プロが使う「アプリのユーザー獲得手法」施策5選を徹底解説

アプリのユーザー獲得のために行うべき手法は、次の5つです。

  • ①ASO
  • ②Web/SNS広告
  • ③SNS運用
  • ④PR・インフルエンサー
  • ⑤オウンドメディア

まずはこの5つの基礎を押さえることで、闇雲に広告費を使うのではなく、再現性のあるユーザー獲得の土台をつくれます。さらに本記事では、これらの施策に着手する前に必ず準備しておきたい「ペルソナ設計」「KPI・予算設計」「運用体制づくり」のポイントも解説します。

本記事では、アプリ開発会社『株式会社ペンタゴン』でエンジニアとして多数のアプリ開発・グロースを支援してきた筆者が、実データも踏まえてアプリのユーザー獲得手法と考え方を具体的にご紹介します。

※本記事では、各種データを扱いますが、Googleの調査 "How people discover, use, and stay engaged with apps" を参考にしております。

【この記事の監修者】山本 真矢 株式会社Pentagonの代表取締役社長
経歴:Y-Combinator StartUp School / Arizona State University / 2013年からスタートアップを中心に様々な企業のアプリ開発を支援。2018年に株式会社Pentagonを設立。2023年アプリ開発高速化する特許を取得(7184410)。アプリやWebサービスの開発に関する情報をYouTubeでも配信しています。

アプリのユーザー獲得に効果的な施策5選

ユーザー獲得のチャネルは無数にありますが、まず押さえるべきは次の5つです。
ここを土台として、予算やターゲットに合わせて優先順位をつけていきましょう。

施策① ASO(アプリストア最適化)

ASO(App Store Optimization)は、ストア内検索やランキングで見つけてもらいやすくするための施策です。

Googleの調査では、新しいアプリの発見経路として「友人・家族が使っている」が51%、「アプリストアをブラウジング」が48%、「ストア内でのおすすめ」が34%と、アプリストア起点の発見が上位を占めています

この段階で候補に入っても、インストールされるかどうかは別問題です。
ストア検索でアプリを探す際、ユーザーが「非常に重要/重要」と答えた判断要素の上位は以下の通りです。

  • 価格:85%
  • プライバシー・セキュリティ:84%
  • どれだけ使いそうか:71%
  • 説明文:71%
  • 使用メモリ量:66%
  • レビュー:61%
  • 評価(★の数):60%

このデータから分かるように、ASOは「検索で引っ掛ける」だけでなく「説明文・価格・レビューで不安を解消すること」が重要です。

具体的にやるべきこと

  • キーワード設計
    ・ユーザーが実際に検索しそうなワードをタイトル・サブタイトル・説明文に自然に盛り込む
  • クリエイティブ改善
    ・アイコンやスクリーンショットで、「何ができて、どんなメリットがあるか」を一瞬で伝える
  • レビュー対策
    ・満足度が高まるタイミングで、アプリ内からレビュー依頼を出す
    ・低評価レビューには誠実に返信し、改善内容を記載する

施策② Web広告・SNS広告

短期間でユーザーを増やしたい場合、Web広告・SNS広告は最もスピードが出る手段です。
ユーザーにとっては、他のアプリやSNSを使っている最中に表示される「インタースティシャル広告」「動画広告」「フィード広告」がきっかけとなります。

Googleの調査でも、「別のアプリを使っているときに見た広告」や「Web閲覧中に見た広告」「YouTube広告」など、広告経由の発見が全体の2〜3割を占めていることが示されています。

広告施策で重要なのは、「とりあえず配信する」のではなく、事前に数字の設計をしておくことです。

  • 目標インストール単価(CPI):例)1インストールあたり 800円以内
  • 1ユーザーあたりの想定LTV:例)半年間で 3,000円
  • 回収期間:例)3ヶ月以内に広告費の50%を回収、半年で黒字化

こうした設計がないと、「広告費はかけているが、事業として黒字なのか分からない」という状態になりがちです。

施策③ SNSへの投稿(オーガニック運用)

広告とセットで考えたいのが、自社アカウントによるSNS運用です。
Googleの調査では、「SNSで共有されているのを見て知った」という回答も32%あり、ソーシャル上でのクチコミがアプリ発見に一定の影響を持っていることが分かります。

SNS運用のポイントは次の通りです。

  • ペルソナが日常的に使っているSNSに絞る
  • アプリの機能紹介だけでなく、「使うとどう変わるか」というビフォー・アフターを中心に発信する
  • ユーザーからのコメント・DMを一次情報として集め、プロダクト改善に活かす

短期的なインストール数よりも、中長期的に「このアプリの世界観に共感してくれるファン」を増やすイメージで取り組むと成果につながりやすくなります。

施策④ PR、インフルエンサー活用

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PR(広報活動)やインフルエンサーの起用は、短期間で大きな認知を取るのに有効な施策です。

調査データでも、新しいアプリの発見経路として「オンラインの記事を読んで」「ブログやメディアで紹介されて」という回答が約3割、「テレビCM」は26%程度あります。

  • プレスリリースでニュースサイト・業界メディアに取り上げてもらう
  • アプリジャンルと親和性の高いインフルエンサーに、自然な利用シーンとして紹介してもらう
  • ポッドキャストやYouTube番組など、ニッチな媒体に深く出ていく

「友人・家族が使っているアプリを知る」が51%とトップであることを踏まえると、インフルエンサーや既存ユーザーの“おすすめ”に近い体験をいかに作るかが鍵になります。

施策⑤ オウンドメディア・コンテンツマーケティング

習慣化アプリ領域で、オウンドメディア立ち上げ8ヶ月で140万PV・課金率25%増を達成

自社ブログや特設サイト(オウンドメディア)で情報発信し、検索経由でユーザーを集める方法も、安定的なユーザー獲得チャネルになります。

Googleの調査では、「検索エンジンからアプリを見つけた」という回答は21%と、アプリストアや友人紹介ほどではないものの、一定の割合を占めています。

この数字から分かるのは、

  • アプリ名で検索されたときに、公式サイトや解説記事がきちんとヒットすること
  • ジャンルキーワード(例:「家計簿 アプリ おすすめ」)での比較記事やノウハウ記事から、自社アプリに誘導すること

といった「検索導線の整備」が、ユーザー獲得の下支えになるという点です。

弊社「株式会社ペンタゴン」では、アプリに特化して制作をしております。  アプリ開発をお考えの場合は、以下のバナーをクリックして弊社までご相談ください。経験豊富なアプリエンジニアがご相談を承ります。
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データから読み解く「ユーザーが選ぶアプリ」とは?

ここからは、Googleの調査データを少し深掘りして、「ユーザーに選ばれ続けるアプリ」の条件を整理します。

① 半数のユーザーは「有料アプリを一度も買ったことがない」

調査では、「アプリをダウンロードするのにお金を払ったことがある」人は50%、「一度も支払ったことがない」人も50%と、きれいに半々という結果でした。

有料アプリを購入した理由としては、

  • そのアプリにしかないコンテンツが欲しかった:45%
  • 無料アプリにはない機能があった:35%
  • 広告なしで使いたかった:33%

などが挙がっています。

ポイント

  • 「まず無料で体験してもらい、プレミアム機能でアップグレードしてもらう」フリーミアムモデルは理にかなっている
  • 有料課金してもらうには、「無料では手に入らない明確な価値」が必要

② ユーザーが一番重視しているのは「使いやすさ」

「お気に入りのアプリについて、価値を感じている点は何か?」という質問に対し、61%が「使いやすく、ナビゲーションが分かりやすい」と回答し、2位以下の項目の約2倍の重要度となっています。

その他の項目としては、

  • いつも新しいコンテンツがある:34%
  • 自分好みにパーソナライズされている:29%
  • 通知が役に立つ:26%

などが続きますが、「デザインが好き」や「割引や特典がある」といった要素は2割以下です。

つまり、ユーザーにとって最重要なのは「見た目の派手さ」よりも「迷わず使えること」
ユーザー獲得施策と同じくらい、UI/UXデザインや導線設計への投資が重要だと分かります。

③ プッシュ通知は「85%が有用」と感じている

「プッシュ通知は嫌われる」と思われがちですが、調査では85%のユーザーが「スマホで受け取る通知は役に立つ」と回答しています。

特に役に立つと感じる通知は、

  • 配送状況(発送・配達)のお知らせ:42%
  • 予約・アポイントのリマインド:35%
  • 新しい割引・オファー:35%
  • 新機能追加などのアップデート:34%

といった、「ユーザーにとってタイムリーで、具体的な価値がある情報」です。

ポイント

  • 「アプリ側が送りたい情報」ではなく、「ユーザーにとって役に立つタイミングと内容」を設計する
  • セグメント(行動履歴や興味関心)に応じた通知を送ることで、離脱防止と継続利用につながる

④ アンインストールの主な理由は「不要になった」と「容量不足」

ユーザーがアプリの利用をやめる理由

ユーザーがアプリの利用をやめる理由としては、

  • 「そのアプリが不要になった」:55%
  • 「スマホの容量を空ける必要があった」:53%
  • 「思ったほど便利ではなかった」:50%

といった回答が上位になっています。

アプリ側の問題

アプリ側の問題としては、

  • アプリが多くのメモリ(容量)を使っていた:46%
  • 技術的な問題(バグ)が多かった:39%
  • 広告が多すぎた:32%

などが挙げられています。

一方で、「改善が行われれば再度使っても良い」と答えたユーザーは91%にのぼり、特に戻ってきてもよいと感じるきっかけとして、

  • アプリのサイズが小さくなった:43%
  • 使いやすいように再設計された:36%

といったポイントが挙がっています。

つまり、ユーザーが離脱しても、「軽く・使いやすく」改善すれば戻ってきてくれる可能性は十分あるということです。

ユーザー獲得施策を進める前におさえておくべき3つのポイント

ここまで、代表的なユーザー獲得施策とデータをご紹介しました。しかし、いきなり広告を打ったりインフルエンサーに依頼したりする前に、必ず整理しておきたいポイントが3つあります。

ポイント① ペルソナとターゲットの明確化

  • 誰に使ってもらうアプリなのか(年齢・職業・ライフスタイル)
  • その人が抱えている「具体的な課題」
  • その課題を解決するために、今どんなサービス・アプリを使っているか

調査データでも、用途ごとに「アプリが好まれる場面」「モバイルサイトが使われる場面」が分かれています。例えば、ゲームやタスク管理、フィットネス記録など“特定のタスク”ではアプリが選ばれやすいのに対し、「情報収集・ニュース閲覧・旅行先の検索」などはモバイルサイトが好まれる傾向があります。

自分のアプリが「どのシーンで使われるべきか」を整理することで、機能設計や訴求メッセージもクリアになります。

ポイント② KGI・KPI・予算・期間の設定

  • KGI(最終目標):6ヶ月後のMAU・売上など
  • KPI(途中の指標):月間インストール数、CPI、継続率、課金率
  • 予算とテスト期間:例)まず3ヶ月は検証フェーズとして月50万円 など

ここが曖昧なままだと、「データに基づくキャンペーン最適化」ができず、“なんとなく広告を出しているだけ”の状態になってしまいます。

ポイント③ 体制・運用リソースの確認

  • 広告運用・クリエイティブ制作・データ分析を誰が担うか
  • ユーザーからのフィードバックをどのように集約し、プロダクト改善に活かすか
  • ライフサイクル全体(獲得〜継続〜休眠〜再活性)を見られる担当者がいるか

自社だけで難しい部分は、早い段階から開発会社やマーケティング会社に相談するのも有効です。

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まとめ

この記事でご紹介した内容とデータをベースに、自社アプリのユーザー獲得戦略と継続利用施策を組み立ててみてください。
もし「自社の事業向けアプリを作りたいけど、実際にアプリ開発の費用は、どれくらいになるのか?」「アプリ開発の外注を検討していて、一度相談したい」などお考えでしたら、アプリ開発会社の株式会社ペンタゴンをご検討ください。
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Posted by 山本 真矢