6社の中から選んだ決め手は、コスト面とコミュニケーション力だった。KDDIが語る、auひかりテレビアプリ開発の舞台裏

KDDI株式会社

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auひかりは、KDDI株式会社が提供するインターネットサービスです。そのオプションとして展開されている多チャンネル放送の「auひかり テレビサービス」では、お客様が番組内容を十分に把握できないまま解約に至ってしまうという課題がありました。
この課題解決のために企画されたのが、番組情報を分かりやすく届けるためのアプリです。年度内の完成を目指す短期開発という条件のもと、パートナー企業として選ばれたのがPentagonでした。サービス主管としてプロジェクトを担った、パーソナル事業統括本部の清水拓也氏に話を聞きました。

導入の決め手

  • コストを抑えるため、共通プラットフォーム対応の会社に絞り込んで選定
  • 複数社の提案を比較する中で、提案時の対応者の人柄やコミュニケーションの取りやすさを重視
  • 3社体制という複雑な座組みでも、丁寧に連携を取れる相手だと感じた

導入後の効果

  • 週次の定例会で「その場で決める」運用により、持ち帰りや手戻りを最小化
  • Figmaによるデザインの可視化で、判断のスピードが向上
  • セキュリティ審査も大きな手戻りなく、想定より大幅に早く完了

コスト面と過去の開発実績、人柄が決め手に

── まずはauひかり テレビサービスについて教えてください。

KDDI 清水氏: auひかりというインターネットサービスのオプションとして提供している、多チャンネル放送のサービスです。私はそのサービスの主管として事業運営を担当しており、販促を主に行ってきました。今回のアプリ企画も、販促のためのツールを用意したいという考えから始まりました。

── 販促のためのツールとして、アプリ開発を検討されたのはなぜですか。

KDDI 清水氏: お客様が番組を知らないまま解約してしまうケースが、以前から目立っていたからです。アプリは視聴できるものではなく、番組情報をよく知っていただくことを目的としました。アプリの利用が番組への関心を喚起し、視聴につながるという環境を作る狙いだったのです。

最初はウェブやメールでのお知らせを強化する案も検討しましたが、その手法は他社も既に取り入れています。スマホは私たちにとって特にリーチしづらいタッチポイントだったので、もう一歩踏み込んでアプリに挑戦することにしました。

── 今回、外部のパートナーに頼ろうと思った背景も聞かせてください。

KDDI 清水氏: 年度内に仕上げたいという目標があったため、開発期間が限られていた、という背景があります。コストとスケジュールの両面で社内のリソースでは難しいと考え、柔軟に対応してもらえるパートナー企業を探すことにしました。

── そうした制約がある中で、パートナー企業はどのように選定されたのですか。

KDDI 清水氏: まずウェブで十数社ほどの情報を調べて、その中から6社ほどに絞り込みました。コストを抑えるため、ネイティブアプリ開発ではなく、FlutterやReact Nativeといった共通プラットフォームに対応している会社を中心に見ていきました。ネイティブではどうしても費用が倍近くになってしまいますから。

その中の一社がPentagonさんでした。ご提案いただいた際に知ったのですが、実は過去に弊社のグループ会社のアプリも手がけていただいたそうです。最初にコストとスケジュールをお伝えした際に、「ちょっと厳しいかな」という感触の会社さんもいらっしゃった中で、Pentagonさんはきちんと持ち帰って、提案という形にして返してくださったんです。

また、提案時のコミュニケーションもしやすく、大変な場面があっても乗り越えていけそうな安心感がありました。

3社での開発体制だからこそ、求められる人間性

── 実際の開発体制は、どのような形になったのでしょうか。

KDDI 清水氏: Pentagonさんにはフロントエンドの開発を依頼し、バックエンドの開発は他社にお願いしました。バックエンドの開発をお願いした会社は以前からお付き合いがあり、実はアプリ開発も含めて一括で依頼するケースも検討していたんです。

しかし、バックエンドの会社さんはサーバーやウェブが専門です。バックエンド会社様にも素晴らしいご検討、ご提案を頂き苦渋の選択でしたが、アプリはアプリ専門の会社に任せた方がいいだろうと判断し、フロントエンドとバックエンドのパートナーを分けた開発体制にしました。

── 複数の会社が関わる体制になったことで、開発をスムーズにするため意識していたことはありますか。

KDDI 清水氏: 関わる会社が増えることで、コミュニケーションが複雑になる懸念がありました。だからこそパートナーの選定には、基本的なQCDや実績はもちろん、丁寧にコミュニケーションを取っていただけることを重視しました。

私は他のプロジェクトでPMのような役割を担うことはあったのですが、アプリの領域は未経験。そのため、私やバックエンドの会社との相性のよさも考慮した結果、Pentagonさんなら期待できると判断しました。

── コミュニケーション面では、具体的にどのような点を見ていたのですか。

KDDI 清水氏: 最後は、提案の場でお話しした方々の人柄を見て判断した部分が大きいです。開発現場では、立場の違いから意見に違いが生じることもあります。仮に意見が対立した場合にも丁寧に会話を重ねられる関係性が重要です。複数の会社が関わる体制になることを見越して、コミュニケーション力を特に意識しました。

「持ち帰らず、その場で決める」。週1定例が生んだスピード感

── 開発を進める上で、どのような体制でコミュニケーションを取っていたのでしょうか。

KDDI 清水氏: 3社で週1回の定例会を設けて進めていました。アジェンダやWBSは私の方で用意しましたね。3社体制でしたので、誰かに任せきりにするのではなく、自分自身もハブとして動かなければいけないと思い、決まったことは毎回タスク表や議事録に残すようにしていました。

── 定例会では、具体的にどのようなやり方で進めていたのですか。

KDDI 清水氏: 持ち帰りにすると、テキストでのやり取りが何度も発生して時間がかかってしまうので、その場で決めるスタイルを徹底していました。アプリ側の意見、サーバー側の意見をそれぞれ出し合って、その場で落としどころを探っていくのです。序盤の要件定義の段階では、打合せ時間が予定を1時間ほどオーバーすることもありました。

── デザイン面でも、同じように現場で決めていく進め方だったのでしょうか。

KDDI 清水氏: そうですね。デザインはFigmaで作っていただいたので、目に見えて分かりやすかったです。仕組みの部分についても、定例会の場で教えていただきながら、その場で作っていくようなスタイルでした。実装方法を持ち帰っていただくこともありましたが、基本的にはその場でどんどん詰めていく進め方でしたね。

── 複数の会社の意見をまとめていく中で、難しさを感じた場面はありましたか。

KDDI 清水氏: 仕様の齟齬で一度進行が滞ったことはありましたが、それほど大きな対立にはなりませんでした。アプリ側の課題、サーバー側の制約、それぞれの立場を持ち寄って、その場で意見を出し合いながら落としどころを探してもらいました。私自身も要望を伝えてはいましたが、実装の判断はプロの知見に委ねるようにしていたのです。

たった数日でアプリが承認。スムーズな審査と今後への期待

── 大手企業として、セキュリティ面での対応にはどのようなものがありましたか。

KDDI 清水氏: 利用規約やプライバシーポリシーの承認、脆弱性の確認など、チェックすべき項目が多くありました。社内にセキュリティを監査する部門がありますので、我々が中継ぎとなって、必要な書式やチェック項目をパートナーさんにお渡しし、対応いただいた上で申請するのです。Pentagonさんがしっかり対応してくれたので、審査については、大きな手戻りもなく進められましたね。

── 審査期間については、想定とどのような差がありましたか。

KDDI 清水氏: アプリストアへの申請に1ヶ月ほど時間を見積もっていたのですが、実際には数日で終わりました。初回リリースの審査としては早い方だと伺って、私自身も驚きましたね。

Pentagonさんは豊富な実績があるので、審査を通すためのノウハウもお持ちです。複雑な申請も、時間をとって1on1でやり方を教えてもらったため、スムーズに申請できました。

── 完成したアプリの仕上がりについては、どのような印象をお持ちですか。

KDDI 清水氏: 全体的にスタイリッシュに仕上げたいと考えていたので、デザインもそれに合わせた実装も含めて満足しています。画像のサイズや位置など、実物を見て初めて気づく細かな調整もありましたが、打ち合わせで合意した内容への対応は早く、安心して進められました。

── 同じように、短期間でのアプリ開発を検討している企業に向けて、何かアドバイスはありますか。

KDDI 清水氏: アプリ開発の知見がない状態で進めるのは正直不安もありましたが、Pentagonさんはこちらの要望を丁寧に汲み取り、その場で形にしてもらえたので、想像以上にスピード感を持って進められたと感じています。

コストやスケジュールに制約がある中でも、コミュニケーションをしっかり取れる相手を見つけることが、成功への一番の近道ではないでしょうか。

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