画像認識アプリの開発は外注がおすすめ!費用の相場や開発のポイントを解説
画像認識技術は近年特に発展を遂げている技術の一つで、現在ではマスクをしている人の顔すらコンピューターで見分けることができるそうです。
今回は、この技術を利用した「画像認識アプリ」について、仕組みや種類、開発方法まで細かく解説します。
画像認識アプリとは?
画像認識アプリは、その名の通り、写真や映像から特徴を抜き出し、それらをデータとして利用するためのアプリケーションです。ひと口に画像認識と言っても、利用目的により全く別の働きを持っています。
この技術は「パターン認識技術」と呼ばれ、自然情報処理のひとつに分類されています。最も古く、身近な画像認識として、「バーコードの認識」が挙げられます。画像としては簡単なものですが、先の本数や太さなどを測定してデータ化する、ひとつの画像認識です。その後、デジタルカメラの普及とともに、顔を認識してオートフォーカスする機能ができたり、インターネットサイトによる画像検索が公開されたりするなど、画像認識機能は徐々に広がりを見せてきました。
近年では、コンピューターの処理速度の向上と、それに伴ったAI(人工知能)の深層学習(ディープラーニング)技術によって、複雑な画像に対しても高い精度で判定を行えるようになり、様々な分野へ導入が進められています。
対象物別に適したアプリが異なる
当たり前ではありますが、画像認識アプリでは非常に多様な画像が使用されます。同じ被写体であっても、撮影日時や角度が違うだけで、全く異なる見た目になってしまうでしょう。
そんな多様な画像を、できるだけ正確に判定し、アプリ利用者に的確な情報を伝えるために、目的に沿ってアプリを「専門化」する場合があります。
例えば、「花」の情報を調べるときに、使用された画像が「魚」と一致するかどうかは、人間だったら判断するまでもありません。しかし、AIには「花」や「魚」がどういった特徴を持っているのか、画像のパターン以外の部分は判断できないのです。そのためAIには、あえて「花」以外の写真は最初から覚えさせず、送られた画像が何であれ、その画像に似ている「花」を調べさせるように作ります。こうすることで、「花」専門の画像認識アプリができ上がるわけです。
こうして特化・専門化されたアプリなら、高い精度が期待できます。また、こうした特化は利用者だけでなく開発・運営サイドにも有利に働きます。あらかじめ用途を限定しておくことで、設計やテストなどの工数を軽減できる可能性があるためです。アプリが使いやすく、正確な判定を行うためにも、目的別にアプリを用意することが重要となってくるでしょう。
主な画像認識アプリの例
ここからは各アプリストアからダウンロード可能な画像認識アプリをご紹介します。実際に画像認識アプリを利用してみることで、画像認識技術が既に私たちの生活に根ざしていることが実感できるはずです。
・Picture This(https://androidogate.net/picturethis/)
PictureThisは花や植物をカメラで撮影することで、被写体となった植物の名称や、その植物の特徴、さらには分布マップまで表示してくれる、植物に特化した画像認識アプリです。品種の同定が難しい植物だとしても、PictureThisの画像認識技術を使えばアップロードした画像から簡単に何という名前の植物かを識別可能です。
PictureThisには有料プランが用意されており、機能を無制限で利用できるほか、専門家に相談したり対談したりするサービスの提供で収益性を高めるビジネスモデルとなっています。
・Googleレンズ(https://lens.google/intl/ja/)
アプリ名の通り、Googleが開発している画像認識アプリです。撮影した被写体と一致する情報を表示するだけでなく、カメラで取っている文字をデータ化することもできたりと、複合的な機能を持っています。Googleレンズは自身で言語化できな対象の詳細情報を簡単に検索可能です。
これは単なる検索機能の拡張にとどまらず、取得した情報使ってWebサイトや商品購入ページへ誘導するアクションを促せます。BtoC、BtoBマーケティングでもユーザーの接点としてGoogleレンズが活用され始めています。
・Picture Bird(https://app-liv.jp/5338545/)
画像に写っている、鳥の名前を調べることができるアプリです。カメラ撮影と、鳥が写った画像のアップロードすることで判定を行えます。Picture Birdは有料プランのみのアプリで、高精度な画像認識機能が最大の特徴です。鳥の画像認識は雄雌を見分ける精度までサポートしていることがほとんどです。Picture Birdは鳥類の画像認識に特化しているため雄雌の識別も判定できます。
さらに、画像認識だけでなく音声認識技術も備わっており、鳥の鳴き声からも識別が可能な鳥好きにとっては非常に利便性の高いサービスを提供しています。
画像認識アプリに必要な機能とは?
画像認識アプリには大まかに分けて、ふたつの機能が必要です。
一つ目は「画像を読み取る機能」です。利用者が指定した画像ファイルや、スマートフォンなどのカメラ映像を読み取り、細分化し、どういった画像なのかを判断するための「要素」に変換する機能となります。
二つ目は「画像を判定する機能(AI)」です。要素ごとに分解された画像のデータを、AIなどにより、「どういった画像なのか」判定します。判定内容は条件によって変わり、「どういった植物か」といったような限定的な判定から、漠然とした「何が写っているか」というような判定まで、多岐にわたる判定を行うことになります。
画像認識アプリの開発はAPIでの効率化がポイント
アプリの開発においては、ベースとなる機能や共通処理などに、公開されているAPIを利用することで、効率的な開発を行うことができるでしょう。APIとは「Application Programming Interface」の略で、簡単に言うと「一定の機能を持ったアプリケーションのパーツ」のようなものです。公開されているAPIを利用することで、そのAPIが持つ機能の部分については開発を省略することができます。
とりわけ、画像認識のアプリを開発する場合には、このAPIが重要となってきます。
画像認識では複雑な条件を判定することになることから、多くの場合、AIに判定処理を行わせます。AIの開発には非常に大きなコストがかかるため、新しい画像認識アプリのためだけに作成するというのは、あまり現実的ではありません。
また、AIに画像を判定させるには、膨大なサンプルが必要となります。APIを用意している企業では、ビッグデータと呼ばれる大規模データベースを使用し、AIに深層学習を行わせているため、AIの開発だけでなく、膨大なサンプルデータを用意する手間も省くことが可能です。画像認識アプリで利用されるAPIから、有名なものをいくつかご紹介します。
画像認識アプリ開発の費用相場
では、画像認識アプリが作りたいとなったときに、一体どのくらいの費用を見積もっておけばよいのでしょうか。
アプリなどの開発では、一般的に「人月」という単位で作業量を表し、その作業量に沿って開発費用のベースが算出されます。人月とは、一人の人間が一ヶ月でできる仕事量を表し、これを基準に、何人がかりでどのくらいの期間を使うかを決定するための指標です。単純に言うと、確保した技術者の人件費合計を、納期までの期間分まとめたものが、開発費用のベースとなるイメージです。
画像認識アプリの場合、通常のアプリ開発に加えて、画像認識を行うAIの実装と、AIが使用するデータをどのように用意するかといったような、少し特殊な要件についても考慮が必要です。
大まかにではありますが、通常のアプリ開発には、300万円以上の開発費が必要になると言われています。画像認識アプリを開発する場合には、それよりも高額となる、おおよそ500万~1000万円ほどの費用を目安に、入念に企画や打ち合わせを行いましょう。
アプリ開発の開発費用についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
【相場】モバイルアプリの開発費用はいくら?開発費を抑える方法も紹介
API利用にかかる費用も考慮が必要
画像認識アプリにかかわらず、公開されているAPIを利用してアプリ開発を行うと、そのAPIの使用料金がランニングコストとして継続的に発生する場合があります。APIの利用料には、最初に料金を支払うものや、利用回数で料金が決まるもの、月額・年額で利用料を払い続けるものなど、いくつかのタイプが存在します。
一見すると、APIを利用することで、余分なコストがかかっているようにみえるかもしれません。しかし、APIでまかなえる部分の開発工数を省略することができ、オリジナルの実装部分のみに集中して開発できることで、全体のコストを下げることが可能となります。
画像認識アプリ開発は外注がおすすめ
アプリの開発は自社で行うか他社へ外注するか、どちらを選ぶべきなのでしょうか。
自社にアプリ開発のノウハウが十分にあり、エンジニアも成熟し、万全の体制を用意できているようであれば、自社での開発が有利に働くでしょう。しかし、そういった恵まれた状況が整うことは、あまり多くはありません。
アプリの開発を外注することには、いくつかのメリットが存在します。
まず、開発を外注した場合、制作費用を見積もりやすいという特徴があります。自社開発を行った場合、予算の見積もりが甘くなったり、自社内でのやりくりなので、ズルズルと開発期間が延びてしまったりと、予算感覚がルーズになりがちです。しかし、外部へ開発を委託した場合、基本的には、見積もられた開発費の範囲内で、アプリの制作を待つことができます。予算のやりくり自体も外注することが可能です。管理コストも軽減できますので、費用面でのメリットといえるでしょう。
次に自社開発と違い、開発に必要な人材について、マネジメントや育成を行う必要がないという点です。人材の確保は常につきまとう問題ではありますが、開発を専門としている企業に外注すれば、そういった人材確保やマネジメントにかかるコスト自体を、開発費の中に明示的に組み込むことが可能です。あらかじめノウハウを持った企業へ依頼することで、アプリ自体の完成度を底上げできるという点も魅力の一つです。
画像認識アプリ開発を成功させるために必要なポイント
アプリを開発したものの、利用者が少なく開発費の回収ができない。そんな状況を回避するためには、どのようなポイントを押さえておく必要があるのでしょうか。
ここでは、アプリ開発を成功させるためのポイントをご紹介いたします。
「企画」は最も重要な工程
アプリの開発では、すべてを外注するという手段もないわけではありませんが、自社のブランドを冠して展開させるのであれば、しっかりとした企画が必要です。いざ開発を外注しても、自社と開発企業の間でイメージに食い違いがあってはいけません。どういった目的でどのようなアプリを開発し、何を実現したいのかなど、しっかりとした目標を立て、課題・問題点・認識の齟齬をなくして開発することで、品質の高いアプリを作ることができるでしょう。
アプリの企画を作る際に押さえておくべきポイントをこちらの資料でもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
アプリマーケティングの基礎を解説!これを知っているだけでC向けアプリの企画が劇的に変わる!
外注先選びは慎重に
小規模なアプリであればともかく、画像認識などの高機能アプリ開発には、多額の資金が必要になりがちです。しっかりと企画書を作成した上で、必ず複数の企業へ見積もりを依頼(相見積もり)しましょう。
企業によって価格はまちまちになりますが、「安いから」という理由だけで外注先を選ぶのは避けるべきです。アプリの開発業務では、優秀なエンジニアをようする企業であったり、豊富なノウハウ・実績を持つ企業ほど、開発費用が高くなったりする傾向があります。費用を抑えることだけを考えてしまうと、せっかく投資したアプリが使い物にならないなど、最悪の結末を迎えてしまう可能性もあります。
相見積もりを行うことで、相場を判断し、企画書をしっかり理解している企業を見つけ、入念な打ち合わせを行いましょう。
ユーザー獲得やマネタイズ戦略を練る
アプリはリリースしたら終わりではありません。明確な目的を設定し、目的に沿った戦略で維持・運営を行う必要があります。昨今では、アプリといえば基本無料というイメージすらありますが、アプリは維持するだけでランニングコストがかかります。最低限、ランニングコストをかけている分の利益を出す必要があります。
利益には直接的な収益だけでなく、広告としての利用価値や、ユーザーの獲得、市場の開拓など、様々な付加価値も含まれます。
目的を明確にし、そこへ向かうための計画と、計画に沿った運営が揃うことで、健全なアプリ運営が行えると言えるでしょう。
アプリマーケティングの基礎知識から実践のポイントについて、こちらの記事でもご紹介しています。
マーケティングを見据えたアプリ開発を行うには?実践のポイント解説
まとめ
今回は画像認識アプリの開発は外注がおすすめの理由をご紹介しました。AIを一から開発すると開発費用が高額になりますが、APIを使えば効率よくアプリを開発して利便性の高いサービスを提供することが可能です。
そんな画像認識アプリ開発の外注を検討中の方はモバイルアプリ開発会社「Pentagon」にご依頼ください。豊富なモバイルアプリ開発実績から多様なニーズにお応えできる画像認識アプリ開発のご提案をさせていただきます。