を行います。MVP開発とは、ユーザーに価値を提供できる必要最低限のプロダクトを開発し、公開。実際にユーザーに使ってもらい、フィードバックを得て改善を行っていく開発手法です。これによりユーザーが求めいていない無駄な機能を開発するのを防ぎます。
また、システム開発の成功率は、プロジェクト規模が大きくなるほど、コントロールするのが難しくなり、低下する傾向になります。日本のシステム開発の成功率が30 - 50%程度であるというデータからも、プロジェクト規模を適切に縮小することは、プロジェクトのコントロールを容易にし、成功する確率が上がると考えています。
REUSE!再利用して高速に開発する
アプリ・システム開発において、再利用するという考えが非常に重要になってきます。なぜなら同じようなものゼロから生産していても、新しい価値を生み出すことが無いからです。
当社では、一般的な部分の開発に関しては、当社が事前に用意した部品を使うことで高速に開発することができます。また、開発しては終わりではなく、開発したプロダクトから一般的なプログラム部分を抽出し、再利用可能な部品として構築します。
これにより制作業務の効率化・高速化に繋がります。より短い時間・少ない労力で、アウトプットができることで、一人あたりの生産性も向上すると考えております。
また、プログラムを自動生成する試みも実施しており、高速開発できる取り組みの一環として、2022年11月に特許の取得もしております。
更に、当社はテンプレートを活用したセミカスタムズ型の開発に重点を置いています。現在、当社が運営するBIZBIZ(ビジネスマッチングアプリ)を基盤とし、再利用することで、様々なマッチングアプリを効率的に開発ができる状況にあります。
REPAIR!公開してから改善する
アプリやシステム開発は、開発しては終わりではありません。開発した後、ユーザーのフィードバックや新しい課題に対応すべく、改善活動を行う必要があります。新規でアプリ開発をする場合、QDC(品質・納期・コスト)の遵守を1つの重要な指標に掲げています。QDCを遵守するのは当たり前かもしれませんが、システム開発の成功率は30%〜50%程度と言われています。
まずは初期開発において、QDC(品質・納期・コスト)の遵守した開発を実施し、顧客と信頼関係を構築することが重要です。単なる受発注の関係ではなく、プロジェクトを成功させるためのひとつのチームになって行動します。
プロジェクトを始動させる場合は、運用保守の予算も考慮して、持続可能なモノづくりをすることが重要です。
RECYCLE!失敗を活かし再生・再利用する
当社では、開発の中で得た知見をナレッジとして蓄積するだけなく、積極的に公開することによって、次の制作活動に活かしていきます。現在、全社で技術ブログを運営しておりますが、2023年12月より社員を含めて、YouTubeでのナレッジ公開を開始予定です。
また、失敗してしまったプロジェクトも再利用できるように、将来的にアプリやWebサービスの事業譲渡のサポートも視野に入れています。
当社の事業活動によるSDGsの推進・貢献
ソフトウェアの受託開発における課題を解決するために提唱した5Rですが、SDGsとも深く関連しています。当社は、経済面・環境面・社会面に対して、貢献できればと考えております。詳しく解説していきます。
経済面に対する取り組み
当社では、様々な業界のアプリ・システム開発を行っておりますが、「5Rによる持続可能なソフトウェア開発」を実現し、円環を成すことによって、より高速により良いものを開発することができます。アプリ・システム開発によるデジタルトランスフォーメーションを通じて、様々な産業における革新の一助になりたいと考えております。
環境面に対する取り組み
私は、アプリ・システム開発の業界において、デジタル産業廃棄物が問題だと考えております。
クリエイターが懸命に開発するものの、事業がうまく行かない・起業家の熱意が無くなってしまう等の理由で、開発したアプリ・システムが活用されずに廃棄されてしまうという問題です。
「5Rによる持続可能なソフトウェア開発」を実現することで、使われなくなったシステムも再利用・再生できる体制を構築していきたいと考えております。
社会面に対する取り組み
もともと『5Rによる持続可能なソフトウェア開発』は、スマートシティ(都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域)をイメージして考案されました。アプリ・システム開発を通して、様々な業界や都市の課題の解決を行い、また新たな価値を創出したいと考えております。
まとめ
現状当社では5Rのそれぞれの項目に対して、実践はしているものの、それぞれの項目が有機的に連携し円環を成していない状態です。5Rの円環を成すことで、顧客・従業員・ユーザーにとって、より良いアプリ・システムの開発ができると信じています。故に、全社をあげて『5Rによる持続可能なソフトウェア開発』を目指してくことを決定しました。
株式会社Pentagon代表取締役 山本真矢