画像認識アプリの開発の3つの作り方と費用相場をプロが解説!

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画像認識アプリの作り方は以下の3パターンあります。

◆画像認識アプリの3つの作り方

  • 作り方①アプリ開発会社に外注する
  • 作り方②自社でスクラッチ開発する
  • 作り方③自社でノーコード開発する

この記事では、アプリ開発会社で働いている筆者が、今回は、この技術を利用した「画像認識アプリ」について、仕組みや種類、開発方法まで細かく解説します。初めてのアプリ開発でお悩みの方は、デザインとアプリ開発に強みを持つ「株式会社ペンタゴン」までご相談ください。

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【この記事の監修者】山本 真矢 株式会社Pentagonの代表取締役社長
経歴:Y-Combinator StartUp School / Arizona State University / 2013年からスタートアップを中心に様々な企業のアプリ開発を支援。2018年に株式会社Pentagonを設立。2023年アプリ開発高速化する特許を取得(7184410)。アプリやWebサービスの開発に関する情報をYouTubeでも配信しています。

画像認識アプリの3つの作り方とは?

画像認識アプリを作る方法は主に次の3つがあります。

◆画像認識アプリの3つの作り方

  • 作り方①アプリ開発会社に外注する
  • 作り方②自社でスクラッチ開発する
  • 作り方③自社でノーコード開発する

この中でも、最もおすすめの方法は「アプリ開発会社に外注する」方法です。

それぞれの方法について簡単に比較すると、以下のようになります。

◆画像認識アプリの3つの作り方のメリットとデメリット

方法メリットデメリット
①アプリ開発会社に外注する・専門知識を持つプロに依頼できる
・開発期間の短縮が可能
・予算の見積もりが明確
・外注費用がかかる
・社内にノウハウが蓄積されない
②自社でスクラッチ開発する・完全オリジナルの機能を実装可能
・社内にノウハウが蓄積される
・長期的なコスト削減が可能
・高い技術力が必要
・開発期間が長期化する可能性
・人材確保が困難
③自社でノーコード開発する・プログラミング知識が不要
・短期間で開発可能
・低コストで実現できる
・機能に制限がある
・カスタマイズ性が低い
・高度な画像認識は難しい

アプリ開発会社に外注することで、専門的な知識と豊富な経験を活用でき、高品質な画像認識アプリを効率的に開発できるといったメリットがあります。

株式会社ペンタゴンでは、さまざまなアプリの制作実績があり、画像認識アプリやAIを搭載した高度な画像判定を可能とするアプリも開発可能です。

弊社「株式会社ペンタゴン」では、アプリに特化して制作をしております。  アプリ開発をお考えの場合は、以下のバナーをクリックして弊社までご相談ください。経験豊富なアプリエンジニアがご相談を承ります。
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画像認識アプリに必要な2つの機能とは?

画像認識アプリには大まかに分けて、2つの機能が必要です。

一つ目は「画像を読み取る機能」です。利用者が指定した画像ファイルや、スマートフォンなどのカメラ映像を読み取り、細分化し、どういった画像なのかを判断するための「要素」に変換する機能となります。

二つ目は「画像を判定する機能(AI)」です。要素ごとに分解された画像のデータを、AIなどにより、「どういった画像なのか」判定します。判定内容は条件によって変わり、「どういった植物か」といったような限定的な判定から、漠然とした「何が写っているか」というような判定まで、多岐にわたる判定を行うことになります。

対象物別に特化・専門化させる必要がある

当たり前ではありますが、画像認識アプリでは非常に多様な画像が使用されます。同じ被写体であっても、撮影日時や角度が違うだけで、全く異なる見た目になってしまうでしょう。そんな多様な画像を、できるだけ正確に判定し、アプリ利用者に的確な情報を伝えるために、目的に沿ってアプリを「専門化」する場合があります。

例えば、「花」の情報を調べるときに、使用された画像が「魚」と一致するかどうかは、人間だったら判断するまでもありません。しかし、AIには「花」や「魚」がどういった特徴を持っているのか、画像のパターン以外の部分は判断できないのです。そのためAIには、あえて「花」以外の写真は最初から覚えさせず、送られた画像が何であれ、その画像に似ている「花」を調べさせるように作ります。こうすることで、「花」専門の画像認識アプリができ上がるわけです。

こうして特化・専門化されたアプリなら、高い精度が期待できます。また、こうした特化は利用者だけでなく開発・運営サイドにも有利に働きます。あらかじめ用途を限定しておくことで、設計やテストなどの工数を軽減できる可能性があるためです。アプリが使いやすく、正確な判定を行うためにも、目的別にアプリを用意することが重要となってくるでしょう。

主な画像認識アプリの例

ここからは各アプリストアからダウンロード可能な画像認識アプリを、制作難易度についてご紹介します。実際に画像認識アプリを利用してみることで、画像認識技術が既に私たちの生活に根ざしていることが実感できるはずです。

事例①Picture This(制作難易度:中)

https://www.picturethisai.com/ja/

PictureThisは花や植物をカメラで撮影することで、被写体となった植物の名称や、その植物の特徴、さらには分布マップまで表示してくれる、植物に特化した画像認識アプリです。品種の同定が難しい植物だとしても、PictureThisの画像認識技術を使えばアップロードした画像から簡単に何という名前の植物かを識別可能です。

PictureThisには有料プランが用意されており、機能を無制限で利用できるほか、専門家に相談したり対談したりするサービスの提供で収益性を高めるビジネスモデルとなっています。

事例②Googleレンズ(制作難易度:高)

https://lens.google/intl/ja/

アプリ名の通り、Googleが開発している画像認識アプリです。撮影した被写体と一致する情報を表示するだけでなく、カメラで取っている文字をデータ化することもできたりと、複合的な機能を持っています。Googleレンズは自身で言語化できな対象の詳細情報を簡単に検索可能です。

これは単なる検索機能の拡張にとどまらず、取得した情報使ってWebサイトや商品購入ページへ誘導するアクションを促せます。BtoC、BtoBマーケティングでもユーザーの接点としてGoogleレンズが活用され始めています。

複数の認識機能を組み合わせた高度なアプリの例です。

③Picture Bird(制作難易度:中)

https://picturebirdai.com/app

画像に写っている、鳥の名前を調べることができるアプリです。カメラ撮影と、鳥が写った画像のアップロードすることで判定を行えます。Picture Birdは有料プランのみのアプリで、高精度な画像認識機能が最大の特徴です。鳥の画像認識は雄雌を見分ける精度までサポートしていることがほとんどです。Picture Birdは鳥類の画像認識に特化しているため雄雌の識別も判定できます

さらに、画像認識だけでなく音声認識技術も備わっており、鳥の鳴き声からも識別が可能な鳥好きにとっては非常に利便性の高いサービスを提供しています。画像認識と音声認識を組み合わせた、ニッチ市場向けの特化型アプリです。

画像認識アプリ開発の費用相場は300~1,000万円

では、画像認識アプリが作りたいとなったときに、一体どのくらいの費用を見積もっておけばよいのでしょうか。

アプリなどの開発では、一般的に「人月」という単位で作業量を表し、その作業量に沿って開発費用のベースが算出されます。人月とは、一人の人間が一ヶ月でできる仕事量を表し、これを基準に、何人がかりでどのくらいの期間を使うかを決定するための指標です。単純に言うと、確保した技術者の人件費合計を、納期までの期間分まとめたものが、開発費用のベースとなるイメージです。

画像認識アプリの場合、通常のアプリ開発に加えて、画像認識を行うAIの実装と、AIが使用するデータをどのように用意するかといったような、少し特殊な要件についても考慮が必要です。

大まかにではありますが、通常のアプリ開発には、300万円以上の開発費が必要になると言われています。画像認識アプリを開発する場合には、それよりも高額となる、おおよそ500万~1000万円ほどの費用を目安に、入念に企画や打ち合わせを行いましょう。

アプリ開発の開発費用についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

【相場】モバイルアプリの開発費用はいくら?開発費を抑える方法も紹介

画像認識アプリの開発はAPIでの効率化がポイント

アプリの開発においては、ベースとなる機能や共通処理などに、公開されているAPIを利用することで、効率的な開発を行うことができるでしょう。APIとは「Application Programming Interface」の略で、簡単に言うと「一定の機能を持ったアプリケーションのパーツ」のようなものです。公開されているAPIを利用することで、そのAPIが持つ機能の部分については開発を省略することができます。

とりわけ、画像認識のアプリを開発する場合には、このAPIが重要となってきます。

画像認識では複雑な条件を判定することになることから、多くの場合、AIに判定処理を行わせます。AIの開発には非常に大きなコストがかかるため、新しい画像認識アプリのためだけに作成するというのは、あまり現実的ではありません。

また、AIに画像を判定させるには、膨大なサンプルが必要となります。APIを用意している企業では、ビッグデータと呼ばれる大規模データベースを使用し、AIに深層学習を行わせているため、AIの開発だけでなく、膨大なサンプルデータを用意する手間も省くことが可能です。画像認識アプリで利用されるAPIから、有名なものをいくつかご紹介します。

主要な画像認識API

①Google Cloud Vision API

Googleが提供する高精度な画像認識APIです。顔検出、文字認識(OCR)、物体検出、ラベル検出など幅広い機能を持ちます。月1,000件まで無料で利用でき、以降は1件あたり1.5円程度となります。

②Amazon Rekognition

AWSが提供する画像・動画分析サービスです。顔認識、感情分析、有名人認識、不適切なコンテンツ検出などの機能があります。月5,000件まで無料で、以降は1件あたり1.2円程度です。

③Microsoft Azure Computer Vision

Microsoftが提供するAI画像分析サービスです。画像の説明生成、タグ付け、顔検出、読み取り機能などを備えています。月5,000件まで無料で利用可能です。以降1件あたり1.0円~

API利用にかかる費用の目安

画像認識アプリにかかわらず、公開されているAPIを利用してアプリ開発を行うと、そのAPIの使用料金がランニングコストとして継続的に発生する場合があります。APIの利用料には、最初に料金を支払うものや、利用回数で料金が決まるもの、月額・年額で利用料を払い続けるものなど、いくつかのタイプが存在します。

一見すると、APIを利用することで、余分なコストがかかっているようにみえるかもしれません。しかし、APIでまかなえる部分の開発工数を省略することができ、オリジナルの実装部分のみに集中して開発できることで、全体のコストを下げることが可能となります。

主要なAPIサービスの費用目安

枚数/サービスGoogle Cloud Vision APIAmazon RekognitionAzure Computer Vision
1,000枚(無料枠内)無料無料無料
10,000枚13,500円10,800円9,000円
100,000枚148,500円118,800円99,000円

例えば、毎月10,000枚の画像を処理するアプリとなると、月間で1万円弱のAPI利用料がかかることにあります。ユーザー数と1ユーザーあたりが処理する画像の枚数から計算して、APIの利用料金を計算します。

画像認識アプリ開発を成功させるために必要な3つのポイント

アプリを開発したものの、利用者が少なく開発費の回収ができない。そんな状況を回避するためには、どのようなポイントを押さえておく必要があるのでしょうか。

ここでは、アプリ開発を成功させるためのポイントをご紹介いたします。

 ポイント①「企画」は最も重要な工程

アプリの開発では、すべてを外注するという手段もないわけではありませんが、自社のブランドを冠して展開させるのであれば、しっかりとした企画が必要です。いざ開発を外注しても、自社と開発企業の間でイメージに食い違いがあってはいけません。どういった目的でどのようなアプリを開発し、何を実現したいのかなど、しっかりとした目標を立て、課題・問題点・認識の齟齬をなくして開発することで、品質の高いアプリを作ることができるでしょう。

アプリの企画を作る際に押さえておくべきポイントをこちらの資料でもご紹介していますので、ぜひご覧ください。

アプリマーケティングの基礎を解説!これを知っているだけでC向けアプリの企画が劇的に変わる!

ポイント②外注先選びは慎重に

小規模なアプリであればともかく、画像認識などの高機能アプリ開発には、多額の資金が必要になりがちです。しっかりと企画書を作成した上で、必ず複数の企業へ見積もりを依頼(相見積もり)しましょう。

企業によって価格はまちまちになりますが、「安いから」という理由だけで外注先を選ぶのは避けるべきです。アプリの開発業務では、優秀なエンジニアをようする企業であったり、豊富なノウハウ・実績を持つ企業ほど、開発費用が高くなったりする傾向があります。費用を抑えることだけを考えてしまうと、せっかく投資したアプリが使い物にならないなど、最悪の結末を迎えてしまう可能性もあります。

相見積もりを行うことで、相場を判断し、企画書をしっかり理解している企業を見つけ、入念な打ち合わせを行いましょう。

ポイント③ユーザー獲得やマネタイズ戦略を練る

アプリはリリースしたら終わりではありません。明確な目的を設定し、目的に沿った戦略で維持・運営を行う必要があります。昨今では、アプリといえば基本無料というイメージすらありますが、アプリは維持するだけでランニングコストがかかります。最低限、ランニングコストをかけている分の利益を出す必要があります。

利益には直接的な収益だけでなく、広告としての利用価値や、ユーザーの獲得、市場の開拓など、様々な付加価値も含まれます。

目的を明確にし、そこへ向かうための計画と、計画に沿った運営が揃うことで、健全なアプリ運営が行えると言えるでしょう。

アプリマーケティングの基礎知識から実践のポイントについて、こちらの記事でもご紹介しています。

マーケティングを見据えたアプリ開発を行うには?実践のポイント解説

画像認識アプリの開発なら株式会社ペンタゴンにご相談ください

今回は画像認識アプリの開発は外注がおすすめの理由をご紹介しました。AIを一から開発すると開発費用が高額になりますが、APIを使えば効率よくアプリを開発して利便性の高いサービスを提供することが可能です。

そんな画像認識アプリ開発の外注を検討中の方はモバイルアプリ開発会社の株式会社ペンタゴンにご依頼ください。豊富なモバイルアプリ開発実績から多様なニーズにお応えできる画像認識アプリ開発のご提案をさせていただきます。

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Posted by 山本 真矢