ライブ配信アプリを開発するには?必要な仕組み・費用相場・成功のコツを解説

Twitter・Facebook・LINEなどのSNSは、私たちの生活に欠かせない存在となっています。なかでも、YouTubeや若年層を中心に流行しているTikTokは、動画配信で勢いを伸ばしているコンテンツです。

近年はコロナ禍でイベントの自粛などが相次ぐ中、時間や場所にとらわれない、新たな仕組みとしてライブ配信が注目を集めています。リアルタイムで配信できるほか、アーカイブとして残せるため、見逃す心配もなくなるなど、ユーザー側の負荷も少なく楽しめるのです。

今回は、そんなライブ配信に欠かせないアプリサービスにフォーカスして、概要や開発費用の相場について解説します。また、ライブ配信アプリ開発のコツも紹介するので、今後アプリを開発する予定のある方は、ぜひ参考にしてください。

ライブ配信アプリとは?

ライブ配信アプリとは、スマートフォンを用いてリアルタイムで映像を配信できるサービスです。「リアルタイムSNSアプリ」と言い換えることもできます。

ライブ配信アプリが開始された頃の用途は、ライブや演劇などの鑑賞に限定されていました。

しかし、コロナ禍の影響でリモート需要が高まったことにより、活用範囲は大幅に拡大しています。現在では、学校や塾の講義から、企業研修やプロモーションまでさまざまな用途で、ライブ配信アプリが使用されているのです。

ライブ配信アプリを選ぶ際は、ターゲットとなるユーザーの目的に合わせることが重要です。

また、ユーザーの属性に応じて、必要となる機能を選ぶようにしましょう。

主なライブ配信アプリ

主なライブ配信アプリは、「PC・スマートフォン対応型」と「スマートフォン特化型」にわけられます。ここでは、それぞれの代表的なライブ配信アプリをご紹介します。

・PC&スマートフォン対応型

アプリ名称アプリの特徴配信者の特徴換金率(%)
Spoon顔出し不要若年層が多い10~40
トークライバー女性のみ利用可女性のみ20~50
SHOWROOM定期的なオーディションイベントの開催男性が多い20~30
BIGO LIVEゲーム配信向き男女比が同じ20
ピカピカ顔出し不要男女比が同じ10~30

・スマートフォン特化型

アプリ名称アプリの特徴配信者の特徴換金率(%)
Pococha初心者におすすめ女性が多い(主に10~30代)-
HAKUNA初心者におすすめ女性が多い(主に10~30代)82~100
17Liveリスナー数が多い女性が多い20~30
ふわっちツイキャスに近い雰囲気男女比が同じ-
MixChannel若年層に大人気10代の女性が多い5~25
Live.me全世界で5,000万ダウンロード男女比が同じで、海外配信者が多い10~30

参考:【2022最新】ライブ配信アプリおすすめ決定版!稼げて安心な人気アプリを徹底比較!

上記のアプリの特徴・配信者の特徴・換金率は、ライブ配信アプリ開発の際にとても大事な要素です。既存のライブ配信アプリの強みを理解したうえで、利便性や機能などで差別化を図れるような開発が求められます。

ライブ配信アプリに必要な機能

ライブ配信アプリにおいて必要不可欠な機能は、動画配信です。

一方、動画配信以外の機能については、用途に応じて必要なものを選ぶことが大事といえます。

ライブ配信アプリは一般向けと法人向けにわけられ、両者に必要となる機能の違いは以下の通りです。

一般向けライブ配信アプリの場合

1.投げ銭ができる機能

2.視聴者がコメントできる機能

3.視聴後にアンケートに回答ができる機能

4.動画のランキング掲載・新着表示ができる機能

5.複数ユーザーで動画投稿ができる機能

法人向けライブ配信アプリの場合

1.視聴制限(管理)機能

2.会員管理(権限管理)機能

3.決済機能

4.高いセキュリティ機能

5.既存システムと連携できる機能 

上記以外にも、動画の不正ダウンロード対策などを行ってくれる機能や、独自の機能が備わっているサービスも存在します。自社での対応が難しい場合、付加機能に対応しているライブ配信アプリの選定がおすすめです。

ライブ配信アプリの配信の仕組みとは

ライブ配信アプリの仕組みには、「ストリーミング配信」「プログレッシブダウンロード配信」「DRM配信」があります。

・ストリーミング配信

動画をダウンロードしながら視聴できる仕組みです。データをパケットごとに分割して送信するため、順次再生を行えます。膨大な動画のデータをすべてダウンロードしなくて済むので、手軽に映像を視聴できるメリットがあります。

・プログレッシブダウンロード配信

基本はストリーミングと同じことから「疑似ストリーミング」とも呼ばれます。相違点としては、端末にデータが残る点が挙げられます。ダウンロード済みの箇所までは、オフラインで自由に視聴が可能です。

・DRM配信

DRMとはデジタルコンテンツの著作権管理技術をまとめた総称です。セキュリティ対策が可能な反面、ほかの方式より高いコストが必要です。著作権の許諾を得ていない違法なデータの流出を防ぐためにDRM配信が活用されています。

webRTCとは

WebRTCとは「Web Real-Time Communication」の略称です。具体的には、Webブラウザ間で、音声やビデオなどのデータをリアルタイムでやり取りする際に使われる技術を指します。

WebRTCはP2P(Peer to Peer)の通信方式を採用しています。従来のサーバーを経由する必要がなくなるため、クライアント同士も直接データのやり取りが可能です。仮にサーバーに障害が発生したとしても、やり取りを続けられるなどの利点があります。

では、Web上でリアルなビデオコミュニケーションを行う場合、一般的なストリーミング配信とWebRTCでは何が違うのでしょうか。以下で両者の違いについて確認してみましょう。

ストリーミング配信WebRTC
主な用途音楽配信会議
通信の遅延(レイテンシ)大きい小さい
通信遅延時のデータのロスなしあり
大容量データ配信時の費用安い高い

参考:Honeysol Tech Report

このように、両者の特徴は大きく異なっており、そのためそれぞれが使われる用途にも違いが出ています。多少のデータロスを許容し、通信の遅延(レイテンシ)が低くリアルタイム性が高いWebRTCは会議に向いていますし、一方で通信の遅延が大きくても問題ないストリーミング配信は、音楽配信などに用いられています。

WebRTCを実装する際には、「フルサービス型」や「シンプル型」からの選択が一般的です。

・フルサービス型

ストリーミング変換・録音・通話など機能面では優れているものの、高い費用がネックです。

・シンプル型

ソフト同士をつなぐWebRTC APIに直接アクセスを行え、価格も抑えられます。

ライブ配信アプリの開発にかかる費用相場とは?

続いて、ライブ配信アプリの開発かかる費用について詳しく見ていきましょう。

一般的な相場として、ライブ配信アプリをフルスクラッチで開発した場合には、およそ900万円~の費用が掛かります。

以下はその項目の一覧です。

機能費用($)
認証3,250
プロフィール3,550
検索3,650
寄付システム2,400
チャット7,200
通知2,400
決済システム6,350
プレイヤーとの連携3,600
デザイン4,000
ストリーミングチャネル管理8,000
ストリーム管理9,350
チャットモデレーション3,400
ストリームの保存2,500
管理者側8,550
モバイル統合のフレームワーク4,800
データベース2,400
合計$75,400

引用:How to Create a Live Streaming App: Must-Have Features, Tech Stack, Monetization Strategies, and More (一部筆者にて翻訳)

ライブ配信アプリの開発にはこれだけの項目が必要であり、各項目の費用を合計した金額は$75,400、日本円にしておよそ904万円(1ドル120円の場合)となります。

ライブ配信アプリの開発費用には上記の開発費用に加えて、別途インフラ維持管理費が必要となる点に注意しましょう。

また、ライブ配信アプリの費用面を考える際には、運用システムの違いの把握も大切です。

ライブ配信アプリの運用システムには、「クラウド」と「オンプレミス」があります。クラウドとは社外のサーバーに配信システムを構築する形式です。一方、オンプレミスとは配信用のサーバーやソフトウェアを自社で配信および管理するものを指します。

オンプレミス型のサービスは自社内にサーバーを置くケースがほとんどで、設備費用がかさむ一方セキュリティ性能が高い特徴があります。しかし、近年はクラウドサービスのセキュリティ性能も上がっており、コストや設備改修などの面からクラウド型サービスが主流となりつつあります。

今後のIT技術の進歩やサービス拡大に応じて、取り扱うデータ容量が増えていくことを考えると、クラウド型のサービス設計の方がベターかもしれません。

クラウドオンプレミス
初期費用安い高い
システム利用料月額・年額制のシステム利用料が発生する不要
またはかなり安い
運用費用不要人件費・サーバーの電気代
導入にかかる期間すぐに利用可能構築までに時間が必要(数週間~数ヶ月)
カスタマイズの自由度低い高い
セキュリティリスクリスクがある(ハッキングなどの恐れ)リスクが小さい(外部からアクセス不可)

また、WebRTCサービスを利用する場合は、別途料金が必要です。ライブ配信アプリの開発では開発費用だけでなく、運用システムにかかる費用なども含めて検討しましょう。

『twilio』ならビデオ配信機能をコストを抑えて実現

「twilio(トゥイリオ)」とは、クラウドコミュニケーションAPIの1種です。電話・SMS・メール・動画配信サービスなどと、Webやモバイルアプリケーションをつなぐ架け橋のような存在といえます。

twilioは、先にポイントをチャージし、かかった分だけ差し引かれる従量課金制です。また、初期費用・月額費用がかからず、決済もクレジットカードやPayPalで簡単に行うことができます。そのため、twilioは無駄なコストを省き、安く利用できるサービスです。

現在は全世界で約25万以上もの組織・企業で利用される大人気サービスとなっています。

そんなtwilioではさまざまな製品とサービスを展開しています。特に、ライブ配信アプリの開発費用を抑えたい場合、ビデオ配信機能の利用がおすすめです。twilioのビデオ配信機能の特徴は以下の通りです。

・ブランディングに貢献

自社サイトやアプリに組み込めるので、独自のビデオ会議システムが構築できます。

・多様なプラットフォーム

WebRTCを使っているので、Webブラウザでも手軽に使用できます。

・高品質な基盤

クラウド対応のため、急な大規模会議にも対応できます。

twilioを使えば、従来の電話・SMS等を用いる開発コストをはじめ、環境・工数などの諸問題を解消できます。企画・開発などのコア業務に注力できたり、既存業務の効率化に大きく貢献したりしてくれるでしょう。

また、個別の電話会社などとの契約不要なほか、最小限のコードでアプリケーション開発が可能になるなど、使いやすさも魅力的です。

なお、ビデオ配信機能を利用する際は、以下の3つのプランから選択できます。

Video WebRTC GoVideo P2PVideo Groups
参加者1人あたり1分につき必要な費用$0$0.0015$0.004
最大参加者数2名まで3名まで50名まで
データトラック
ビデオインサイト2日まで7日まで7日まで
同時実行数100名まで無制限無制限
サービス品質保証 ×
ダイヤルイン××
レコーディング××$0.004(参加者1人につき1分あたり)
動画編集××$0.01(構成された1分あたり)

参考:Videoの料金|twilio

弊社ならtwilioを特別価格でご提供可能

twilioの「Video P2P」や「Video Groups」を利用する場合、利用料をあらかじめシミュレーションしてみましょう。また、使用したい場合は当社にお任せください。ソフトウェア開発に特化している弊社だからこそ提案可能な特別価格で、twilioの各プランを提供できます。

アプリ開発を成功させるポイントとは

アプリの開発を成功まで導くためには、具体的に何が重要なのでしょうか。ここでは、アプリ開発を成功させるポイントを2点紹介します。

アプリは企画時点での作りこみが重要

アプリ開発の成功の有無は、企画書の時点で決まる場合もあります。アプリを使用するターゲットの設定やアプリの売りが曖昧なままだと、魅力あるサービスの提供はできません。そのため、ユーザーが必要としている機能の選定や、収益化の方法までスケジューリングし、企画段階から作りこむ工夫が重要です。

マーケティング施策も考えておく

アプリ開発を成功させるなら、マーケティング施策についても考えておきましょう。アプリマーケティングの手法としては、「KPIの設定」や「ブログやランディングページによる宣伝」などが有効です。アプリ開発の効果をより高めたい場合、完成後のマーケティング施策まで想定する姿勢が重要といえます。

まとめ

今回はライブ配信アプリをテーマに、概要や開発のポイントなどをご紹介しました。

ライブ配信アプリはプライベートの時間だけでなく、学校や企業でも活用される機会も増加しています。配信者と視聴者をつなげる新たなコミュニケーションツールとして、広く社会に普及し始めているのです。昨今はさまざまなライブ配信アプリが誕生していますが、多様化するニーズに応えられる新たなサービスは求められています。ライブ配信アプリを開発する前に、本記事で紹介した必要な機能や仕組み、相場費用などを確認してみてください。

twilioでは、初期費用・月額使用料もかからずにビデオ配信機能が利用可能です。初めてライブ配信アプリを開発する方も安心して利用できます。そして、豊富なアプリ開発実績を持つ当社なら、価格を抑えつつ、各企業に最適な方法でアプリ開発および導入を提案できます。ライブ配信アプリの開発を検討中の方は、ぜひご利用ください。

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